脱:形式的な「話し合い」の指導
多くの先生方が、「話し合い」のうまくいく学級に憧れる。
しかし、「話し合いの指導」というと、すぐ次のような形式的な指導が話題になる。
①司会進行など役割分担や手順を決める。
②「○○だと思います。理由は~」などの話型を決める。
③ミニホワイトボードを活用する。
2月にも、初任者の実践を聞かされる機会があったのだが話し合い活動の取組みとして上記の内容を語っていた。よくある実践だ。
本市の教務主任会で「言語活動の充実」の研究をした時も、まずは
「話型の提示」
「声のものさしの提示」
などが挙がった。「ハンドサイン」も、やたら統一したがる。
教務レベルでも、そういった形式から確定したがるのが現実だ。
「話し合い」で一番大事なのは、「何を話し合わせるか」である。
何を話し合わせるかという内容の吟味を不問にして、話し合いを活発にさせましょうと促しても結果は伴わない。
一部の人しか意見を言わない学級の雰囲気を打破したい。
話し合いを活性化させたい
と願うなら、全員が話し合いに臨めるような、全員が熱中するような話題の選定が第一である。
「話し合いのテーマの吟味」は「発問の吟味」でもあり、まさに「教師の腕のみせどころ」である。
イージーな話し合いのテーマからは、活発な話し合いは生じない。
どんな切り口で話し合わせるかを追求しなければ、活発な話し合いは生じない。
だからこそ、
①知覚語で問え
②選択語で問え
③「拡散」をねらうなら、多様な解を引き出せ
④「収束」をねらうなら、多様な解を絞り込んでいけ
といった原則がある。
むろん、個々の意見が定まる前に話し合いを持たせるから、一部の子しか活躍できないのは、当然の結果である。
話し合いをする前に、必ず個々の意見を持たせておくことなども、言うまでもない。
「話型」や「話し合いのルール」に終始するような形式的な指導を打破したい。
4月13日の教え方セミナーでも「話し合い」の極意を扱っていきたい。
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