ささいな行為にも「上達の法則」
以前、岡本浩一氏の『上達の法則』を参考に、読解力の上達を考えてみた。
今回は、ごくごく平凡な作業の例。
岡本氏の「上達の法則」を自分流にまとめると、次の3つがある。
1:同一量を短時間でできるようになる。(時短)
2:同時間で多量にできるようになる。(増量)
3:精密・正確にできるようになる(精度のアップ)
一方、トレーニングの原則の中には、たとえば次のものがある。
ア:継続性
イ:過重負荷
ウ:斬進性
この「過重負荷」と「斬進性」は表裏一体である。
上達すると同じ量では負荷が下がってくるので、少しずつ負荷を上げる必要がある。同じ量の作業を同じ時間でこなしていては向上しないのだ。
さて、新しい学校に赴任して、朝の鍵開け当番が日課となった。
校舎・体育館・校門を開けるのに約20分かかる。
◆20分かかる作業が、何とか1分でも縮められないか試みる。
◆窓開けもするなど、昨日よりプラス1ができるように試みる。
◆カギあけと同時に行う校内点検の精度を上げる。
というように、「昨日より今日、今日より明日」と少しでも進歩させようとしている。
2か月経過してカギあけにも慣れてきたので、最近は、交差点の登校指導をするようにしている。
平凡な当たり前のことを、毎日毎日当たり前にやり続けること=「凡時徹底」は、それだけでも確かに難しい。
しかし、「当たり前のことを積み重ねると特別になる」は、ただただ愚直な積み重ねを意味するわけではない。
常に「向上・改善・プラス1」を意識して工夫し努力するからこそ、「当たり前」が「特別」に昇華するのだと思う。
とはいえ、語るほど立派なことをしているわけではない。ただ、新しい職場でのたくさんの慣れない仕事について、
①時短
②増量
③精度アップ
を意識すると、苦しい気持ちもやわらいでくる。
1ヶ月間大変だったと語った教育実習生の実習ノートにも、この上達の3要素を書いておいた。
Comments