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September 21, 2015

政治問題を子どもに教えるのは難しい。

 政治問題を子どもに教えるのは難しい。 
 しかし、毎日のようにニュースになっている話題について、何も触れないのも教育的ではない。
 向山洋一氏の師匠に当たる石川正三郎校長の言葉に中に、政治問題をどう扱うかのヒントがある。

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◆「日中国交回復をすべきだと教師が子どもに語るのはつつしむべきだ。
それは扇動であって授業ではない。その意見が正しいか正しくないかは別のことだ。
教師がもっている一つの政治的見解を子どもに押しつけるべきではない。
 しかし、六年生の社会科の授業として、あるいは歴史の授業として、多くの資料を集め新聞の切り抜きもさせて、子どもたちに考えさせるというのは、ぜひやるべきことだ。
これは立派な授業なのである。

◆「はじめは、会の中だけで通用する会報的なものであろう。それでよい。
その次には、多くの情報を集めてきたり、自分たちの主張も載せていくようになるだろう。
そして、子どもたちの活動がうまく発展すれば、自分たちの問題について批判したり、時には教師をも批判するようになるだろう。
ぜひ、教師を批判できるような子どもを育ててほしいし、その批判にきちんと応えられる教師であってほしい」

 向山洋一全集52「向山実践を貫く教育理念」P47
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 資料を集め、考えさせ、討論(批判)させていく流れが示されている。
 向山氏が大森大四小学校に赴任した1968年頃の話である。
 それでいて、最先端の、アクテイブラーニングにも通じる至極のヒントにもなっている。
 
  安保法案採決の際の国会の騒動を見ると、与党も野党も見苦しかったと言わざるを得ない。
  しかし、テレビや新聞報道は、「法案反対」に偏っており、子どもが公平な判断を下せる状況にもない。
 学校では、「扇動」に配慮しつつ、何を教えるべきかを考える。

(1)メデイアリテラシー
(2)多様な意見を得るため読書力(情報収集能力)
(3)自分の私的な利益だけを追求しない道徳心(公共心)
(4)大局的に思考するメタ認知能力
(5)歴史教育の知識
(6)公民教育の知識
(7)論理的思考力

 「戦争は反対」は、誰だって同じである。
 しかし、いくら「戦争反対」を唱えても、仕掛けられる戦争はある。
 自分は無関係でも友好国が戦争に巻き込まれることもある。
 日本人が他国で戦争・紛争に巻き込まれることもある。
 「だから、どうすればよいのか」は、一言ではいけないほど複雑だ。

 だからこそ、具体的にどうすればよいかを考える子どもを育て、
どのような政策が望ましいかを考える国民を育てていきたい。

 繰り返すが、教師が子どもに押し付けることは厳に謹まなけれなならない。
 しかし、やはり民主党には、単なる反対でなく、対案を出してほしかったというのが、私の意見だ。
 子どもの授業だって「多くの資料を集めて、考えさえる」が常道だ。
 A案とB案を提示して「どんな条件なら認められるか」を議論すべきだったと思う。
 国会も、与党案と野党案を検討し折り合いを付けるべきだし、そのためにじっくり審議の時間を費やすべきではなかっただろうか(扇動してはいけないので、投げかけで終わります)。

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