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January 29, 2016

「野心のすすめ」 林真理子 講談社現代新書

 Ya

  「野心のすすめ」 林真理子 講談社現代新書

を手にしたのは、若者の「低め安定」を憂う林氏の言葉に賛同したからだ。
 「低め安定」の典型例として「一生ユニクロと松屋でOKじゃん」とのくだりがある。
見事な具体例に納得してしまう。
 しかし、やはり一生ユニクロと松屋では OKと思わないし、もっといろんな世界を知ろうよと思う。

 その1つが、「一流」へのあこがれだ。

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◆一流の場所に行って気づくのは、一流の人たちって本当に面白いんですよね。どんな会話をしても、いちいち面白くて、行動から好きな食べ物(たとえラーメンでも)、そのすべてが輝きを放っているのが一流の人々です。糸井さんや仲畑貴志さんクラスの人ってまぶしいほどの一流オーラが出ている。毎日が刺激的で、信じられないほど楽しかった。
 こうして一流の面白い人たちに出会うと良いことは。自分もその一流の仲間に入りたい、この面白い人たちと一緒のところにずっといたい、と強く思うようになることです。P53
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・・・若いころ、大先輩の家の新年会にお呼ばれしたとき、「安酒は飲むな。いい酒を飲め」と言われたことがある。
 「安物を何度も買い換えるなら、本当に質のよいものを長く使え」ともよく言われる。
 本物志向は、決して無駄遣いには直結しない。
 豪快な無駄遣いも、長い目で見れば。貴重な人生経験の出費(自己投資)かもしれないのだ。
 「安物買いの銭失い」と言うように、自己投資を怠ると、ビッグチャンスを物にできないかもしれない。
 ネクタイ1本、靴一足だって、見る人は見る。

 さて、「野心のすすめ」にも、「努力論」が見られる。 
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 自分が何も努力せずに、だれかが引き上げてくれるなんていうことはありえないのです。(中略)
「今のままじゃだめだ。もっと成功したい」と願う野心は、自分が成長していくための原動力となりますが、一方で、その野心に見合った努力が必要になります。

 野心が車の「前輪」だとすると、努力は「後輪」です。
 前輪と後輪のどちらかだけでは車は進んで行けません。野心と努力、両方のバランスがうまく取れて進んでいるときこそ、健全な野心といえるのです。 P31
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・・・「努力」もしないで「野心」を抱いても、それはただの妄想になってしまう。
 野心と努力が車の両輪とは見事な比喩である。
 問題の良い面しか見ず、問題を解決せず自己満足で終わってしまう精神疾患を「ポリアンナ症候群」と呼ぶ。
 「努力」のない「野心」(ポジティブシンキング)は、現実逃避の「ポリアンナ症候群」とであるとも言えるだろう。

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◆『走っている不幸」は、本人は辛くても、端から見ていて明るい爽快感があります。(中略)
  本当に恐ろしいには「止まっている不幸」だと思います。出口が無くて、暗く沈んでいくだけのモヤモヤとした不幸。P178~180
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・・・見事な対句表現である。「走っている不幸」と「止まっている不幸」の違いは、「やった後悔」と「やらない後悔」の違いによく似ていると思う。

http://matome.naver.jp/odai/2137553076281901401

には、「やった後悔・やらない後悔」についてのいろんな名言がある。

◆やってしまった後悔はだんだん小さくなるけど、やらなかった後悔はだんだん大きくなる
by 林真理子 「生き方名言新書」より"
◆『してしまったことを悔やむより、したかったのにしなかったことのほうが、悔やみが大きい』
○ユダヤの格言

 「ワン・シング」の一説とも重なってくる。

◆生きるに値する人生を送れば、最後にはこう言う事ができる。
 「ああすればよかった」ではなく、「ああしてよかった」P213


 ピーターパンの物語に出てくると言われるのが

◆「飛べるかどうかを疑った瞬間に永遠に飛べなくなってしまう」

http://www.asahi.com/articles/ASH6445ZSH64ULFA00W.html

 「だめだと思うから、だめになる」
 「失敗だと思うから、失敗になる」
 だからといって、無限定に自分を信じろなどとは言わない。
 「野心」と「努力」が車の両輪だと、林氏が説いたとおりなのである。

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