「正直」を考える
「正直」という徳目(倫理)は、奥が深い。昨日の例会のために模擬授業の準備をしたのだが、全くの未完成だった。
「正直」に関する昔話、エピソード、宗教や哲学など、手持ちの資料を整理したり、ネット検索するするだけでも膨大である。
(1)
自分自身の取っ掛かりは「野菜の無人販売所」だった。
野菜の無人販売所が商売として成立するには、まさに「正直」が根底になる。
◆「誰も見ていなくても、きちんとお金を払いますか」
(2)
例会で、自己申告制のバス料金を体験したことの話があった。
自分で、行先までの料金を払うのだそうだ。
◆「きちんと料金を払いますか」
(3)
例会で、「お釣りを余分にもらったらちゃんと返すか」を話題にした。
みんな、当然「返す」と答えた。
「子どもは素直だから、ちゃんと返すと思う」
と言われたが、自分としては「ラッキー」と思う子も多いのではないかと考えてしまった。
◆「余分なお釣りは、ちゃんと返しますか」
(4)
例会でスーパーマーケット(セルフマーケット)の例を出した。
今日、ネット検索で、讃岐うどんのセルフ店のエピソードを見つけた。
うどん玉70円、生卵30円、天ぷら100円。具は自分で勝手にとり、支払いは自己申告。
自らが丸い皿に代金を入れて行く。
野菜の無人販売所と同じようなものだ。
◆「ちゃんとお金を払いますか」
(5)
本日の中日新聞の夕刊に、一宮市の障害者の飲食店が、値段を自分で決める「心づけ」で支払うシステムにするとの記事が載った。
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お代は「心付け」 一宮で障害者の飲食店、9日開店 2014/6/7 夕刊
障害者の自立支援に取り組む愛知県一宮市のNPO法人「自立と共生をめざす会 もやい」が九日、メニューに値段を付けず、お客自身が決めた対価を「心付け」として受け取る形式の飲食店を同市本町で開く。
心付けは、味に値段を付けるも良し、障害者の支援としても良し。お客の善意に委ねることで、働く障害者に、人との絆を感じてもらおうという試みだ。
(中略)
店の出入り口横に「絆の箱」と記された木箱が一つ。心付けを入れる箱だ。
各テーブルには「心付けを入れてくだされば幸いです」と書いた紙を置く。支払いは強制ではない。
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◆「みなさんは、うどん一杯に、心づけでいくら払いますか」
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