お手伝いする子は、成績もよい
非認知スキルの重要性を説いているのが
「『学力』の経済学」中室牧子
「成功する子・失敗する子」ポール・タフ
「幼児教育の経済学」ヘックマン
など。
海外の調査データに裏付けられて、納得する傾向があるが、海外の研究だけがすごいわけではない。
今から50年近く前になる都立教育研究所のデータも非認知能力の重要性を説いている。
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家庭で手伝いをする子は、学校では良い子です。
おそうじをまじめにやります。
用事をたのむと、喜んでやってくれます。
すぐに身体が動きます。
生活態度がきちんとしており、安定しています。
小さい頃の子どもは、お手伝いを喜びます。
この時期に、少しずつ仕事を与え、教育していくことが大切なのです。
小さい子のお手伝いは「じゃま」なものです。
でも、貴重な教育の場面なのです。
40年近く昔、都立教育研究所が、大々的な学力調査をしました。
とっても、変わった調査でした。
中学生を対象に、知能指数が同じ子を調べたのです。
知能指数が同じなのに「オール5」(ぐらい)の子と「オール1」(ぐらい)の子を、東京都中から選んで調査したのです。
知能指数が同じなら、素質は同じということができます。
しかし、一方でオール5の子があり、一方でオール1の子がいるのです。
調べてみると、原因はいろいろでした。
「これは、こうだ」と、はっきり断定できませんでした。
しかし、注目すべきことが2つ見つかったのです。
その1 オール5の子は、家庭で手伝いをしている。オール1の子は、家庭で手伝いをほとんどしない。
その2 オール5の子は、テレビを見る時間が家庭内で決まっている
大体1日1時間半。オール1の子は、テレビの約束がなく、長く見ている。
大体3時間以上、時には4時間、5時間見る子もいる。
向山洋一「『手伝い』する子は勉強もできる」(『家庭教育ツーウェイ』2005年8月)
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・・・今から50年近く前に、学力とお手伝いの関連(テレビ視聴の調査とも言えるし、家庭におけるルールの有無の調査とも言える)についての調査結果が報告されている。
日本の調査を軽視して、海外の調査結果だけを持ち上げることのないよう心したい。
また、権威ある調査結果を待たなくても、非認知スキルが学力と同様に重要であることは、古来の子育ての中でも語られている。
科学的根拠も大事だが、昔からの子育ての言い伝えは、大事にしていく必要がある。
「日本の伝統的な子育て」が世界から注目されている面もある。真摯に学んでいきたい。
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