「水素革命」元年
トヨタ自動車は11月18日、世界初となる市販燃料電池車(FCV)をデビューさせる。
その発表を前に、2014年は水素元年になるかという気合いの入った特集を組んだ「週刊ダイアモンド」。
2014年10月25日号
「トヨタを本気にさせた水素革命の真実」
◆年内にも、トヨタが水素で動く燃料電池車を発売する。4月のエネルギー基本計画には水素の2文字が盛り込まれ、産業界や自治体が商機をつかもうと水素に群がっている。果たして、水素は次世代エネルギーの主役になり得るのか。水素革命“前夜”の動きを追った。
http://dw.diamond.ne.jp/list/magazine?isd=2014-10-25
さまざまな書籍もあるが、とりあえずなくならないうちに週刊誌をキープした。
燃料電池車の普及のためには、燃料である水素をどう準備するかが、大きな課題になる。水素は爆発の危険もあるので、設備投資に費用がかかるし、認可も厳しい。
全国各地に水素ステーションを設置しない限り、燃料電池車は普及しないが、走ってもいない車のために、誰が先行投資するか。
燃料電池車と水素ステーションは「卵が先か、ニワトリが先か」と言われるゆえんある。
さて、昨日、寝坊しなければ見るようにしているTBSの「がっちりマンデー」を見て驚いた。
番組フェイスブックに次のようにある。写真も番組フェイスブックより。
◆写真をご覧の方はもうお気づきでしょう。なんと車を走らせちゃう粉があるんです!◯◯の粉を利用することで実現したこの技術!まだ実用には至っていませんが、将来的にはかなりビッグなビジネスになるかもです!取材先は東京理科大学だったんですが、大学っていいですね。
https://www.facebook.com/gacchiri
この○○の中には、「水素(水素化ホウ素ナトリウム)」が入る。水素の気体を自動車に充填するのではなく、自動車の中で化学反応で水素を発生させて燃料にしようという技術である。
これなら、自給自足型の自動車なので、水素ステーションの設置を待たずに燃料自動車を走らせることができる。
これぞ「夢のエコカー・究極のエコカー」である。
「東京理科大学 水素」で検索すると記事がヒットした。
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本学教員の「燃料電池電気自動車」に関する研究成果を日刊工業新聞などが紹介 2013/01/28
本学教員の「燃料電池電気自動車」に関する研究成果を日刊工業新聞などが紹介しました。
本学理工学部電気電子情報工学科星伸一准教授らの研究チームは、水素を豊富に含む「水素化ホウ素ナトリウム」を燃料として、燃料電池車(FCV)を開発し、試験走行に成功しました。試験走行に用いられたのは粉末状の水素化ホウ素ナトリウムを加水分解して、水素を発生し燃料電池で発電するという方法で、粉状の水素化ホウ素ナトリウムを使い走行したのは初めての事です。
千葉県野田市の同大野田キャンパス内で1キロメートル弱の試験走行を実施、理論的には水素化ホウ素ナトリウム20キログラムで500キロメートルの走行が可能です。
水素化ホウ素ナトリウムは常温で固体の物質で、気体の水素より扱いが容易で、加水分解時の発熱を利用できれば、ガソリンと同程度のエネルギー密度を持ちます。加水分解では水素以外に二酸化ホウ素ナトリウムが副生成物として発生し、触媒に付着して反応が進まなくなるという問題がありまたが、今回、遠心分離の機構を導入してこの問題を解決しました。FCVをめぐっては、各自動車メーカーが開発を進めています。現在、燃料を貯蔵する部品として高圧水素タンクを自動車に搭載する方法が主流でしたが、軽自動車への適用は困難とされています。水素化ホウ素ナトリウムを燃料にすれば、軽自動車にも適用できます。しかし、実用化には副生成物の回収のほか、副生成物を水素化して燃料に戻すためのエネルギー効率の改善が課題となります。
詳細は各紙をご覧ください。
■掲載紙
『日刊工業新聞』2013年1月28日付
『日経産業新聞』2013年1月30日付
『朝日新聞』2013年3月27日付
http://www.tus.ac.jp/news/news.php?20130128104515
http://www.tus.ac.jp/tlo/new/pdf/130122.pdf
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今回の「週刊ダイアモンド」の特集を見直してみたが、この件の関連記述はなかった。
大学として紹介されているのは、
・九州大学の次世代燃料電池産学連携研究センター
・山梨大学の燃料電池ナノ材料研究センター
だけだった。
というわけで、当たり前だけど、特集雑誌1冊でカバーできる情報は極めてわずかである。
「水素革命」について、今後もアンテナを高くしていきたいと思っていたら、本日も中日新聞に特集記事があった。
トヨタのお膝元なので、これからも話題が続くに違いない。
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