児童の発達の段階に応じた国語の指導
「言語活動の充実」というと、水戸部氏の主張する「単元を貫く~」がメインになるように思いがちだが、文部科学省のHPを見る限り、決して、そのような「活動」だけを推奨してはいない。
一次資料は、「言語活動の充実に関する指導事例集【小学校版】」であろう。
そもそも「目標」あっての「言語活動」であるが、その「目標」の一例が、文科省のHPからも分かる。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/gengo/1300859....
第3章 言語活動を充実させる指導と事例
(1)児童の発達の段階に応じた指導の充実
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(前略)具体的な言語活動を実施する場合にも,児童の発達の段階に配慮する必要があり,例えば以下のような点を参考にすることが望まれる。
【低学年】
○主語と述語(例えば,性質,状態,関係など)を明確にして表現する。
○比較の視点(例えば,大きさ,色,形,位置など)を明確にして表現する。
○判断と理由の関係を明確にして表現する。
○時系列(例えば,まず,次に,そして,など)で表現できる。
○互いの話を集中して聞き,話題に沿って話し合う。
○書いた物を読み合い,よいところを見付けて感想を伝え合う。
○文章の内容と自分の経験とを結び付けて,自分の思いや考えをまとめ,発表し合う。
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・・・・低学年で主語述語・比較・判断の理由・時系列とかなり盛り沢山だ。
のんきに吹き出しやペープサープなんてやってる場合じゃない。
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【中学年】
○判断と根拠,結果と原因の関係を明確にして表現する。
○条件文( 例えば,「もし,○○○ならば,△△△である)で表現する。
○科学用語や概念を用いて表現する。
○互いの考えの共通点や相違点を整理し,司会者や提案者などの役割を果たしながら,進行に沿って話し合う。
○書いた物を発表し合い,書き手の考えの明確さなどについて意見を述べ合う。
○文章を読んで考えたことを発表し合い,一人一人の感じ方について違いのあることに気付く。
【高学年】
○演繹法や帰納法などの論理を用いて表現する。
○規則性やきまりなどを用いて表現する。
○互いの立場や意図をはっきりさせながら,計画的に話し合う。
○書いた物を発表し合い,表現の仕方に着目して助言し合う。
○本や文章などを読んで考えたことを発表し合い,自分の考えを広げたり深めたりする。
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・・・上記のような力(表現の型)を身に付けるためには、読解教材において、
◆「もし~ならば」を用いて反対意見を述べてみよう。
◆「この説明文の判断と根拠・結果と原因の関係を明確にしてみよう」
◆「あらすじを時系列にまとめてみよう」
のような活動を繰り返し、習熟する必要がある。
相当な指導と訓練が必要だ。
「国語って、何を教えたらいいか分からないなどと言い訳している場合じゃない。
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