事実の報道か、扇情的な報道か~「最悪レベル7」の読み方~
福島原発、最悪「レベル7」も 米シンクタンク指摘
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011031601000077.html
【ワシントン共同】世界の核関連活動を監視する米シンクタンク、科学国際安全保障研究所(ISIS)は15日、東日本大震災に伴う福島第1原発の事故について「状況は相当悪化した」との見解を発表、事故・トラブルの8段階の国際評価尺度で上から2番目の「レベル6」に近く、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と同じ最も深刻な「レベル7」に達する可能性もあると指摘した。
は、かなり悪意のある記事だ。
確かにそのような発言があったのは事実なのだろう。
しかし、「レベル7」のような制御不能な状況だと断定し、そのような情報を流布するなら、それなりの裏づけや覚悟が必要である。
同じニュースソースに対し、日本経済新聞の見出しは
「レベル6接近、7の可能性も」
とある。
日本経済新聞の記事の見出しなら
「現在の状況はレベル6に達していない」
ことは明確だ。
「レベル7」と思わせるか「レベル6にも達していない」と伝えるか。
この差は大きい。
とにかく冷静な報道が望まれる。
テレビ番組は、なかなか証拠が残らないので言いにくいのだが、どこかの番組で、放射能の被曝を防ぐために
①外出するなとか
2ぬれタオルを口に当てろとか
③外から帰ったらシャワーを浴びろとか
④衣服をビニルでくるめとか
たくさんの注意事項を解説したら、同席した専門家が
「今はそのような対応はまったく必要ない」
と否定していた。
要するに最悪の事態を想定した過剰な解説がまかり通っているのだ。
お前の意見は原発の近くに住んでいない人の勝手な言い分だとの批判もあるだろう。
しかし、そのような不安の拡大で原発近くへの物資の輸送が滞ったり、買占めが起こったり、救助が後回しにされたりしては大変だ。
最悪の事態を想定した報道も「過ぎたるは及ばざるが如し」である。
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