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February 16, 2014

幸福論と道徳の授業

 年始にNHKで放送していた新春スぺシャル「100分de幸福論」が録画してあったので、じっくり見た。

http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/2014special/

http://m4s.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/14127-80b6.html

 経済学者の浜矩子氏はアダム・スミスの『国富論』を紹介すると同時に、その17年前の書かれた「道徳感情論」を紹介した。
 これには驚いた。

◆人間に備わった大切な能力の1つは「共感」。
 他人の不幸をわがことのように思う気持ちが「共感」。
 人間がどんなに利己的なものであったにしても、われわれが他の人の悲しみを想像することによって自分も悲しくなることがあるのが明らかである。

◆人が転んだのを見たとき、相手の立場にたってどう行動すべきかを考える「公平な観察者」が現れる。
 そして(助ける・手を貸すなど)公平な観察者の声に逆らった行動をすると、人は恥ずかしさや自己嫌悪を感じる。
 観察者の声に従うことで、人は心の平静・満足が得られる。

◆人の心の平静を支える条件は
 ①健康 ②負債がない ③良心にやましいところがない の3つである。
 そこにこそ幸福がある。

・・・そうか、良心に逆らった行動をすると、人は恥ずかしさや自己嫌悪を感じるものなのだ!
 道徳授業の1つのパターンが、自分の心の中にある天使の声と悪魔の声の葛藤である。建て前と本音と言い換えてもいい。
 「天使の声」は「良心・道徳心」とも言えるし、「公平な観察者」とも言える。
 「頭では分かっていても、行動に移せない自分へのいらだち」が葛藤であり、自己嫌悪だ。
 でも、「分かっていても行動できない人間の弱さ」を責めたてるのは酷だ。例えば、自分の命を犠牲にして他者を救うことを勧めることはできないし、できなかった自分を責める必要もない。

 「頭では分かっていても、行動に移せないことってだれにもあるよね。自分のできる範囲で、できることを増やしていけるといいね」ぐらいのフォローがよいのだと思う。弱い自分に共感する道徳の授業でありたい。

 番組内で浜氏は言う。
◆「まっとうなことがわかる、互いの痛みがわかる・やっちゃいけないことがわかる、この不文律の理解を前提にしないと経済活動は正当性をもたない」

◆「人の気持ちや痛みが分かり、互いの事情が分かるから、初めて経済活動もどうすればよいかが分かる。」

・・・「経済活動は人の営み」。そりゃあそうだ。相手のニーズ(人の痛み)が分からなければ、何も売れないし、支持もされない。

 で、浜氏がまとめた「幸福」とは、「人の痛みが分かること」。

 これが経済学者の意見というところが面白かった。

 ちなみに、浜氏は、2月9日の中日新聞のコラム「視座」で、ヒト・モノ・カネが正しい順序」だと述べている。
 「カネ回しがモノづくりを手玉に取り、全ての帳尻合わせのために、ヒトが踏みにじられる。こんなことをしていると、グローバル時代も長いことはないだろう」と言う。

 数年前「ユニクロ栄えて国滅ぶ」と浜氏が主張した。
 海外の低賃金で海外の原材料で大量な商品をつくられたら、日本の雇用は奪われる。国内生産でがんばる他企業も脅かされると理解し自分は納得していたのだが、当時ネット上では批判が多かった。
「そんなの競争社会だから仕方ないじゃん」みたいなトーンだった。

http://www.j-cast.com/2009/09/14049572.html?p=all

http://kitanotabibito.blog.ocn.ne.jp/kinyuu/2009/09/post_7670.html

http://www.apalog.com/kojima/archive/333
 

 安ければいい・安くてよい品物が売れるのは当然・それが企業努力といった風潮だった。
 しかし、「デフレ」の問題が深刻になり、デフレスパイラル脱却が国の喫緊の課題となった頃から、風向きが変わったようだ。
 浜氏の思想の根底は、「人の痛みが分かること」
 非正規労働者の悲鳴、下請け企業の痛みが分からないような経済活動は正当性を持たないという浜氏の考えが、受け入れられるようになってきたと思う。
 経済活動においても、人間の道徳性、倫理観が問われているのだということを再認識した番組だった。

 さて「人の痛みが分かること」は、「生き方の五原則」のすべてに重なってくる。

 ①相手のことを真剣に考え
 ②弱いものを大切にし
 ③人にためになること
 ④自分のできること
 ⑤人の生き方に学ぼう

 だから「人の痛みは分かる」の線で道徳の授業を考えることは我流ではない(と思う)。

 道徳の授業の充実が求められる4月を前に、しっかり理論武装しておきたい。

※追伸
 アダム・スミスの「道徳感情論(上・下)」(岩波書店)
 書店で手にとってみましたが、とても読めそうにないと、断念しました。
 本当は読まなきゃあいけないなと思ってます。

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Comments

You expressed it perfectly.

Posted by: ブリティッシュグリーン バッグ | February 17, 2014 at 10:43 AM

Thanks. I like this!

Posted by: エルメス バーキン | February 17, 2014 at 01:18 PM

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