楽観主義者にも2通りある
ポジテイブ思考は大事だが、能天気な楽観主義は問題がある。
自分の問題を改善する努力もせずに、「何とかなるさ」と開き直ることは、何の改善にもならない。
ちなみに「楽観主義者」の負の側面が「ポリアンナ症候群」という言葉で表されることを、ごく最近知りました。
http://orangewind.hatenadiary.jp/entry/20101118/p1
◆問題の良い面しか見ず、問題を解決せず自己満足で終わってしまう精神疾患を「ポリアンナ症候群」と呼ぶ。
ポジティブシンキングをするだけで現実逃避をした上で、仮に物事が運良く上手く言ったとしても、単に運が良かっただけに過ぎない。
・・・ウイキには、「ポリアンナ症候群」について、次のように補説がある。
◆ポリアンナ症候群とは実際のポリアンナの「良かった探し」とは異なり、現実逃避のために行う楽天主義(アドラー心理学で言えば実際には悲観主義であり、問題解決を志向する楽観主義とは異なる)を指す内容であることから、名称を変更する必要があると思われる。
「現実的な楽観主義者」と「問題解決を志向する楽観主義」とは、同義なのだろう。
「現実逃避のために行う楽天主義は、アドラー心理学で言えば実際には悲観主義である」ということだ。
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◆ポジテイブ思考の人は、物事がうまくいくと信じているために、起こり得るさまざまな問題を十分に検討しようとしません。そのために準備を怠ったり、危険な行動を取ろうとします。(中略)
一方、ネガティブ思考の人は、つねに最悪の状況を想定します。物事がうまくいかなくなる状況も含め、さまざまな可能性に備えようとします。
◆自分には人並み以上の能力があり、幸運の女神は自分に微笑むと誰もが信じているという現象は「レイク・ウオビゴン効果」と呼ばれます。非現実的な楽観主義は、自分でコントロールできる出来事(かなりの肥満になる)、稀な出来事(破産する)、とくに重大ではない出来事(思っていたよりも試験のできがよくない)などの状況でよく見られます。
これらの状況には失敗しないための対処策があります({体重を測る」「家計簿をつける」「試験勉強をする」)が、ポジティブ思考をしていると、自分には問題が生じないと考えるため、対処策を取ろうとしなくなるのです。
「トラブルのもとになる非現実的な楽観主義」と「目標達成に欠かせない現実的な楽観主義」との違いは、楽観的になる理由の違いから生じます。自分は適切な計画を立てたり効果的な戦略を見つけることによって成功するか失敗するかを自分でコントロールできる、そう考えて楽観的になるのが現実的な楽観主義です。
この考えは自信と意欲を高めます。非現実的な楽観主義は、計画や努力とは無関係の要素ーたとえば才能(わたしは頭がいいから成功する)や運(自分はラッキーだからうまくいく)-を根拠にします。そのため必要な準備を怠り、状況が悪くなるとすぐにあきらめてしまうのです。
『やってのける』ハルバーソン著 大和書房 p215・216
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