議論のためには共通の「数値」が必要だ。
自然再生エネルギーの話題の中で、「集光型太陽光発電」というものを知った。
6月20日の中日新聞にも特集記事が掲載された。
宮崎大学と産学共同研究をしている大同特殊鋼のHPにも次のようにある。
ソーラーパネルに当たる光が2倍になれば、発電量も2倍になります。逆に、同じ発電量で構わないのであれば、太陽電池の量を半分に節約できます。100倍に集光すれば、半導体素子も100分の1に減らすことができ、コストは大幅に下がります。原理はシンプルです。
http://www.daido.co.jp/products/cpv/
研究が進んでいることと、実現化とは別である。
研究が進んでいるから、この夏の電力危機が回避できるわけでもない。
その意味で大事なのは、
◆本格的な実施(市場参入)は、いつになるか。
◆それまでの電力不足をどう補うか。
である。
廃炉までは数十年がかかるというニュースが報じられた。
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、東電と原子炉メーカーが検討している廃炉に向けた中長期的な工程表案が明らかになった。早くて3年後に使用済み燃料プールから燃料の取り出しを始め、10年後をめどに原子炉内の燃料を取り出し始める。原子炉を解体して撤去する廃炉まで、全体で数十年かかるとしている。
http://www.asahi.com/national/update/0709/TKY201107090574.html
廃炉にする計画と、廃炉の完了は別である。
廃炉の計画が立ったから、放射線漏れの心配が全てなくなるわけではない。これから数十年、慎重な取り扱いが求められる。
その意味で大事なのは
◆現在の危険な状態に、どう対処するか
◆廃炉までの、安全確保をどうするか
である。
原発を直ちになくしましょう
自然再生エネルギーを直ちに促進させましょう
という機運が高まったとしても
◆原発に代わる電力確保は容易ではないし
◆たとえ原発を廃炉にするまでには数十年かかるし
◆夢のような再生エネルギーがすぐに実現化できるわけでもないし
◆再生エネルギーの割合が簡単に30%40%になるわけでもない。
それは夢のまた夢だ。
時期やコストや比率などの「数値」で語るべきなのに、その数値が話題にならないので、各々勝手な意見になってしまう。
募金でまかなえる金額と実際の震災復興にかかる金額にはケタ違いの差があるように、原発の供給電力と再生エネルギーの供給電力ではケタ違いの差がある。
だからこそ、同じ土俵で議論するには共通のデータや「数値」が必要である。
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Comments
反日親韓で知られる菅直人は、富者の孫正義がメガソーラーでさらに儲けるために再生可能エネルギー法案を成立させることに政治生命を掛けている。
電力会社はメガソーラーなどで発電した電力の買取を義務付けられる。
自社で発電している電力の原価に比べて法外に高い料金で買い取らなければならない。
しかし、電気料金を上げることによって対処するから、電力会社は損をしない。
負担を強いられるのは一般の国民である。貧しい人は益々貧しくなる。
中小企業は赤字になるか又は倒産する。
大企業も電気料金の安い韓国企業と競争できなくなる。 孫正義は太陽光パネルを韓国企業から買うから、日本企業には恩恵がない。
孫正義が社長を務めるソフトバンクは、電力を食うサーバーを既に電気料金の安い韓国に移している。
数値で語れないのは残念である。
Posted by: 盗人・李メドベージェフ | July 11, 2011 03:57 PM