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February 20, 2016

インフルエンザ対策についての私見

 市内の小中学校でも学級閉鎖が増えている。
 しかし、個々のインフルエンザ対策が、何となく曖昧な気がしてならない。

(1)震えるほどの換気

 「うちのクラスは、窓開けっぱなしだから、ぶるぶる震えながら授業を受けています」
と自慢気に言う先生がいる。
 換気をしっかりするという対策方であることは、よく分かる。

http://www.we-serve.co.jp/blog/cat35/post-27.html

にあるように、

インフルエンザに感染した人が室内にいた場合、その人の咳やクシャミで出た インフルエンザウィルスが2~3時間くらいは部屋の中でふわふわと漂っているということ。

というのだから、換気が大事なのはよく分かる。
 しかし、インフルエンザは気温が低いほど活発になる
 先のサイトにも、

◆“室内は適度な温度と湿度に保つ
◆冬の室内の環境は、湿度:50%くらい・室温:18~20度

とある。
http://www.wakando.jp/kaze3.htm

には、効果が数値で示されている。

インフルエンザウイルスは、温度が低い程、湿度が低い程長時間生存し、感染する力を保持しています。
すなわち室温21~24℃、湿度50%以上では6時間後の生存率は3~5%であったのに対し、湿度を20%にすると生存率は60%になりました。
室温7~8℃の低温では、湿度50%以上では6時間後の生存率は35~42%でしたが、湿度22~25%では63%でした。
室温を32℃の高温にすると湿度50%での6時間後の生存はゼロでした。
室温32℃で湿度20%では生存率は17%でした。

というのだから、ぶるぶる震える教室で授業をするのは逆効果ではないのだろうか。
 しかも、
http://www.keiryou-keisoku.co.jp/kaze-influ/kaze-influ.htm
には、

◆身体を冷やすと免疫力も下がること、気温が低下するとせきを誘発してのどの粘膜がやられることから、
室温を適温に保つために、温度計でのチェックも同時に行っていきましょう。

とある。冷えた教室は健康上の問題があると言えるだろう。

 換気をすれば室温は下がるので、インフル対策になる。
 しかし、室温が下がれば、感染の恐れが高まるので、インフル対策にならない。

「換気はインフル対策にならない」とまでは言わない。
「換気せずに、室温を上げよ」とまでは言わない。
 自分には、判断するすべがないからだ。

(2)マスクの着用

 インフルエンザ予防のためには

・予防接種を受ける
・外出後のうがいと手洗い
・外出時はマスクをする
・人ごみを避ける
・換気をする
・室内は適度な温度と湿度に保つ
・栄養と休養を十分取り抵抗力を高める

などが挙げられる。
http://www.we-serve.co.jp/blog/cat35/post-27.html
より

 「換気」と「室温」の両立が難しいことを先に書いたが上記のサイトで、さらりと書いてある次の箇所も気になる。

◆インフルエンザの感染は咳やクシャミからの飛沫感染が主な経路ですが、 空気感染もゼロではないそう。

・・・可能性はゼロではない「空気感染」の対策のために換気を励行しているということになるのだろうか(そう言い切る自信はありません)。
 ゼロではない空気感染対策のための「換気」で、免疫力を落としたり、ウイルスが死滅しないのだとしたら、本末転倒ではないか。

http://pro.saraya.com/kansen-yobo/influenza/kansenkeiro.html
によると、「空気感染」よりも心配なのは「飛沫感染」「接触感染」である。

===================
「飛沫感染」

感染者のくしゃみや咳によって、インフルエンザウイルスを含んだ気道分泌物の小粒子が周囲に飛び散ります。この小粒子を飛沫といい、その数は、1回のくしゃみで約200万個、咳で約10万個といわれます。粒子は比較的大きいのですが、感染者からおよそ1~1.5メートルの距離であれば、直接に周囲の人の呼吸器に侵入してウイルスの感染が起こります。また、目などの粘膜から直接侵入することもあるようです。

「接触感染」

飛沫に汚染された環境表面やモノなどに触れることによってウイルスが付着した手を介する感染です。手についたウイルスを目や鼻、口などに無意識にもっていくことにより、粘膜からウイルスが侵入します。ウイルスは乾燥した環境中では長時間生きつづけることができるので、感染者が使用した電話やドアノブ、食器、交通機関のつり革などにウイルスが付着して、後からそれを触ったヒトに感染が起こり、広がることがあり得ます。

================
 とある。
 「空気感染」の対策よりも、「飛沫感染」「接触感染」の対策の方が優先されるのだと読み取れる。

 その飛沫感染を防ぐ手立てとして「マスクの着用」が言われている。
 ただし、これは、主として感染者のするマナーである。
 「感染しないためにマスクをしても意味がない」などと、よく耳にした。

 そうなのだろうか?

 「ウイルスが付着した手を介する感染です。手についたウイルスを目や鼻、口などに無意識にもっていくことにより、粘膜からウイルスが侵入します」とある。

 子どもは、すぐに手を口にもっていく。
  だから、感染していない子もマスクを着用すれば「接触感染」を予防することができるではないか。

 しかし、マスク着用の効用として「接触感染の予防」があると正式には聞いたことがなかった。
 今回、あらためてネット検索してみると、

http://pro.saraya.com/kansen-yobo/influenza/mask.html

に、次のようにあった。

=============」
 感染していないヒトがマスクをすることで、飛沫の吸入を抑えるだけでなく、汚染された手で鼻や口を触る機会が減り、接触感染の防止になります。
=============

・・・よかった。「接触感染の防止」のためのマスク着用が、きちんと明記されていた。
 自分は、これまでも、独断で「マスクをつけると、手についたウイルスが口に触れないから、予防になるんだよ」と教えてきたが、間違いではなかった。
 とりわけ、すぐに手や指を口元にもっていきたがる子どもたちには、マスク着用はとても有用だと思う。
  ちなみに、「手洗いは、30秒以上、指1本1本まで丁寧に」などと言われるが、これでは、大半の子どもの手洗いはアウトである。
 だからこそ、手にウイルスが付着していても、口に触れない防衛策として、いはば最後のとりでとして、マスク着用が有効になるのだ。
 
 さて、室温を上げ、湿度を上げるとインフルエンザウイルスの生存率が下がる。

===================
 室温21~24℃、湿度50%以上では6時間後の生存率は3~5%であったのに対し、湿度を20%にすると生存率は60%になりました。
 室温7~8℃の低温では、湿度50%以上では6時間後の生存率は35~42%でしたが、湿度22~25%では63%でした。
====================

・・・子どもたちが帰った授業後、廊下の窓を開けっぱなしにしておく先生が多い。
 しかし、それでは、気温が低すぎるから、残っているウイルスが生き延びてしまう。

【極端な対策例の1】
 子どもたちが帰った後の教室で、ガンガンにストーブを点けて、室温を21度以上に上げておく。
 あるいは、出勤したらすぐに教室に行って、ストーブを点け、室温を21度以上に上げておく。


・・・換気を名目に、教室を冷え冷えとさせてしまうことの問題点を全職員に理解してもらいたい。
 
 さて、もう1つ気になっているのが、清掃時のぞうきんがけだ。
   学校では、給食後に清掃、放課と続く。
 空ぶきぞうきん担当の子たちは、パンパンと払うだけで、そうきんを所定の場所に置き、遊びに行く。
 よほどのことがない限り、空ぶきぞうきんを洗うことはないし、ぞうきん係りの子が、接触感染を恐れて念入りに手洗いしているなんて姿は、ついぞ見たことがない。
 ぞうきん係りの子への感染予防を怠っているのだろうか。
 ほうき・ごみ係りと比べて、ぞうきんがけの係りは、感染率が高いのではないだろうか。

【極端な対策例の2】
 インフルエンザが流行し出したら、感染防止のため、空ぶきぞうきんの清掃を禁止する。

 「空ぶき担当の子はインフルエンザに感染する割合が高い」といった具体的な数値データがないと、説得力がない。しかし、感染の確率は、きっと高いだろうな。


(3)適切な湿度
 ところで、室温だけでなく、湿度も大事だとされている。
 では、どうやって湿度を高めようか。
 PTAの予算で、全学級に加湿器を購入した学校がある。
 しかし、加湿器の手入れが悪いと、かえって雑菌をまき散らすとの指摘がある。
 昔の石油ストーブなら、やかんを載せて、湯気を出していたが、今は、やかんは危険だと言われるに違いない(春日井市の暖房器具ははガスファンヒータだから、やかんdお湯を沸かすことはできません)。

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