「仕事を無理なく両立できる 毎日続く勉強法」多田健次著
「仕事を無理なく両立できる 毎日続く勉強法」多田健次著 日本実業出版社
多田健次氏は、心理学の公認カウンセラーでもあり、メンタルヘルスマネジメント検定マスター資格も取得されている。
◆勉強は、「毎日続く」からこそ意味があるものです。
(中略)勉強を続けるコツは簡単です。それは、勉強が続く「しくみ」をつくってしまえば良いのです。
ということで「勉強量=勉強をスタートする回数」だとも述べている。納得だ。このところ、なかなか勉強にスタートできない。
◆ベビーステップ(スモールステップ) 一歩ずつ確実に・とにかく続ける
という原理も、勉強の開始と継続のためには欠かせない。
◆人は実際に行動を始めると自然とやる気がわいてくるもの
については、池谷裕二氏の本で「作業興奮」とあったことと重なってくる。
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○「勉強しなきゃいけないのは分かっているけど、どうしてもヤル気が出ない」と感じることはありませんか。実際に「ヤル気」は勉強の原点であるといってもよいくらい重要な要素です。
○ヤル気、つまりモチベーションは、脳の「側坐核」という場所で作られます。
○側坐核を活動させるためには、ある程度の刺激が必要なのです。刺激が来ないと十分な活動を起こしてくれません。
○ですから、何もしないでいて「ヤル気が出ない」というのは、もっともなことです。刺激を入れなければ側坐核は活動しないので、ヤル気の出ようがないのです。ですから、ヤル気が出ないときには、まずは何より机に向かって勉強を始めてみましょう。とにかく側坐核を刺激するのです。そうすると、しだいにヤル気が生じて勉強に集中できるようになっていきます。
○こうした現象は心理学者クレペリンによって発見され、「作業興奮」と名付けられました。何事でも、始めてからしばらく経つと少しずつ調子に乗って集中できるようになる。これが作業興奮です。側坐核が目を覚ますのには時間がかかります。だから、とにかく勉強を始める。そして、始めたらしばらくは中断しないことが肝心なのです。
「最新脳科学が教える高校生の勉強法」
池谷裕二著 東進ブックス p109
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※「Once done is half done.」 (いったんはじめたものは、半分終わったも同じ)
という言葉も、「作用興奮」とつながっていることが分かる。
とりかかりについては、
◆開始の儀式をいくつかもっておく
とあり、「いつでも簡単にできる行動をルーティーンにするとスイッチが入りやすい」と述べている。
「〇〇をしたら取りかかる」ということで
①文具をセットする
②テキストをパラパラめくる
③テキストを出す
④手帳を開いて予定を確認する
⑤好きな科目から始める
⑥コーヒーを入れる
などの例示がある。
①②③は、教室での授業開始時と同じだ。
筆記用具・教科書とノートを出して、今日やるページを開く、などがルーテイーンになり、授業への切り替えスイッチになっている。
「見られている意識」ということで
①ライバルの視線
②応援者の視線
③将来の自分に恥じないように
などの例示がある。
ライバルと応援者の存在を考えたら、「学校での集団学習」は非常に有効だということが分かる。
家庭学習では、兄弟がいればライバルになり、家族がいれば応援者になるが、単独の学習はなかなか難しい。
1人でも学習できる強い意志(モチベ―ション)と習慣形成について、もっと詳しく調べてみたい。
たとえば、30日続けようとすると
①前半は、「反発期」でやめたくなる。挫折率42%
②中半は、「不安定期」で振り回され、挫折率40%
③後半は、「倦怠期」で飽きてくる。挫折率18%
「続ける力・やり抜く力」の適切な指導についても、しっかり調べてみたい。
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