ノーベル物理学賞お二人の講演~名古屋大学レクチャー2015
9月6日(日)名古屋大学で、レクチャー2015 (2014年ノーベル物理学賞受賞記念)を聴いてきた。
記念講演 「青色発光素子はいかに創られたか」
名古屋大学特別教授・名城大学終身教授 赤﨑勇
名古屋大学レクチャー 「世界を照らすLED」
名古屋大学教授 天野 浩
赤崎さんと天野さんのお二人の話を同時に聞けるチャンスはめったにないだろうと楽しみに参加した。
◆印象的な赤崎さんの言葉 「われ一人荒野を行く」
◆印象的な天野さんの言葉 「成功すれば世界が変わる」
赤崎さんの講演は、専門的で難しかったが、おかげで天野さんの講演内容が入りやすかった。
世界の多くの研究者が撤退した研究を続け、ついに窒化ガリウムによるLEDを実現させたお二人。
昨日、中日新聞に講演要旨が掲載された。
講演要旨の中で、印象的だった天野さんの言葉が、
◆「『自分でなければできないかも』という思い込みや勘違いが必要」
講演要旨の中で印象的だった赤崎さんの言葉が、
◆「難題だからやらなきゃ」
不屈の精神
誰もやらないなら俺がやる。
誰もやらないから、やる意味があ。
そのような思いを強くした講演であった。
「努力の大切さ」を、ぜひ授業化してみたい。
でも、言葉を示すだけでは弱い。
言葉の背景にある生き様や苦労を伝えなければ、形式的な授業に終わってしまう。
「すごいです」
「僕も努力したいです」
なんて感想で終わるような粗雑な授業なら要らない。
逆だな。
「われ一人荒野を行く」
「成功すれば世界が変わる」
「自分でなければできないかも」
「難題だからやらなきゃ」
といった言葉を示さずに、このような言葉が個々の授業の感想で出るように仕組むべきなのだろう。
ところで、ノーベル物理学賞受賞者の天野浩さんは浜松市出身。
天野さんは子どもの頃から、浜松出身の「高柳健太郎氏」のことを教えられてきたそうだ。
高柳健太郎と言えば、世界初のブラウン管式テレビの開発者である。
その高柳の教え子には浜松ホトニクスの創業者・堀内平八郎、松下電器製作所の久野古夫などがいる。
浜松ホトニクスと言えば、2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんがニュートリノを観測した「カミオカンデ」の会社でもある。
天野さんは、赤崎先生の青色LEDの研究を知り、「LEDを使えばブラウン管を小さくできる」と考えた。
それは、あの高柳健太郎の業績を引き継ぎ、超えていきたいという思いだったのかもしれない。
「うまくいったら世の中を変えられる」というのは、浜松人のDNAなのかもしれない。
偉人伝は、意識下に「強い憧れ」を植えつける。
真似したい・追いつきたい・追い越したいという動機につながる。
世界の偉人・日本の偉人・地元の偉人
偉人伝の威力について、追求し、「すごいです」「僕もなりたいです」にならないような授業を仕組んでみたい。
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