「好きなことだけやってみなはれ!」竹村健一(PHP)
21世紀的成功のヒント
「好きなことだけやってみなはれ!」竹村健一(PHP)
似たようなタイトルの本が次々と目の前に現れる。
21世紀直前の2000年10月に出版された書籍。
15年経った今でも、「21世紀的成功のヒント」は生きていると感じる箇所が多々あった。
逆に言えば、相変わらず日本は、発想のチェンジができていないということだ。
以下の部分などは、昨年提唱された「一億総活躍社会」へのメッセージにも読める
◆これからは競争社会だと言われるが、同じ土俵で勝負するから競争になる。自分の土俵をいかに見つけるかが、大切なのだ。
つまり「ナンバーワンではなく、オンリーワン」を目指す時代だと言える。
今までは、いい学校を出て、いい会社に入って出世することが、もっとも確実な成功法だった。工業社会はそうした規格に合った人間を大量に必要としたから、偏差値教育もあったし、学歴競争にもなった。
だが、二一世紀の情報社会は、他人と違うことを考える人間、違うことをする人間が求められる時代だ。(P2)。
・・・「工業社会」と「情報社会」
求められる社会人の2つの像の違いを、我々教師は本当に理解しているだろうか。
もはや、金太郎飴のような均質な人間をつくることは求められていないのだという自覚が重要だ。
何しろ、正確無比な単純作業なら、ロボット(人工知能)の方が、はるかに仕事ができる。
人工知能にできない分野・他人があっと驚くような創造的な分野にしか、人間の生き残る道はないのだ。
◆ITでもバイオでも、こうしたベンチャーは「面白いからとことんやる」人間が中心になっていることは言うまでもない。(P4)
◆今やインターネットの時代になって、クリックするだけで、瞬時にして世界中から情報を手に入れることができるようになった。
そういう時代にコツコツやっていたら、時代の流れに追いつかない。(P106)
◆自分がやりたいことをやっているときは、それを辛いと思わないものだ。
好きなことをやっているのだから、多少は辛い目に遭っても当たり前だと考えられる。P174
・・・竹村氏には、よく似たタイトルの著書もある。
「好きなことをやれ イヤなことはするな」(太陽企画出版1999年)
◆好きなことをやれば自分は楽しんでできるからいろいろなことに気づく。
イヤなことは早く終わりにしたいから、結局好きなことのほうがイヤなことをよりずっとうまくできることになる。
また、好きなことをやって、イヤなことをやらないということは自分に正直で嘘がないということでもある。P4
◆人は、自分で興味を引かれ、自分の意思でやり始めたものには、何の負担も感じないで一生懸命に取り組める。他人から勧められたことがどんなにすばらしいものであっても、自分で見つけたことのほうが、たとえ見劣りするとしてもはるかにやり甲斐がある。(P102)
・・・「好きなことだけやれ? そうは言ってもなあ」などと反論している場合ではない。
むろん、好きなことだけやっていていいとは思わないが、基本スタンスを「好きなことをやる」にしておかないと、
すぐに「コツコツ努力しろ・我慢も大事」という精神論(反対勢力)に押し切られてしまうのである。
下記の「すごいリスト」も興味深い!
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