« 自分はダメな人間だと思う高校生 | Main | グリット(Grit)=不屈の精神=やりぬく力 »

October 10, 2015

ノーベル賞受賞者の生き方から学ぶ

 ノーベル賞受者者のコメント・メッセージからは、

◆地道な努力
◆失敗の連続
◆決してあきらめない不屈の精神


などが感じられる。
 IPS細胞の山中教授も、青色LEDの天野教授も「失敗の連続」だったと言う。
 9月に聞いた天野さんの講演では「大学時代は1度も実験に成功しなかった」と語っていた。
 微生物相手の大村教授も、宇宙から降ってくるニュートリノ相手の梶田教授も、データ集めが大変だったようだ。
 今の日本の高校生が「自分の能力を低く評価している」「将来への希望がない」といったデータを見ると
ぜひともノーベル賞受賞者に刺激にして

◆少しくらい駄目だからと言ってあきらめるな
◆早々に自分に見切りをつけるな
◆やりたいことをやりぬけ

といったタフな精神を身に付けさせたい。

(1)梶田さんのインタビューに見る実験の困難さ
====================
 ニュートリノは、きわめて物質を透過しやすい。
 だから、たまにしか検出器に引っかからない気まぐれなこの素粒子を、こちらは、つねにベストな状態で待ち続けなければならない。
 「実験」のように、てきぱきと装置を整備して、次から次へと作業をこなすというわけにはいかない。
 観測は、自然相手の「待ち」の作業なのだ。毎日が、この緊張感の繰り返し。

http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20151008-OYT8T50033.html

 研究をすすめるきっかけとなったのは、ニュートリノの正体をつかむために1980年代につくられた巨大な観測施設「カミオカンデ」で得たデータの計算が、自身の予測とは異なる結果になったことだった。
 それまで別の研究のためにカミオカンデのデータを利用していたが、計算結果の違いに「何かあるんじゃないか」と感じてニュートリノの研究を真剣に始めたという。
 「最初におかしいと思った瞬間を見逃さずに来れた」と、梶田さんは話した。
 しかし、このときから1998年にニュートリノの質量について発表するまで、約10年の期間があった。
 「きちんと(研究を)やっていけば、何かに結びつくんじゃないかと思ってきちんとやった。
 自分の進んでいる道が正しいと思って頑張った」などとコツコツ研究を続けたことを明かした。

http://www.huffingtonpost.jp/2015/10/06/nobel-prize-kajita-takaaki_n_8250890.html
====================

(2)大村さんのアドバイス
================
 大村氏は受賞の感想を聞かれ「微生物の力を借りてここまでやってこれました」とキッパリ。
 若者に向けアドバイスを求められると
 「この道を行くと大変だと分かっていたら、そこに向かいなさい。そうすれば楽しい人生になる」
と力説した。
 このほか「失敗を恐れてはいけない。成功した人は失敗を言わないだけで、普通の人の2~3倍はしているから」
 「人のマネをしたら、その人は超えられない」
など、偉人ならではの“名言”を次々と残した。
http://news.livedoor.com/article/detail/10677472/

 「成功した人は、人より倍も3倍も失敗している」

 記者会見場に詰めかけた多くの学生に、失敗を恐れないよう説いた。
 「やったことはだいたい失敗するわけでしょう。
 思ったよりはるかに難しかったり、うまくいかなかったり。
 しかしうち5回、6回、7回やっているうちに、びっくりするぐらい上手くいくときがある。
 その味を味わうと、あとは何回失敗しても怖くない。それが研究の楽しさですよね。
 1回失敗してそれでだめだと思ったらだめですね。
 失敗したからよかった、これは絶対役に立つと思いながら続けることが大事ですよね」

 「いろいろやりたいことはあると思うけど、これやると失敗する、じゃなくて、やってみようという気を絶えず起こさなきゃだめ。
 成功した人は失敗を言わないですよ。でも人より倍も3倍も失敗している。
 だから1回失敗したからって、若い頃はどうってことないよ。
 とにかくやりたいことをやりなさい」

 記者から「学生に何か一言」と問われた大村さんは「努力もう一晩」と笑顔を見せた。

http://www.huffingtonpost.jp/2015/10/06/omura-nobel-prize-conference_n_8248918.html
===================

(3)天野さん・中村さんのメッセージ
===================
 会見では、質問に対して回答を譲り合う場面も見られた。
 報道陣から若い世代へのメッセージを求められた2人は、口をそろえて 「チャレンジすること」を第一に挙げた。
 中村さんは
「常に新しいチャレンジに向かうのが重要。怖がらず、新しいアイデアにどんどんチャレンジを。リスクをとらないとブレークスルーはない」。
 天野さんも
「チャレンジすることが人類への貢献につながる」
と期待を込めた。
http://www.asahi.com/articles/ASGD75G0RGD7ULBJ008.html
=====================

(4)山中さんのメッセージ
======================
 9回失敗しないと1回の成功は手に入らない

 もう1つ今日伝えたいのが、皆さんもこれから大学生になり、社会人になりとしていくと思うのですが、
ぜひ色んな事にトライ、色んな事をチャレンジしてもらいたい。
 そしていっぱい失敗をしてもらいたいと思っています。
 10回挑戦して、9回失敗をして、1回やっと成功するくらいの感じで、
 これから色んなことが起こると思うから、9回失敗しないと1回の成功は手に入らない。
 私自身もそうでした。
 研究者はみんなそうです。
 その2つ、「万事塞翁が馬」と、どんどん色んなことに挑戦してどんどん失敗してもらいたい。
http://logmi.jp/37151
=======================


(5)以前、書いた「エジソンの努力論」より

➀成功というものは、その結果ではかるものではなく、それに費やした努力・時間の統計ではかるものである。

②できる限り考えて、努力して仕事にかかれば、失敗からでも多くのことを学ぶことができるのである。

③時の経つのも忘れて、ある一つのことに熱中できる人は、必ずや何かを成し遂げるだろう。

④成功に不可欠なのは、肉体的にも精神的にも疲労を溜めずに、ひとつの問題にエネルギーを注ぎ込める能力である。
The first requisite for success is to develop the ability to focus and apply your mental and physical energies to the problem at hand – without growing weary.

⑤価値ある事を成し遂げる3つの必要なものは、重労働と根気強さと常識さ。
The three great essentials to achieve anything worth while are Hardwork Stick-to-itiveness, and Common sense.

⑥「私は一日たりとも、いわゆる労働などしたことがない。何をやっても楽しくてたまらないからだ。」
  I never did a day’s work in my life. It was all fun.

・・・漫然としたワークは「成功」に直結しない。
「成功」につながるのは、ハードワークであり、熱中・集中であり、好きでやる(all fun)ことなのだろう。

 好きだから続けられる
 楽しいから失敗が苦にならない。
 ということは、教育で大事なのは、「熱中できるもの」をもたせられるかどうかだ。
 知識・思考力と同じように「関心・意欲」が大事だと言われる理由が、こんなところからも分かる。

|

« 自分はダメな人間だと思う高校生 | Main | グリット(Grit)=不屈の精神=やりぬく力 »

教育」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference ノーベル賞受賞者の生き方から学ぶ:

« 自分はダメな人間だと思う高校生 | Main | グリット(Grit)=不屈の精神=やりぬく力 »