勘違いでもいいから、自信をつけさせる
地元中日新聞夕刊の連載「この道」は、ノーベル賞の益川俊英氏を取り上げている。
1月13日の第8回は、面白い内容だった。
益川氏の父は科学や技術の知識が豊富だったので、銭湯の行き帰りに益川氏に雑学を聞かせていたそうだ。
「なぜ月食は毎月起こらないのか」
「モーターはなぜ回るか」
「電車の扉は一度閉まると絶対に開かないのはなぜか」など。
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そんな難しい話をしても小さな子どもに分かるわけがない。たぶん、母も近所の人も聞いてくれないから、息子に話して自慢していたのだろう。おかげで、いろいろ科学的な知識がいについた。
子どものころは勉強より遊ぶ方が楽しかったから、学校の宿題や予習はまったくしなかった。授業中に先生が問題を出すと、予習してきた子どもは答えを知っているので、私が考えている間に手を挙げて答えてしまう。だが、先生の話が脱線すると予習なんて関係なくなる。すると父に仕込まれた雑学の知識が役立って一人で先生の相手をした。そんなことをするうちに自分は理科や数学が好きだと勘違いするようになった。
いったん錯覚すると興味を持って勉強しはじめたりするものだ。するともっと得意になった気がする。そうしてどんどん錯覚が強まり、難しい本や問題にも挑戦するようになru.
父と歩いた夕暮れの道。それが私の科学への入り口だった。
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・・・勘違いでも「得意」と思うことで、ますます好きになり「得意」になる。
「勘違い」でもいいから「自信」をもたせることが大事なのだという好例である。
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