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June 21, 2015

和久田学先生の講演

 6月20日(土)、和久田学先生の講演が椙山女学園大学で行われた。
 テーマは「いじめへの介入と予防」
 自分の認識の甘さ・危機意識の甘さ・を痛感するばかりだった。

(1)教師の責任の重さ

 文科省の定義とは別の「いじめの4つの定義」が示された。

①力の不均衡:精神的・知的・社会性などの差
②繰り返される行動:一定期間、繰り返されるネガティブな行動
③意図的なネガティブな行動
④不公平な影響(被害者には甚大な被害があるが、加害者は何とも感じていないというような意味)

 この定義をトレースすると

・部活動の先輩と後輩
・部活動のコーチと部員
・教師と子ども
・学校の上司と若手教員

のような上下関係の明らかな場面でも「いじめ」と同じ事態が起こりうる。
 だからこそ、

・大人が加害者にならない
・大人がいじめのモデルにならない

ことが大事になる。
 それが、「大人の責任として」というスライド資料の3項目であった。

①加害者にならない
②傍観者にならない(加害者の行為を黙認しない)
③加害者のモデルにならない(加害行為に正当性を与えない)

 同じく、「大人を変える!」というスライド資料に列挙された次の4項目も、教師の責任の重さを示していた。

①正しい知識を持っていない(経験則・間違った情報・思い込み)
②個人で頑張っている
③知らないうちに加害者に回っている。
④よくもわるくも、傍観者


(2)傍観者を変える


 学級の1~2%である「ニーズ」のある子
 学級の12~3%である「リスク」のある子

にばかり指導を注ぐと
 リスクのある子が、ニーズのある子に移り、
 85%の一般児童がリスクのある子に移ることがある

と言われた。
 ニーズやリスクのある子にばかり注視するなという指摘は
「まず全体に、大きな課題を与えよ。然る後に個別に指導せよ。」
という子どもを動かす原則と同じだ。

 和久田先生の話を聞きながら、

◆85%の一般児童を育て、よいモデルにし、よい風土をつくる
◆一般児童と重なるいじめの傍観者を変えることが、いじめ予防の最善策

と肝に銘じた。

 「傍観者を変える」というスライド資料の全文は以下の通りである。
=========================
・いじめは、普通、大人に見つからないように行われる。しかし、子どもたちの中で行われ、子どもたちの中に目撃者がいる。
(いじめの目的が、集団内での力を得ること、友達からの承認を得ることの場合が多いため)

・よって、いじめの加害者、被害者を見つけることは難しいが、傍観者(目撃者)を見つけることはたやすい。
なぜなら大人の前にいる子どものほとんどが傍観者(目撃者)であるから。

いじめの予防を考えたとき、この傍観者のグループを「物言わぬ多数派」から「思いやりのある集団」に変えることが必要である。
傍観者のグループに、いじめのない、安全な学校を作る責任を持たせることが、子どもたち全員にとって重要である。
==========================

 集団の教育力が、「いじめ」を許さない風土をつくる。
 だからこそ、集団の教育力が機能するような「学校経営・学級経営」が重要視される。

 和久田先生が、「学級風土 school Climate」と呼んだ。
このキーワードにもっとこだわって勉強していきたい。

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June 14, 2015

数を意識して列挙させる

 向山洋一氏、宇佐美寛氏、岡本明人氏の著書や雑誌論文から、箇条書きによる列挙の良さを学び、さらに、いわゆる「ナンバリング」を学んだ。
 「いわゆる」と付記したのは、「ナンバリング」という名称は使われていなかったと思うからだ。
「ナンバリング・ラべリング」という言葉を使うようになったのは、たしかデイベート以降である。

①だらだら書くのはやめて、箇条書きにせよ。

が第一歩。

②黒ボッチで箇条書きを列挙するのではなく、番号を打て。

が、その次だった。数を意識して列挙する方法は、当時、新鮮な驚きがあった。


③番号を打って、できるだけたくさん列挙せよ。

といった発見型・列挙型の授業は、拡散思考を促すのに最適だった。
みんなで刺激し合って数を増やす授業は達成感があり、大いに盛り上がった。

④目標数を示す

 「5個できたらもっていらっしゃい」とか「10個見つけたらスーパー小学生」のような目安を示すことができた。

⑤できた数を問う。

 順番に数を聞いて挙手させるだけで教室が興奮状態になる。
ふだんできないと思われる子がたくさん列挙できて逆転現象を起こすこともあった。

⑥指名順を組み立てる。

 せっかくたくさん列挙させても指名順を誤ると、盛り上がりを演出できない。
 できる子に最初に当ててしまったら、もったいない。
 どの子が何個列挙できているかを把握しておくと、指名計画が立つ。

A:一番多い子に全部言わせて、残りを言わせるパターンもあれば
B:少ない順に言わせるパターンもある。
C:ありきたりな意見を先に出させておいて、面白い意見を残しておいて指名発表で脚光を浴びさせるパターンもある。

 Bについては「全員起立させ、少ない子から言わせ、意見が言えなくなった子から座る」という仕組み方がある。
 この「全員起立させ、意見がなくなった子から座る」というのは向山実践ではないかと思う。
 ちなみに、机間巡視で子どもの意見を把握して指名計画を立て、意図的に指名するのは野口芳広氏の実践である。


⑦発言の型を学ばせる

  「理由は2つあります。1つ目は~、2つ目は~」のような話型を身に付けさせると、授業の展開がスムーズになる。
 理由を言う方もまとめやすいし、聞いている方も理解しやすいからだ。
 「1つ目は~、2つ目は」と書かれた子どもの作文は非常に知的である。

・・・さて、先日、校内で行われた研究授業は、小学生新聞を提示して、「わかりやすい工夫」を見つけようというものだった。
 縮小印刷した小学生新聞の周囲に6つの書きこみ枠のあるワークシートだった。

①せっかく6つの枠があるのだから、「目標は6個」と、きちんと意識させればよかったのに、それがなかった。
 何個書けたかを挙手させるだけでも、たくさん書けた子はいい思いをしたと思う。

②意見の言わせ方に意図がなかった。意図的指名でもなければ、列挙した数の順でもなかった。
 したがって「そうか、そういう考え方もあったか。なるほど」といった盛り上がりを演出できなかった。

③どの子ががんばったか、個人の最高は8個だったが、みんなの力を合わせたら15個も列挙できたといった「みえる化」が不十分だった。

 というわけで、授業検討会で、「ナンバリング」について少し話をした。
 同席した教育実習生が、「たくさん列挙する授業」にチャレンジしたいとやる気になった。
 たくさん列挙して盛り上がる授業の楽しさをぜひ味わってほしい。

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