「自然の猛威~この町の災害史」
尾西歴史民俗資料館で「自然の猛威~この町の災害史~という企画展があったので見に行った。
意外に小さなスペースで落胆もしたが、学べるものはあった。
3つの災害について資料があった。
明治24年:濃尾地震
昭和34年:伊勢湾台風
昭和36年:36豪雨
1891年の濃尾地震はM8・0。起村では94%の建物が全壊だったそうだ。地元住民は、いつも濃尾地震後何年経過したかを自問し、地震に備えなければならない。
昭和34年伊勢湾台風は、その後「災害基本法」の成立につながったことを知った。
それだけ大きな被害を与えた災害である。
生まれる前のことだから、とか、実体験がないからなどと言い訳にするわけにはいけない。しっかり教訓を伝えていきたい。
ちなみに翌昭和35年に配布された、チラシが掲示されていた。
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「水爆の千倍の力 ~おそろしい台風に備えましょう~」
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台風を、水爆と比しているところに時代を感じる。
しかし、内容は今も健在だ。
○台風が自分の西側を通ったら危険
○中心気圧の低いほど風も雨も強い
○風雨の一番強いのは中心から外れた所
○風雨の変わり方に注意
○洪水に注意 平野部で1日に100ミリ、山間部で1日200ミリ以上の雨が降ると洪水のおそれがあります。下流では半日か、一日後に増水します。
○風の息に注意 風速が15米をこすと被害は大きくなります。
風速30米と発表された時は瞬間風速は1.5倍、すなわち45米となります。
などは、基本的な心得だ。
「警報が出たら次のことに注意しましょう」として
○不急の外出はやめること
○警報は次々変わってくるから引き続き気象通報は絶対聞き逃さぬこと
○停電は必ずするものと考えトランジスタラジオを利用すること
などがあった。「停電」は、今なお起こりうる。むしろ昔より電気の依存度が高いだけ、「停電」の影響は大きい。
中でも印象的だったのが
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○最悪の場合は家財に執着してはいけません。避難が第一です。
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本当にその通りだなとつくづく思う。
それにしても、郷土資料をきちんと調べてみなくては「災害史」も「風土記」も作成できるわけがない。
そのことを肝に銘じるだけでも収獲のある見学だった。
※さて、この後、知り合いの先生から、戦争中に起きた「東南海地震」のことを聞いた。
戦争中だったから報道が控えられた災害である。
報道資料が少ない分、この地震については地元住民がしっかり伝承させていかないといけない。
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