アートと科学技術をつなげる「言語化」の重要性
先週、何気なくNHK教育の「スーパープレゼンテーション」を観て、すごいと思った。
テーマは『折り紙の数学と魔法」
http://www.nhk.or.jp/superpresentation/backnumber/150204....
日本の伝統である「オリガミ」の技法が、「コンパクトに畳む」「強度を高める」などのために重宝されていることは知っていた。
「ミウラ折り」にも注目してきたが、今回の折り紙の例はそんなものではなかった。
一枚の紙を切らずに折り込んで、動物などの立体作品を作っていった。
その秘訣は数式で、創りたい立体の骨組みイメージを入力すると、折り方を示してくれるソフトも開発されていた。
プレゼンをしていたロバートラングさんの語る内容もすごかったが、番組最後に番組ナビゲーターが語る言葉もすごかった。
幸い、ネットで私が確認したい事項も含まれていた。
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◆アートと科学技術をつなげる「言語化」の重要性◆
最近、クールジャパンのムーブメントなどで、日本から海外への文化の輸出が、とても注目されています。
そんな中、今回のロバート・ラングのプレゼンテーションのテーマ「オリガミ」には、世界中の数学者、科学者が注目しています。
今や「オリガミ」は、アメリカで普通の言葉になっています。
もしかしたら折り紙は、「お寿司」や「アニメ」よりも、世界中に強いインパクトをもたらす日本文化かもしれません。
プレゼンテーションのなかでロバート・ラングは、吉澤章さんという方が、折り紙の折り方を本の中できちんと説明(言語化)したことが、日本から世界へ折り紙が出て行くことに重要な貢献をしたと言っています。
この言語化つまり今までアーティストや職人が直感的にわかっていたことを、他の人たちにもわかりやすく説明することが、アートと科学技術をつなげる重要なポイントだと思います。
われわれは「科学技術の進歩」というとき、大学などで最先端の研究をして新しいものが開発されることだと考えがちです。
しかし折り紙のように、数学とコンピューターの進歩が、古典的なアートとつながることで、新しいものが開発されることもあります。
きっと、今後ますます、アートとサイエンスは近づいていくのではないかと思います。
そして、たぶんこれから、とてもいろいろな実りがあると思います。
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①吉澤章さんが、折り紙の折り方を言語化したことで、折り紙が世界に広がった。
②職人が直感的にわかっていたことをわかりやすく言語化することで、アートと科学技術をつなげた。
というように、「言語化」は、第三者に伝えるための大事な手段だ。
だから、芸術作品のよさを伝えるのに「言語化」が求められた。
「言語化」できたから、継承され発展し、アートが科学技術とつながった(たとえば「黄金比率」のように・・かな?)。
この「言語化」は「コード化」と同じだなと思った。
「解釈コードの増殖」という宇佐美美寛氏の言葉の意味はこういうことかと、一人で納得した。
そして、言語作品である文学の直感的なよさを言語で説明するために必要なのが「メタ言語」だ。
◆メタ言語(メタげんご、英 Metalanguage)とはある言語について何らかの記述をするための言語である(ウイキより)◆
「アートと科学技術をつなげる『言語化』の重要性」という言葉は、「分析批評」の授業にも通じる。
.そして、体育でも同じことが言える。
体育の芸術性を伝えるのも「言語」
体育指導のポイントを伝えるのも「言語」
「すごい!」「がんばれ!」「よくやった!」
では、何をどうしてよいか分からない。
何がどうすごいか分からない。
これでは、「上達論」がない。
「伝える技術」
「伝える言葉の選び方」
が大事だということを学ぶことができた。
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