行列を作ることの無駄
行列に並ぶ時間は、明らかに「無駄」である。
USJで2時間も待ったら、そのたびに映画1本ずつ見られるんだから、待ち時間用に映画を流すシステムや待ち時間用のアトラクションが欲しいくらいである。
さて、教室でも、時に行列を見かけることがある。
算数の計算問題を解いたノートを持って並ぶ。
連絡事項を書いた連絡帳を見せて点検を受ける
ような場合だ。
並ぶ子が5~6人なら許容範囲だが、それを超えるようだと、無駄が生じ、荒れが生じる。
点検している先生は、1人ずつ丁寧に声をかけている。
1人ずつ丁寧にノートを見て声をかけるのが優しくてすばらしい先生だと思っているのだろうか。そのような先行体験があるのだろうか。
しかし、ノートを持って並んでいる子は、前後で話したりふざけたりしている。
「黙って待っていなさい」と指導すれば、我慢して待つだろうが、そもそも待たせるシステムに問題がある。
集団を統率する上で「空白禁止の原則」は鉄則である。
待ちの時間・何もすることがない時間が生じれば、荒れが始まる。
「黙って待ってなさい」ではなく、何か策を打つべきなのだ。
◆全体に課題を与え、指名した列の子だけ順番に持ってこさせれば、無駄に並ばなくて済む。
◆全員分のノートを回収してチェックをし、不備がある子だけ前に来させて指導する。その間、全員には別の課題や次の課題を与えておけば、時間が有効に活用できる。
◆チェック項目を決めて、瞬時に見て返し、列を作らせない。 不合格の子は再度並ばせる方法。
いずれにしろ、点検を待つ子・点検を終えた子・合格した子は何をすればいいかを明確に指示しておくことが大事。
「終わった子は何をすればいいんですか?」と子どもに聞かれる前に、最後の行動まで示して先手を打たないといけない。
「最後の行動まで示せ」という指示の原則が、ここで生きてくるのだ。
参考文献は『授業の腕を上げる法則』(向山洋一)
ベテラン教師は、無駄が少ない。
待ち時間を減らし、すき間時間にも何かやらせ、時間を有効に活用する。
授業進度が順調だと余裕のある対応ができるし、1時間まとめてお楽しみ時間を設けることもできる。
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