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July 25, 2015

「成長」は結果であって、目的ではない

DeNA創業者である南場智子氏の起業エピソードはすごい。
ベストセラーの「不格好経営」(日本経済新聞出版社)で圧倒された。
合わせて、南場氏の講演記録・対談記録などを重ねていくと、学びが深まっいく。

「不格好経営」第7章より p214~217

◆なぜ育つか、というと、これまた単純な話で恐縮だが、任せる、という一言に尽きる。
 人は、人によって育てられるのではなく、仕事で育つ。しかも成功体験ジャンプする。それも簡単な成功でなく、失敗を重ね、のたうちまわって七転八倒したあげくの成功なら大きなジャンプとなる。

◆だからDeNAでは、その人物が精一杯頑張ってできるかできないか、ギリギリの仕事を思い切って任せることにしている。 

◆ギリギリな仕事を任せれば当然、失敗するリスクもある。でも、不思議と人は顕在化している能力の数倍の能力を有していて、本人も驚くような大仕事をやってのけるものである。万が一できなければチームが寄ってたかって助ける。まれにそれでもカバーしきれず、穴があくこともある。そのリスクはとろう。でも人が育たないリスクはとらない。DeNAはそういう選択をしているつもりだ。

・・・「任せた以上、失敗のリスクは上司がとる」というスタンスは、先のダイアリーでも紹介した「成功したらみんなのおかげ、失敗したら私の責任」と同じ潔さがある。心したい言葉である。

◆成長はあくまで結果である。給料をとりながらプロとして職場についた以上、自分の成長に意識を集中するのではなく、仕事と向き合ってほしい。それが社会人の責任だ。、
 そして皮肉にも、自分の成長だへちまだなどと言う余裕がなくなるぐらい必死になって仕事と相撲をとっている社員ほど、結果を出せる人材へと、驚くようなスピードで成長するのである。

・・・向山先生は「努力など人様が言う言葉であって・・」といったことを書いている。
プロは結果が勝負であることを肝に銘じたい。
この章に関わって、対談では、次のように述べている。

http://logmi.jp/71359
「結果を出すために必死になることが成長につながる」

◆入社した日からは給料が払われるわけなので、給料もらっている立場で「自分の成長が」というところをずっと意識しているという学生気分が続いていると、むしろ成長が遅くなるというか。パラドックスなんですけれど。
結局、プロとして自分を追い込んで、給料もらっているからにはちゃんと成果を出すということに必死になるということが、逆説的ですが成長にもつながるし、それはまた正しい姿だと思っています。

◆いままさに野球の話あったんですけど、マウンドに登ったりバッターボックスに入ったりしながら5万9千人の大入りのファンの前で「今日はちょっとモチベーション上がんねえな」とか「ちょっと打ちたくねえな」みたいな(笑)。
もう即、終わりですよね、それは。そんな選手はプロにはいないわけですよね。プロ野球選手とビジネスの我々とどう違うのかっていうと、本来は給料もらっている以上は違ってはいけないわけであって。

◆結果論ですよね、成長って。それを目標にしていると、やっぱりずっと学校気分なんだろうなと思います。
しかも私がこの歳になって誰にも負けないと思うのが、実は成長です。去年の自分が常にいつもすごい恥ずかしいので。成長してるってとても良いことだと思うんですよね。でも、結果論ですね。

・・・この後、対談相手の森川氏(元LINE社長)が、次のように言う

◆ただまあ目先の評価・結果よりは、自分がユーザーさんに対してちゃんとものを提供できているかとか。
◆すぐ結果が出るので怖い世界ではありますけど。上司が評価するよりはユーザーさんが評価したほうが、シビアですよね。

・・・学校でも上司の評価なんてどうでもいいのだ。ユーザーにあたるクラスの子どもの評価や子どもの向こうにいる保護者の評価が大事なのだし、逆に言えば、子どもや保護者の評価が高ければ上司の評価は結果としてついてくる。「自分は子どもにちゃんとした教育を提供できているかどうか」をまず自問するような教職員集団を目指したい。
そして、振り出しに戻るが、そのように教職員に意識させるには、
「任せてみる」こと、「任せた際の失敗はフォローすること・任せるリスクを背負うこと」だ。そこに管理職の度量と気概が問われている。

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