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February 12, 2013

今になって太平洋戦争の重みを感じる

1月16日付の「サンデー毎日」の連載「岩見隆夫のサンデー時評」は考えさせる内容だった。
 幸いネットでも見ることができる。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130116org00m010001000c.html

 いまやグアム・サイパンは日本にとって観光地である。
 ただ自分が子どもの頃、おそらく昭和50年前後、父親が
「サイパンは戦争でたくさんの犠牲者が出ている。なにが観光旅行だ!」
とつぶやいたのを覚えている。
 その言葉の意味を理解したわけではなかった。
 父親にしては珍しく固い抗議の意思を語ったなあと思った程度だった。

 今になって、父親の言わんとすることがよく分かる。
 それほど、自分は太平洋戦争について無知だった。
 だから、数年前に家族でグアムに出かけたが、その時でさえ「戦地」という意識は持たなかった。

 岩見氏はサイパンについて、次のように述べる。

◆サイパンに米軍が上陸したのは敗戦前年の一九四四(昭和十九)年六月十五日である。
この島は旧軍の大本営が設定した絶対国防圏で、海軍にとっては最重要拠点だった。
だから、海軍は総力戦を展開したのだ。
 日本軍三万に対して米軍七万、十九日から二十日にかけてのマリアナ沖海戦では、日本側が虎の子の空母三隻を失うなど壊滅的打撃を受けた。
地上戦でも物量の差はいかんともしがたく、七月七日最後の攻防戦で日本軍守備隊は全滅、非戦闘員約一万人も道連れとなる。

◆ソロモン諸島のガダルカナル島激戦以来、〈敗北〉を〈転進〉などと言い換え、劣勢を隠し続けてきたのを、サイパン玉砕を境に発表に踏み切ったのは、さらに過酷な戦いに備えるよう、国民に覚悟を促す狙いからだった。
しかし、米軍の上陸は翌年にかけ、レイテ島、ルソン島、硫黄島と続き、そしてついに四五年六月、沖縄本島の全滅に至る。
 一方、サイパン占領によって有力な航空基地を確保した米軍は、四四年末からB29爆撃機による本格的な日本本土への空襲を始めたのだ。
 翌四五年八月、原爆搭載のB29が広島、長崎に向け飛び立ったのは、隣のテニアン島からである。


 百田直樹氏の『永遠のゼロ』や『海賊と呼ばれた男』を読んで、あらためて、戦争の厳しさを知った。

 サイパン・グアム・テニアンを奪われれば、本土空襲が可能になる。

 サイパンを占領されたからこそ、B29による本土空襲が起きた。

 それが分かっていたからこそ、この地域は「絶対国防圏」であり、「海軍にとっては最重要拠点」だった。

この「絶対国防圏」であり、「海軍にとっては最重要拠点」という知識と自覚が、自分にはなかった(断片的な知識だけがあって、自分の中でつながっていなかったということでもある)。

 岩見氏は、今回のサイパン来訪について「七十年近く前、日米戦争の転回点となった運命の島、サイパンを一度は訪れたいと思い続けてきたのは、当時すでに生をうけていた日本人(私は玉砕の時、八歳)としての礼節のような感情かもしれない。」と言う。
 その意味では、自分も岩見氏と同じく再度グアムを訪れてみたいし、新たにサイパンも訪れてみたいと思う。
 私自身は生まれていなかったものの、生まれる20年前の出来事である。
 バブル華やかな頃から自分が20年過ごしてきたことを考えると、20年と言う期間は、ほんのわずかである。
 子どもの頃は、自分が生まれる20年前に起きた戦争は遠い遠い前のことだった。
 子どもにとっては20年は大昔だ。
 しかし、50年も生きてしまうと、20年はそれほど遠くないことがよく分かる。自分の部屋には20年前の服も書物も山ほど残っている。
 生きている期間、つまり分母が大きくなると、年数の相対的な長さが変わる。
 今だから「戦争は遠くない昔だった」と実感できる。
 今まで学んでこなかったことを恥ずかしくも思うが、この年にならなければ意識できなかったのだ。
 今の平和・今の日本を考えるためには、太平洋戦争の歴史をきちんと学んでいかなければならない。

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