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May 01, 2016

「全体法(全習法)」は、「部分法(分習法)」に勝る


 先の『大人のための科学的勉強法』」福井一成(日本実業出版社)の続き。

 「全体法」・・最初に全体を把握してから、次第に細かい部分を覚えていく方法
 「部分法」・・テキストを前から順番に暗記していく方法

を比べると、全体法の方が成果があると述べている。
 たとえば、全体法で3章のテキストを150時間勉強する場合。

①最初の50時間は、テキスト全体の太字だけ覚える。
②次の50時間は、テキストの本文全体を通読する。
③最後の50時間は、テキストの本文と細部(欄外・図表・資料)に目を通す。

◆全体法では三度、テキストを見返している。部分法は丹念に読み込んだにしても一度だけ。
だから、第三章を終えたころには、第一章の内容をほとんど忘れているにちがいない。第二章の内容も、かなりあやしくなっているはずだ。
それに対して、全体法は初回は太字だけ、二回めは本文全体、三回めは細部までとメリハリが効いていて、これだけで本文重要事項は「復習」が二回できる。
 結果はもうおわかりだろう。勉強が終わった時点では、全体法のほうが暗記できた知識量は多いのだ。
 はじめて勉強するテキストでも、最初から事細かく細部まで覚えようとせず、まず重要事項に絞って全体を通して読んでしまう。次に、その重要事項に肉付けしていき、細かな注書きや図表、資料などは最後の仕上げまで残しておけばいい。
 上記の例はかなり極端なので、部分法の効率が悪いことが一目瞭然だろう。間違っても部分法で勉強しようと思った読者はいないはずだ。しかし実際には、全体より部分法に近い勉強の仕方をしている人が非常に多い。(P86・87)

・・・・「全習法」のよさがよく分かる。だから、国語では、前から順番に細かく読みこんでいく「一読総合法」は、成果が出ないのだ。 (分かりにくいかもしれないが、国語では、いわゆる「三読法」が「全習法」であり、「一読総合法」の方が「分習法」である)。
 しかし、歴史の授業は、多くは分習法だ。
 江戸時代の学習をする頃には、古代の歴史は忘れてしまっているのが現状だ。
 良識ある教師は、全体を見据え、どの時代の学習も全時代の中でどう位置づけられるかを意識しながら教えていると思う。
 「実際には、全体より部分法に近い勉強の仕方をしている人が非常に多い」という指摘を、しっかり肝に銘じたい。

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