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October 29, 2015

優れた学級は「一億総活躍社会」の縮図!

  「一億総活躍社会」という言葉には、冷淡な反応が多い。
  しかし、直面する日本の課題を考えると、その理念は極めて重要である。

◆私たちはややもすると、企業のトップ、大物政治家、ノーベル賞級の学者といった人に飛びつきがちです。でも、そういう人たちが活躍する背景には、成果を見なかった基礎的研究、脚光を浴びることのない隅々での人の活躍というものが膨大にあるはずです。それなくして、頂点は成り立ちません。
http://systemincome.com/41107

・・・主役を演じる人だけが「活躍」ではない。
 脇役や端役や裏方さんの活躍を含めての「一億総活躍」である。
にもかかわらず、「一億総活躍社会」への批判は、「一億総主役社会」と混同した論調が多い。

 なお、この提言は突然飛び出した話題ではない。
 平成25年4月19日安倍総理「成長戦略スピーチ」の延長上にある。

http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/0419speech.html

 以下、「教育」に関わる部分を抜粋する。

①若者には、まず、その能力をどんどん伸ばしてもらわねばなりません。

②すべての人が、意欲さえあれば、活躍できるような社会を創ることが、成長戦略です。

③一度や二度の失敗にへこたれることなく、何度でも、その能力を活かしてチャレンジできる社会をつくりあげます。

④すべての人材が、それぞれの持ち場で、持てる限りの能力を活かすことができる「全員参加」こそが、これからの「成長戦略」の鍵であると思います。

⑤今、必要なのは、「世界に勝てる若者」なのです。

⑥しかし、日本の若者たちは、むしろ内向きになっています。日本人の海外留学者数は、2004年の8万3千人をピークに減少に転じ、2010年は5万8千人まで、3割も減りました。

・・・現状を憂う⑥以外は、「学級経営の基本と同じ」というのが、私の実感だ。
 快適な学級空間の体感が、「一億総活躍社会」の基盤になると思う。

◆能力を伸ばす。
◆すべての子が活躍できる場を創る。
◆失敗にへこたれることなく、何度でもチャレンジできる場を創る。
◆どの子も、それぞれの持ち場で、持てる限りの能力を活かすことができる「全員参加」をめざす。
◆意識を外に向ける。

とポイントを示してみると、「認知能力・非認知能力」をバランスよく育てる学級経営は、まさに「成長戦略」であることが分かる。

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October 25, 2015

聞き慣れない「エンゲージメント」の考察

1025


 文科省が出した「教育課程企画特別部会 論点整理」の参考資料P193に

「学習意欲と学習プロセスとの関係 エンゲージメントと非エンゲージメント」

と題した資料がある。
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2015/09/24/1361110_2_5.pdf

Skinner, Kindermann, Connel, & Wellborn,2009を一部改変
鹿毛 雅治 (慶應義塾大学教職課程センター教授) 著
『学習意欲の理論-動機づけの教育心理学-』(金子書房 、2013年)第1章(p.9)より引用

とある。
 表の中で、掲げられた言葉が印象的だった。

◆エンゲージメント・意欲的な姿
 一生懸命に取り組む・努力する・持続する・熱心・専念・熱中・没頭・情熱的・積極的・チャレンジ・熟達を目指す
 最後までやり抜く・細部にまで丁寧で几帳面である

◆ 非エンゲージメント・意欲的でない姿
受動的で先延ばし・あきらめる、身を引く・興味がない・回避的・無関心・無目的・あきらめる
気が進まない・反抗的・頭が働いていない

・・・どのような脈絡で、この資料が参考として取り上げられたのかの経緯が分からないが、学習意欲が大事、動機付けが大事ということなのだと読めた。
 ただし、「エンゲージメント」という言葉は聞いたことがなかったので、調べてみた。ビジネス的な用語という感じである。

(1)モチベーション
 例えば、次のサイトでは、社員の「組織への貢献意欲」としてとらえ、「モチベーション」と同じように用いられていることが分かる。

http://www.adecco.co.jp/vistas/adeccos_eye/32/

◆タワーズワトソンのデータ・サーベイ部門ディレクター岡田恵子氏は、こう分析する。
「当社ではモチベーションに近いものとして『エンゲージメント(組織への貢献意欲)』という概念を提唱し、調査していますが、日本人のエンゲージメントのスコアは長年、G8の中で最下位です。もっとも日本人の場合、こういった調査の回答として『どちらともいえない』を選択する傾向が多分に見られるので、実際に極端にエンゲージメントが低い人が多いわけではありません。ただ、低成長の長期化、企業の業績不振、それによる社員の報酬の減少、管理職ポストの削減など、さまざまなマイナスの要因が絡んだ結果、『組織のためにがんばることが自分のやりがいだ』と、言いきれなくなっている現状があります」

・・・日本人の会社への貢献意欲が平均より低いという調査結果は意外だった。
 会社への忠誠を尽くすイメージがあったから、これは真逆だった。
 ただし、高校生の意識調査での「自信のなさ・向上心の低さ」を考えると、日本全体の活力低下の表れかもしれない。

(2)協働意識

 例えば、次のサイトでは、互いによい組織を創っていこうという意欲といった意味合いにとれる。
https://jinjibu.jp/article/detl/tieup/742/

◆会社と従業員の関係性を表す「エンゲージメント」という考え方が注目されています。
「エンゲージメント」とは、会社と従業員がイコールパートナーとなって、会社は従業員が働きやすい施策・職場環境を提供し、従業員はそれに応えて会社に貢献していくという関係性のこと。これにより、人と組織の高いパフォーマンスがもたらされることになります。


(4)参加度
 
例えば、次のサイトでは、「モチベーション」や「参加度」のようなニュアンス。

http://www.humanvalue.co.jp/report/magazine_list/engagement.html

◆海外におけるエンゲージメントの定義

 しかし、まだエンゲージメントとはどのような概念なのかの共通の捉え方は定まっていない。エンゲージメントが海外でどのように定義されているのかいくつかの例を見てみよう。
  米国のギャラップ社は、従業員エンゲージメントと顧客エンゲージメントという2つのコンセプトを組み合わせた「ヒューマンシグマ」という手法を提供している。同社は従業員エンゲージメントを「組織に対して強い愛着を持ち、仕事に熱意を持っている状態」としている。
 英国のCIPD(The Chartered Institute of Personnel and Development)は、エンゲージメントを「組織との契約で必要とされてはいないが、働く人が提供しなくてはいけない何か」であり、「単なるモチベーションではない仕事への満足度を上回るもの」としている。また、同団体はエンゲージメントを「組織」と「組織の価値」へのコミットメントと、同僚を助けたい意欲(オーガニゼーショナル・シチズンシップ)の組み合わせとして見ることができるという。
 また、リチャード・アクセロッド氏の著書『Terms of Engagement』では、積極的なエンゲージメントの段階として「個人的に参加する」、「強く主張する」、「個人的にリスクをとる」があるとされている。
 このような定義から、海外でのエンゲージメントの定義に含まれる要素は「個人の組織に対する認知(価値など)」と「仕事や組織および同僚に対する個人の感情(愛着・熱意・意欲・コミットメントなど)」、「仕事や組織および同僚にする個人の行動(主張、参加など)」だといえる。
 そしてエンゲージメントを高めることで実現したいことは、ギャラップ社では「労働力の仕事への関与を高めることによって財務実績の改善を目指す」としている。また、米国のBlessing White社は「完全なエンゲージメントは、仕事への最大の貢献感と満足度のアライメント」を生み出すとしている。アクセロッド氏は「領域を超えたコラボレーションを生み出し、チームワークを強化し、顧客や取引先とのパートナーシップを生み出し、将来の変化に対応できる能力を備えた組織を作る」としている。

 日本で求められているエンゲージメント

 海外の定義を踏まえ、今、日本で求められているエンゲージメントについて考えてみたい。ヒューマンバリューでは、2003年からエンゲージメントについての調査・研究を行っており、エンゲージメントを「『組織(会社)』と『個人(社員・構成員)』が一体となって、双方の成長に貢献しあう関係」と定義した。


(5)内発的動機付け 

 例えば、次のサイトでは、社員のやる気向上(内発的な動機付け)に絡んでいる。
http://www.yaruken.com/method/

◆学校の勉強になると、あまり物覚えがよくなかったり、創造性を発揮しない子が、ビデオゲームになると、そこで登場するキャラクターの名前を全部記憶し、ゲームの裏技を見つけるのに創造性をいかんなく発揮する子がいます。
 学校のことになるとおとなしく沈んだような顔をしているのに、ビデオゲームのことになると目を輝かせてやる気満々、インスパイアされた状態になっている。
 同じ子供がやる気を持ったり持たなかったりするのは何故でしょうか?
 やる気の境界線は、どこにあるのでしょうか?
 おそらくその答えは、おわかりかと思います。
 そうです。やる気は、自分が好きなこと、大切に思っていること、重要なことに対して起るものなのです。
 そして、好き、大切、重要なこととは「価値観」なのです。
 私たちは、自分の価値観に合致していることに対しては、やる気が自然と起り、誰に指図されることもなく積極的に取り組みます。しかし、価値をおいていないことについては、自分で行動を起こすことは滅多にありません。誰かに指図されたり、行動しなければならない、行動する必要がある場合のみ嫌々ながら行動します。
 このように私たちのやる気は、個人それぞれが持つ価値観が大きく影響します。
 社員の仕事のやる気が低いのは、仕事と自分の価値観のつながりが見えない。仕事と自分の価値観の間に関連性を見出せていない状態と言い換えてもいいでしょう。
 もし、その社員が今の仕事が、自分の価値観を満たしてくれることがわかれば、その社員にとって仕事の意味は大きく変わるはずです。そして、仕事のやる気はずっと高まることでしょう。(中略)
 このように、これまでネガティブに捉えていた業務と自分の価値観との間に明確なリンクが認識できたとしたら、その中間管理職のやる気は、グッと上がります。
 重要なのは、これが報酬や昇進といったアメ(外からのモチベーション)ではなく、自分にとっての仕事の意義に気づいたこと(インスピレーション)によってやる気が上がることです。
 
・・・また、次のサイトも、「内発的動機付け」の意味合いが強い。
http://g-hrd.com/stepbystep/advance/advance-chap11.html

◆社員のエンゲージメント(社員の働く意欲と会社に対するコミットメントの高さ)
◆前述のピンク氏は、20世紀の産業資本主義社会における大量生産、マニュアル化の下では、仕事は楽しくない反復作業だった、と述べています。そのため、働く人の多くは、できるだけ楽をしたいと考えていました。そのような人たちが怠けずに働くようにするには、賃金、賞罰といった外発的動機づけが必要だったのです。彼は、創造的で自主性を発揮できる仕事に就く人が増える中、外発的動機づけは現代の大半の仕事内容と相容れない、と指摘します[*3]。
 内発的動機づけは、外発的動機づけと比べて、創造性、責任感、行動の健全さ、持続性といった点で勝ると言います[*8]。ハーバードビジネススクールのアマビール教授によると、人は仕事への興味、満足感、挑戦に動機づけられた際に、最も創造性を発揮するそうです。金銭などの外的報酬に動機づけられた人は、早く確実に成果を上げようとして、前例に沿って手堅い手段を取りがちです。そのため、試行錯誤自体を楽しみ、より創造的な解決法を粘り強く編み出すことにつながらないのです[*9]。

 1万人以上の米国の科学者や技術者を対象にした研究では、知的な挑戦、自律性、改良を求める内発的欲求が高い人は、金銭的報酬を求める外発的欲求が高い人に比べ、より多くの時間を仕事に費やしました。知的な挑戦への欲求は、生産性(この研究では特許出願数)向上に最も関連することも明らかになりました。外発的欲求よりも、内発的欲求、特に知的な挑戦への欲求に動機づけられた科学者の方が、イノベーションに貢献していたのです[*10]

・・・また、このサイトでは、さらに「フロー」に言及している。

◆近年注目されているのが、米国の心理学者チクセントミハイ博士が唱える「フロー理論」です(「フロー理論」のエッセンスについては、博士のTEDスピーチを参照)。Y.K.さんには、仕事や遊びに集中しすぎて我を忘れ、あっという間に時間が経って「楽しかった!」と感じた経験がありませんか?例えば、コンピューターゲームに没頭している時に生み出される、頭はクリアで心は高揚し、活力を感じるような瞬間です。博士は、ロッククライマー、チェスプレーヤー、バスケットボール選手などへのインタビューを重ね、高いパフォーマンスを上げる人たちが、高度に集中している時に体験する最高の瞬間があることを突き止めます。そして、その高揚した心理状態を、「フロー(Flow)」と名付けました[*13]。

 博士がインタビューしたビジネスリーダーたちは、「自分を成長させてくれる新しいチャレンジが大好きで、仕事が楽しくて仕方ない」、「興味あることを心の底から楽しんだ結果、成功した」と話します。定型作業に携わる作業者の中でも、自身の作業がいかに手応えがあり、満足感を得られる行為かを熱く語る人がいました[*13]。このような人たちは、職場においてフローを見つけ、仕事を心から楽しんでいるのです。

 チクセントミハイ博士は、フローが機能している最適な職場として、創業期のソニーを挙げています。ソニーの設立趣意書には"技術者が、社会の必要性に応えながら喜びを持って思いきり働ける職場づくりを目指す"という意味の一節があります[*14]。博士は、ソニーの半世紀にわたる成功は、このビジョンを重んじ、職場でフローを実現した結果だと賞賛します[*13]。ソニーの元上席常務で、CDやAIBOを開発した土井氏も「創業期のソニーが大躍進した理由は、社員全員がフローを体験する"燃える集団"だったからだ」と語っています[*15]。

・・・また、このサイトの「チャプター1」でも、内発的動機づけの重要さを説いている。
http://g-hrd.com/stepbystep/advance/advance-chap01.html

◆「努力すれば能力は伸びる」の指導法

 会社人生がはじまったばかりのAさんには、内発的動機づけを持って仕事にあたってほしいので、指導にあたるO.Y.さんには「能力観」「学習観」を知っておいて頂きたいと思います。
 
 米国の心理学者キャロル・S・ドゥエックは、長年の調査研究結果を元に、「問題にぶつかるとすぐ諦めてしまう人」と「粘り強く挑戦し続ける人」の違いは、その人が持つ能力観、学習観に起因する、と唱えています。彼女は、人の能力や資質に対する考え方には、人の能力や資質は生まれつきのもので基本的には変わらない、という「能力固定観」と、人の能力や資質は学習や自己変革で変わり続ける、という「能力変化観」の2つに分かれると指摘しています[*7]。

 能力固定観を持つ人は、自分が正しいか、他者から高く評価されるか、に関心が向きます。失敗できないという焦りから、簡単にできることにしか手を出さず、上達するのに時間がかかる難題への挑戦を避ける傾向があるようです。さらに、一度失敗するとやる気を失いやすいといいます。一方、能力変化観を持つ人は、他者からの評価ではなく、以前に比べて、自分がより大きな成果を出せているか、スキルや知識が高まっているか、など、自身の成長に関心が向く傾向があるようです。自分が成長するために、難しい課題に挑戦し、根気よく学習を続けられるのです。

 能力変化観を養ってもらうには、他者に勝てたか、上手にできたか、という目先の成果を強調するのではなく、能力をどれだけ伸ばせたか、という個人の学習目標を重んじるとよいでしょう。評価の力点を、他者との相対比較ではなく、本人の成長度に置き、本人の仕事への取り組みプロセスに着眼したフィードバックを繰り返します。


◆「能力」でなく「努力」に焦点を当てよう

 もしかしたら、Aさんは無意識に身に付けた能力固定観のせいで、失敗への恐れから学習意欲を失っているのかもしれません。
 前述のドゥエックは、何百人もの子どもを対象にした複数の調査結果を通じて、親や教師が能力をほめると生徒の学習成果や学習意欲が下がり、努力をほめると学習成果や学習意欲が上がる、と訴えています。彼女は、数百人の生徒にかなり難しい問題を解かせ、ほとんどがまずまずの成績を取った後で、異なるほめ言葉をかけ、その後の行動を観察しました。「頭がいいのね」と能力をほめられたグループの生徒たちは、失敗して能力が低いと思われたくないため、その次からは新しい問題にチャレンジしなくなりました。「頑張ったのね」と努力をほめられたグループは、9割が新しい問題にチャレンジし続けます。さらに難易度の高い問題が出されると、頭の良さをほめられたグループは、解けないことを失敗と感じて「自分は頭が悪いのだ」と思い込み、問題を解くこと自体に興味を失います。一方、努力をほめられたグループは、解けなくても「もっと頑張らなくちゃ」と考え、難しい問題を解くことに楽しさを感じるようになったのです。

 Aさんの指導でも、現状の能力を指摘するのではなく「この作業は、あなたにとって能力向上のチャンスであり、最初は失敗するかもしれないが、努力し続ければきっとうまくできるようになるよ」といった、内発的動機づけにつながるような、努力に焦点を当てたフィードバックを継続的に行ってみましょう。

 ドゥエックは、「優れた教師は、知力や才能は伸ばせると信じており、学ぶプロセスを大切にする」と述べています。ある調査によると、能力固定観の考え方をベースに1年間指導を行った教師のクラスでは、成績の良い生徒もそうでない生徒も当初の学力差が期末まで変わらなかったのに対し、能力変化観のもとに指導した教師のクラスでは、当初の成績にかかわらず期末にはどの生徒も良い成績を修めたそうです。

 Aさんの今の能力レベルを見て、「この人はやる気もなさそうだし、きっと伸びないな」と決めつけず、「やればきっとできる」と考え、担当している仕事の意義を訴えてAさんの内発的動機を高め、目標を提示して、Aさんの努力を後押ししてみてください。O.Y.さん自身も能力変化観を養い、能力変化観をベースに指導することが大切なのです。

※Duckworth Grit - アンジェラ・リー・ダックワース 「成功のカギは、やり抜く力」 TED
 
https://www.youtube.com/watch?v=_VHWLjT3pjA


・・・・・中身が濃い。
「学力の経済学」でも話題になった「やりぬく力」「非認知スキル」「心理学者キャロル・S・ドゥエック」など、いろいろ重なってきて、頭に中が整理しきれない。

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道徳価値項目・行動評定の項目等の整理

道徳の指導項目と非認知能力

◆道徳の指導項目(価値項目)
◆行動評定一覧
◆教育勅語の12徳
◆非認知スキル
などで、似たような概念が列挙される。

 概念整理が必要だとつくづく思う。
(1)まずは、道徳日指導項目(価値項目)
学年によって、項目が細分化し増えていくが、ここでは22。正直な感想として「多い」と思う。。.

A 主として自分自身に関すること
1「善悪の判断,自主、自律,自由と責任」
2「正直,誠実」
3「節度,節制」
4「向上心・個性の伸長」
5「希望と勇気,努力と強い意志」
6「真理の探究,創造」

B 主として人との関わりに関すること
7「親切,思いやり
8「感謝」
9「礼儀」
10「友情,信頼」
11「相互理解,寛容」

C 主として集団や社会との関わりに関すること
12「規則の尊重」
13「公正,公平,社会正義」
14「勤労,公共の精神」
15「家族愛,家庭生活の充実」
16「よりよい学校生活,集団生活の充実」
17「伝統と文化の尊重,国や郷土を愛する態度」
18「国際理解,国際親善」
 
D 主として生命や自然,崇高なものとの関わりに関すること
19「生命の尊さ」
20「自然愛護」
21「感動,畏敬の念」
22「よりよく生きる喜び」

(2)行動の記録(行動評定)。
 道徳が教科化されたら評価はどうするのかがよく議論になる。
 行動評定なら、従来から通知票にも指導要録にも記載欄がある。
 行動所見なら、従来から指導要録に記載欄がある。
 個人懇談会でも、生活行動について、それなりの解説があるはすだ。
 道徳科の新設で評価が大変だという人がいるが、これまでと大きくは変わらないと自分は思っている。
 以下が、行動の記録の11項目だ。
 道徳の価値項目と一貫性をもたせればいのにとつくづく思う。

1:基本的な生活習慣
2:健康・体力の向上
3:自主・自立
4:責任感
5:創意工夫
6:思いやり・協力
7:生命尊重・自然愛護
8:勤労・奉仕
9:公正・公平
10:公共心・公徳心

(3)では、さかのぼって、「教育勅語の12徳」

1:孝行⇒子は親に孝養を尽くしましょう。
2:友愛⇒兄弟姉妹は仲良くしましょう。
3:夫婦の和⇒夫婦はいつも仲睦(むつ)まじくしましょう。
4:朋友の信⇒友達はお互い信じ合ってつき合いましょう。
5 謙遜⇒自分の言動を慎みましょう。
6 博愛⇒広くすべての人に愛の手をさしのべましょう。
7 修学習業⇒勉学に励み職業を身につけましょう。
8 智能啓発⇒知徳を養い才能を伸ばしましょう。
9 徳器成就⇒人格の向上につとめましょう。
10 公益世務⇒広く世に中の人々や社会の為になる仕事に励みましょう。
11 遵法⇒法律や規則を守り社会の秩序に従いましょう。
12 義勇⇒正しい勇気をもってお国の為に真心をつくしましょう。
=================

(4)「幼学綱要」は20の徳目がある。

================
1 孝行〔親の恩に感謝する〕
2 忠節〔国に忠節をつくす〕
3 和順〔夫婦はむつまじく〕
4 友愛〔兄弟姉妹は仲よく〕
5 信義〔友人は助けあう 〕
6 勉学〔まじめに勉強する〕
7 立志〔決心を固める  〕
8 誠実〔何事もまじめに 〕
9 仁義〔人を助ける心  〕
10 礼譲〔礼儀正しく   〕
11 倹素〔無駄遣いをしない〕
12 忍耐〔耐え忍ぶこと  〕
13 貞節〔節操を守ること 〕
14 廉潔〔正しく潔白なこと〕
15 敏智〔機敏に知恵を出す〕
16 剛勇〔強い勇気を持つ 〕
17 公平〔えこひいきしない〕
18 度量〔こせこせしない 〕
19 誠断〔正しく判断する 〕
20 勉職〔職場に専念する 〕
================

(5)「特性5因子診断(ビッグファイブ理論)」の性格診断法では5つ。

==================
1. 情緒不安定性(Neuroticism)
2. 外向性(Extraversion)
3. 知性・経験の開放性(Openess to experience)
4. 同調性・協調性(Ageeableness)
5. 誠実性・良心的特性(Conscientiousness)

===================・・・

(6)、国際バカロレア=IBの学習者像。

 これは、「IBの使命」を具体化したもので、「国際的な視野をもつとはどういうことか」という問いに対するIBの答えの中核を担っている。
 具体的には、IB認定校が価値を置く人間性を、以下10の人物像として表している。

============
1:探求する人
2:知識のある人
3:考える人
4:コミュニケーションができる人
5:信念をもつ人
6:心を開く人
7:思いやりのある人
8:挑戦する人
9:•バランスのとれた人
10:振り返りができる人
==============

会津の「什の掟」

=============
一、年長者の言うことに背いてはなりませぬ
二、年長者には御辞儀をしなければなりませぬ
三、虚言をいふ事はなりませぬ
四、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
五、弱い者をいぢめてはなりませぬ
六、戸外で物を食べてはなりませぬ
七、戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ
※ 「ならぬことはならぬものです」
==============


TOSS道徳の「生き方の五原則」

=============】
1:相手のことを心から考えよう
2:弱いものをかばおう
3:世のため人のためになることをしよう
4:自分にできることをしよう
5:先人に学ぼう
==============

 海軍兵学校で掲げられた「五省」
===============
1、至誠に、もとるなかりしか
 (真心に反することはなかったか)

2 言行に恥づるなかりしか
 (言葉と行ないに恥ずかしいところはなかったか)

3、気力に欠くるなかりしか
 (気力に欠いてはいなかったか)

4、努力に憾(うら)みなかりしか
 (努力不足ではなかったか)

5、不精に亘(わた)るなかりしか
 (不精になってはいなかったか)
=================

 五省の元と呼ばれる論語の三省

================
1、人の為に謀りて忠ならざるか。
2  朋友と交わりて信ならざるか。
3  習はざりて伝うるか。

人の為にと思いながら、私心がなかっただろうか(意)?
友人との交際で、信頼を裏切るような行為がなかっただろうか(身)?
良く知りもしないくせに、知ったかぶりしていい加減なことを人に伝えなかっただろうか(口)?」と。
=================

 福沢諭吉作との説もある心訓七則

================
1、世の中で一番楽しく立派なことは、一生涯を貫く仕事を持つことです

2、世の中で一番みじめなことは、教養のないことです

3、世の中で一番寂しいことは、仕事のないことです

4、世の中で一番醜いことは、他人の生活を羨むことです

5、世の中で一番尊いことは、人のために奉仕して
決して恩に着せぬことです

6、世の中で一番美しいことは、全てのものに愛情を持つことです

7、世の中で一番悲しいことは、 うそをつくことです
====================

 別のカテゴリーになるが、古代ギリシャなら3つ。

============
1.ロゴス(論理)
2・パトス(感情)
3、エトス(信頼)
=============
 
クラーク博士なら、たった1う

=============
 紳士たれ
=============

 概念が混ざると、指導も曖昧になる。
 カテゴリーが曖昧だと、指導も曖昧になる。
 「いいとこどり」のような扱い方も、指導を曖昧にさせる。
 しっかりと、理論武装したい。

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「やりぬく力」の指導ポイント

 『教育トークライン』2010・2月号の巻頭論文は「教師が身につけておくべき6つのこと」。
 特集である「新教師入門十か条」とは、少し切り口が違う。

(1)いかなる時も明るく笑顔でいてほしい。
(2)子どもには、上品に、ていねいに対応すること
(3)子どもたちをほめること(一人一人を、情熱を込めてほめること)
(4)やんちゃな子どもの困った行動を、一度は受け入れること
(5)努力することの大切さ、それが成功のもとであることを語ること
(6)続けることのすごさを、エピソードで語ることだ。

 全部、論じたいが、「やりぬく力」に関係する(5)(6)に絞る。

=====================
 第五は、努力することの大切さ、それが成功のもとであることを語ることだ。
 語るときには、必ず、誰かのエピソードで語ることだ。
 エピソードで語る時、教師の言葉は子どもの心に届く。
 お説教のように語る時、何も届かない。
 このようなエピソードを三十は語れなくてはならない。
 有名なエピソードを集め、語る練習をすることだ。

 第六に続けることのすごさを、エピソードで語ることだ。
 どのような道に進もうと、「続ける」ことが、成功へのパスポートだ。
何か一つでも、続けている人は、すごい人だ。
 私は、朝・夕、仏壇に「お花と水」をあげて、線香をあげる。六十年近く続いている習慣だ。
夜、寝る前に本を一、二冊は読む。これも五十年は続いている習慣だ。
 私の能力は、この二つによって作られたといってよい。
 子どもが「続けている」ことを、とりあげ、ほめるべきだ。
 さらに、イチローをはじめ。多くの人が、どのように続けているのかをエピソードをもとに語るべきだ。
 これも、三十近い事例は、持っておくべきだろう。
======================

・・・今話題の『「学力の経済学」で、重要な非認知能力として「やりぬく力」が挙げられていること、アンジェラ・リー・ダックワースが「グリット(Grit 不屈の精神)」と呼んでいることを先に述べた。

◆やり抜く力とは 超長期目標に向けた 情熱や忍耐力で スタミナがあることでもあります
◆やり抜く力は 明けても暮れても 自らの将来にこだわることです その週だけとか その月だけではなく 何年もの間 一生懸命に取組み その夢を 実現することです

・・・「グリット」は、「努力」と「継続」の価値が一緒になっていることがよく分かる。

 エピソードを元に語る(二十も三十も用意する)。
 科学的な見地で語る。
 子どもたちの「グリット」を紹介する(ほめる)。

「エピソードで語る時、教師の言葉は子どもの心に届く。
 お説教のように語る時、何も届かない。」

という向山氏の指摘を肝に銘じストックに努めたい。

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October 17, 2015

アクティブラーニングは、今までの指導でよいはずがない。

 教育開発研究所が出している「教職研修資料」7月11号は、「アクティブ・ラーニングを進化させる」(小島宏)であった。
http://www.kyouiku-kaihatu.co.jp/uploads/file/material/pdf/rf55a2fc9507c30/kenshu503.pdf

 「アクティブ・ラーニングの意味」は、中教審の用語集から取り出しているので同じ。
 ただし、「源流としての『単元学習』」の箇所は曲者である。
 要約すると

「かつての単元学習は、アクティブ・ラーニングに酷似している」

と言う主張になる。
 安易に考えれば、

 「アクティブ・ラーニング」は昔からあった。
 ↓
 だから、目新しくない。
 ↓
 今まで通りの指導でよい

ということになってしまう。

◆かつての単元学習(要約抜粋・文部省「学習指導要領一般編(試案)」昭和26年)は、
「教師によって、一方的に課せられる課題の学習ではなくて、児童・生徒の必要・関心・目的・問題などに基いた意味ある問題解決の学習で、目的が意識され、生き生きした学習である」
「教師と、児童・生徒との協力によって計画がたてられる弾力性をもった学習である」
「単元の目標を達成するためには、単に教師の話を聞き、教科書を読むというだけではなく、必要な資料を集めたり、それをもとにして討議したり、まとめたり、批評しあったり、その結果をいろいろに表現したりするような多様な学習活動を行う」
「単に、目標に照して、価値ある理解が深められるだけでなく、望ましい態度が身につけられる能力が練られる」
と、説明されている。
アクティブ・ラーニングに酷似している。
「活動あって学びなし」と批判されたが、改めて問い直したい。

・・・そして、「今後の対応の在り方」として次のように結んでいるが、危機感(教育改革への気概)が感じられないない。

◆以上のように、小中学校では以前から実践してきている。だから「このままでよい」のではなく、これからの社会で生き抜く児童生徒に「どのような資質・能力、態度を育成するか」という視点に立って研究し、さらに進化させることが重要である。

 ちなみに、「現時点における小中学校の例」を見ると、

◆<学習活動>作業的な学習、観察・操作・実験・見学・調査などの活動、算数的・数学的活動、
<体験活動>○○ごっこ、疑似体験、自然体験やボランティア活動など社会体験、ものづくりや生産・飼育栽培など体験活動、
<協働学習>グループ学習、教え合い、協働で行う創造活動、他者と協同して問題を解決する活動、
<問題解決>問題解決学習、探究活動、興味・関心に基づいて課題を設定し解決する学習、
<話合い活動>発表や討論・議論で考えを深める話合い、意見をまとめる話合い、問題解決学習では問題を各自で解決したことを共通理解するグルー
プの話合い(ダイアログ)、まとめるための全体の話合い(ディスカッション)が行われる。なお、ゲーム、シミュレーション、ロールプレイ、役割演技、プロジェクト学習等の取組みもある。

 これだけ列挙されたら、何か1つは必ず取り組んだ経験があるはずだ。
 結局、「アクテイブ」でせあれば、何でもありに読める。

 「アクティブ・ラーニング」は今でもやっている。
 ↓
 目新しくない。
 ↓
 今まで通りの指導でよい

ということになりかねない。
 小島氏の真意は「活動あって学びなし」の批判の二の舞にならないようにということなのだろう。
 小島氏の本意ではないかもしれないが、「今まで通りでいいのですよ」とも読める。
 要注意の解説である。

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グリット(Grit)=不屈の精神=やりぬく力

 努力の大切さ・継続することの大切さは、多くの教師が教えている。
 また、今回のノーベル賞受賞者の方が他のお話からも伝わってくる。
 
 継続は力なり・百日の努力・努力のツボ

の話は、自分もよくしてきたが、指導しきれない子がいたことは否定できない。
 日記指導も取り組んで、毎日続けて成果を感じる子もいたが、成長を感じない子もいた。

  『学力の経済学』で、重要な非認知能力として「やりぬく力」が挙げられている。

もうひとつの重要な非認知能力として挙げられるのが、「やりぬく力」です。
この能力は、ペンシルベニア大学の著名心理学者、ダッグワークス准教授が「成功を予測できる性質」として発表して以来注目を集め、GRITとも呼ばれています。
ダッグワークス准教授のTEDトーク「成功のカギはやり抜く力」の再生回数は630万回以上に上り、大きな反響を呼んでいます。ダッグワークス准教授は、このやり抜く力を「非常に遠い先にあるゴールに向けて、興味を失わず、努力し続けることができる気質」と定義しました。

TEDのプレゼンの日本語訳が以下のサイトで見ることができる。
https://sites.google.com/site/tedjapaneseenglishnote/list/the_key_to_success_grit

===============
 そのうち 誰が 生徒の学習成果をあげるのに 最も成功するか 考えました
(中略)こうした様々な状況において ある一つの特徴が大きく 成功を左右していました
 それは 社会的知性ではありません
 ルックスでも 身体的健康でも IQでもありませんでした やり抜く力です
 やり抜く力とは 超長期目標に向けた 情熱や忍耐力で スタミナがあることでもあります
 やり抜く力は 明けても暮れても 自らの将来にこだわることです その週だけとか その月だけではなく 何年もの間 一生懸命に取組み その夢を 実現することです
 やり抜く力は 短距離走ではなく マラソンを走るように生きることです

(中略)

 分かっているのは 才能と やり抜く力は違うことです
 私たちのデータが はっきり示す通り 才能があっても 純粋に 最後まで決めた事を やり抜けない人たちが たくさんいます
 事実 データによれば やり抜く力は 才能の高さとは 通常関係ない むしろ 反比例さえするのです
 これまで聞いた中で 子どものやり抜く力を育てるのに― 一番よいのは 「成長思考」と呼ばれるものです
 スタンフォード大学のキャロル・ドウェックが 見出したもので
成功思考とは― 学習する能力は固定しておらず 努力によって変えられる と信じることです
 ドウェック博士が示したのは 子どもたちが 脳の機能や 課題に対する― 脳の変化、成長について 学ぶと 失敗したときに より辛抱できるようになることです
 失敗は永続的な状態でないと 信じているからです
 ですから 成長思考は やり抜く力を育てるのに とても良いのです でも それだけでは足りません
 私が言えるのは そこまでです 私たちは まだその段階で そこからは 今から取り組む仕事なのです
 最高のアイデア 最強の直感を使って それを試してみないといけません
 私たちが成功しているのか知り 失敗し 間違い そして そこから学んだことで 一から やり直さないといけないのです
 つまり 子どもたちの やり抜く力を高めるため 私たち自身が やり抜かないといけないんです
 ありがとうございました
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・・・ 子どものやり抜く力を育てるのに 一番よいのは
 「成長思考」
  「学習する能力は固定しておらず 努力によって変えられると信じること」
であると言う。

  「努力は無限」「継続は力なり」と教えてきた多くの教師の経験則が、キャロル・ドウェックによって実証されたと言ってもいい。

 むろん、口にするだけでは、すべての子どもは変えられない。
◆魅力あるエピソードの語り(偉人の話)
◆課題の出し方の工夫
◆逆転現象のような「努力」の事実・成功体験の積み重ね
◆波及効果を狙った集団教育
など。
 そして、アンジェラ・リー・ダックワースが言うように、教師自身が「やりぬかないといけない」。
 やりぬく意思のない教師の背中を見て、子どもがやりぬくように育つわけがない。
 教師の生き方・生き様が、問われていることがよく分かる。

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October 10, 2015

ノーベル賞受賞者の生き方から学ぶ

 ノーベル賞受者者のコメント・メッセージからは、

◆地道な努力
◆失敗の連続
◆決してあきらめない不屈の精神


などが感じられる。
 IPS細胞の山中教授も、青色LEDの天野教授も「失敗の連続」だったと言う。
 9月に聞いた天野さんの講演では「大学時代は1度も実験に成功しなかった」と語っていた。
 微生物相手の大村教授も、宇宙から降ってくるニュートリノ相手の梶田教授も、データ集めが大変だったようだ。
 今の日本の高校生が「自分の能力を低く評価している」「将来への希望がない」といったデータを見ると
ぜひともノーベル賞受賞者に刺激にして

◆少しくらい駄目だからと言ってあきらめるな
◆早々に自分に見切りをつけるな
◆やりたいことをやりぬけ

といったタフな精神を身に付けさせたい。

(1)梶田さんのインタビューに見る実験の困難さ
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 ニュートリノは、きわめて物質を透過しやすい。
 だから、たまにしか検出器に引っかからない気まぐれなこの素粒子を、こちらは、つねにベストな状態で待ち続けなければならない。
 「実験」のように、てきぱきと装置を整備して、次から次へと作業をこなすというわけにはいかない。
 観測は、自然相手の「待ち」の作業なのだ。毎日が、この緊張感の繰り返し。

http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20151008-OYT8T50033.html

 研究をすすめるきっかけとなったのは、ニュートリノの正体をつかむために1980年代につくられた巨大な観測施設「カミオカンデ」で得たデータの計算が、自身の予測とは異なる結果になったことだった。
 それまで別の研究のためにカミオカンデのデータを利用していたが、計算結果の違いに「何かあるんじゃないか」と感じてニュートリノの研究を真剣に始めたという。
 「最初におかしいと思った瞬間を見逃さずに来れた」と、梶田さんは話した。
 しかし、このときから1998年にニュートリノの質量について発表するまで、約10年の期間があった。
 「きちんと(研究を)やっていけば、何かに結びつくんじゃないかと思ってきちんとやった。
 自分の進んでいる道が正しいと思って頑張った」などとコツコツ研究を続けたことを明かした。

http://www.huffingtonpost.jp/2015/10/06/nobel-prize-kajita-takaaki_n_8250890.html
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(2)大村さんのアドバイス
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 大村氏は受賞の感想を聞かれ「微生物の力を借りてここまでやってこれました」とキッパリ。
 若者に向けアドバイスを求められると
 「この道を行くと大変だと分かっていたら、そこに向かいなさい。そうすれば楽しい人生になる」
と力説した。
 このほか「失敗を恐れてはいけない。成功した人は失敗を言わないだけで、普通の人の2~3倍はしているから」
 「人のマネをしたら、その人は超えられない」
など、偉人ならではの“名言”を次々と残した。
http://news.livedoor.com/article/detail/10677472/

 「成功した人は、人より倍も3倍も失敗している」

 記者会見場に詰めかけた多くの学生に、失敗を恐れないよう説いた。
 「やったことはだいたい失敗するわけでしょう。
 思ったよりはるかに難しかったり、うまくいかなかったり。
 しかしうち5回、6回、7回やっているうちに、びっくりするぐらい上手くいくときがある。
 その味を味わうと、あとは何回失敗しても怖くない。それが研究の楽しさですよね。
 1回失敗してそれでだめだと思ったらだめですね。
 失敗したからよかった、これは絶対役に立つと思いながら続けることが大事ですよね」

 「いろいろやりたいことはあると思うけど、これやると失敗する、じゃなくて、やってみようという気を絶えず起こさなきゃだめ。
 成功した人は失敗を言わないですよ。でも人より倍も3倍も失敗している。
 だから1回失敗したからって、若い頃はどうってことないよ。
 とにかくやりたいことをやりなさい」

 記者から「学生に何か一言」と問われた大村さんは「努力もう一晩」と笑顔を見せた。

http://www.huffingtonpost.jp/2015/10/06/omura-nobel-prize-conference_n_8248918.html
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(3)天野さん・中村さんのメッセージ
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 会見では、質問に対して回答を譲り合う場面も見られた。
 報道陣から若い世代へのメッセージを求められた2人は、口をそろえて 「チャレンジすること」を第一に挙げた。
 中村さんは
「常に新しいチャレンジに向かうのが重要。怖がらず、新しいアイデアにどんどんチャレンジを。リスクをとらないとブレークスルーはない」。
 天野さんも
「チャレンジすることが人類への貢献につながる」
と期待を込めた。
http://www.asahi.com/articles/ASGD75G0RGD7ULBJ008.html
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(4)山中さんのメッセージ
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 9回失敗しないと1回の成功は手に入らない

 もう1つ今日伝えたいのが、皆さんもこれから大学生になり、社会人になりとしていくと思うのですが、
ぜひ色んな事にトライ、色んな事をチャレンジしてもらいたい。
 そしていっぱい失敗をしてもらいたいと思っています。
 10回挑戦して、9回失敗をして、1回やっと成功するくらいの感じで、
 これから色んなことが起こると思うから、9回失敗しないと1回の成功は手に入らない。
 私自身もそうでした。
 研究者はみんなそうです。
 その2つ、「万事塞翁が馬」と、どんどん色んなことに挑戦してどんどん失敗してもらいたい。
http://logmi.jp/37151
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(5)以前、書いた「エジソンの努力論」より

➀成功というものは、その結果ではかるものではなく、それに費やした努力・時間の統計ではかるものである。

②できる限り考えて、努力して仕事にかかれば、失敗からでも多くのことを学ぶことができるのである。

③時の経つのも忘れて、ある一つのことに熱中できる人は、必ずや何かを成し遂げるだろう。

④成功に不可欠なのは、肉体的にも精神的にも疲労を溜めずに、ひとつの問題にエネルギーを注ぎ込める能力である。
The first requisite for success is to develop the ability to focus and apply your mental and physical energies to the problem at hand – without growing weary.

⑤価値ある事を成し遂げる3つの必要なものは、重労働と根気強さと常識さ。
The three great essentials to achieve anything worth while are Hardwork Stick-to-itiveness, and Common sense.

⑥「私は一日たりとも、いわゆる労働などしたことがない。何をやっても楽しくてたまらないからだ。」
  I never did a day’s work in my life. It was all fun.

・・・漫然としたワークは「成功」に直結しない。
「成功」につながるのは、ハードワークであり、熱中・集中であり、好きでやる(all fun)ことなのだろう。

 好きだから続けられる
 楽しいから失敗が苦にならない。
 ということは、教育で大事なのは、「熱中できるもの」をもたせられるかどうかだ。
 知識・思考力と同じように「関心・意欲」が大事だと言われる理由が、こんなところからも分かる。

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October 04, 2015

自分はダメな人間だと思う高校生

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 平成27年8月に発行された「 高校生の生活と意識に関する調査報告書-日本・米国・中国・韓国の比較」(発行施設 国立青少年教育振興機構)の「自分について」の結果は、現代の日本の教育の問題を示している。

http://www.niye.go.jp/kenkyu_houkoku/contents/detail/i/98/

http://www.niye.go.jp/kanri/upload/editor/98/File/12.9.pdf

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9 自分について
 日本の高校生は、「私は人並みの能力がある」「自分は、体力には自信がある」「自分は、勉強な得意な方だ」「自分の希望はいつか叶うと思う」という問いに対して、「とてもそう思う」「まあ₇そう思う」と回答した者の割合が4か国中で最も低い。一方、「自分はダメな人間だと思うことがある」の問いに対して、「とてもそう思う」「まあそう思う」と回答した者の割合が高く、米中韓を大きく上回っている。

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◆自信がない。
 ◆早々に自分の能力に見切りをつける。
 ◆チャレンジする前にあきらめる。
 ◆失敗を恐れる。
 
 これが、日本の高校生の特質だとしたら、何と情けないことだろう。
 控え目で謙虚なのは日本人の長所かもしれないが、それも限度がある。

 大人にとって「無理」や「無駄」は、意味がないかもしれない。
 しかし、若い世代にとっては「無理」「無駄」かどうかは、簡単には決まらない。簡単に決めてほしくない。

 学校教育や家庭教育が「自信」を育てていない。
 「自信」を「自己肯定感」「自尊感情」「と言い換えてもよい。

 できることが増え、できそうなことが増え、自信をもって社会に出るための義務教育で、自分の限界を知り、見切りをつけ、将来への希望も与えられないようでは、何のための教育機関か。

 自己肯定感を高めるためにも、
◆失敗を恐れずチャレンジする精神
◆他人のチャレンジを励ます風潮
◆他人の失敗をを許容する風潮

を育てていきたい。そのための具体的な道徳のプログラムを考えてみたい。

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