「やりぬく力」の指導ポイント
『教育トークライン』2010・2月号の巻頭論文は「教師が身につけておくべき6つのこと」。
特集である「新教師入門十か条」とは、少し切り口が違う。
(1)いかなる時も明るく笑顔でいてほしい。
(2)子どもには、上品に、ていねいに対応すること
(3)子どもたちをほめること(一人一人を、情熱を込めてほめること)
(4)やんちゃな子どもの困った行動を、一度は受け入れること
(5)努力することの大切さ、それが成功のもとであることを語ること
(6)続けることのすごさを、エピソードで語ることだ。
全部、論じたいが、「やりぬく力」に関係する(5)(6)に絞る。
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第五は、努力することの大切さ、それが成功のもとであることを語ることだ。
語るときには、必ず、誰かのエピソードで語ることだ。
エピソードで語る時、教師の言葉は子どもの心に届く。
お説教のように語る時、何も届かない。
このようなエピソードを三十は語れなくてはならない。
有名なエピソードを集め、語る練習をすることだ。
第六に続けることのすごさを、エピソードで語ることだ。
どのような道に進もうと、「続ける」ことが、成功へのパスポートだ。
何か一つでも、続けている人は、すごい人だ。
私は、朝・夕、仏壇に「お花と水」をあげて、線香をあげる。六十年近く続いている習慣だ。
夜、寝る前に本を一、二冊は読む。これも五十年は続いている習慣だ。
私の能力は、この二つによって作られたといってよい。
子どもが「続けている」ことを、とりあげ、ほめるべきだ。
さらに、イチローをはじめ。多くの人が、どのように続けているのかをエピソードをもとに語るべきだ。
これも、三十近い事例は、持っておくべきだろう。
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・・・今話題の『「学力の経済学」で、重要な非認知能力として「やりぬく力」が挙げられていること、アンジェラ・リー・ダックワースが「グリット(Grit 不屈の精神)」と呼んでいることを先に述べた。
◆やり抜く力とは 超長期目標に向けた 情熱や忍耐力で スタミナがあることでもあります
◆やり抜く力は 明けても暮れても 自らの将来にこだわることです その週だけとか その月だけではなく 何年もの間 一生懸命に取組み その夢を 実現することです
・・・「グリット」は、「努力」と「継続」の価値が一緒になっていることがよく分かる。
エピソードを元に語る(二十も三十も用意する)。
科学的な見地で語る。
子どもたちの「グリット」を紹介する(ほめる)。
「エピソードで語る時、教師の言葉は子どもの心に届く。
お説教のように語る時、何も届かない。」
という向山氏の指摘を肝に銘じストックに努めたい。
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