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June 19, 2016

エンゲージメントとは?

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 文科省が出した「教育課程企画特別部会 論点整理」の参考資料P193に

 「学習意欲と学習プロセスとの関係 エンゲージメントと非エンゲージメント」

と題した資料がある。
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2015/09/24/1361110_2_5.pdf
 
 Skinner, Kindermann, Connel, & Wellborn,2009を一部改変 鹿毛 雅治 (慶應義塾大学教職課程センター教授) 著
『学習意欲の理論-動機づけの教育心理学-』(金子書房 、2013年)第1章(p.9)より引用

とある。
 掲げられた言葉が印象的だった。

◆エンゲージメント・意欲的な姿
 一生懸命に取り組む・努力する・持続する・熱心・専念・熱中・没頭・情熱的・積極的・チャレンジ・熟達を目指す
 最後までやり抜く・細部にまで丁寧で几帳面である

◆ 非エンゲージメント・意欲的でない姿
受動的で先延ばし・あきらめる、身を引く・興味がない・回避的・無関心・無目的・あきらめる
気が進まない・反抗的・頭が働いていない

・・・どのような経緯で、この資料が参考として取り上げられたのかのかは分からない。
 意欲が大事、動機付けが大事ということなのだろうが、この「エンゲージメント」という言葉は聞いたことがなかった。

 昨日買った「モチベーション3・0」(ダニエル・ピンク著 大前研一訳)講談社+α文庫にも、このワードが出てきた(P192)。

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 従順から積極的な関与へ
 自律(オートノミー)の反対は統制(コントロール)だ。行動という羅針盤において、この二つは対極に位置しており、両者はわたしたちに異なる目的地を指し示す。すなわち、統制は従順へと、自律は関与(エンゲージメント)へと導く。
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 この「エンゲージメント」の部分には、訳注として

◆本来は「関与」「絆」などを意味する。最近は、「仕事に対する真剣な取り組み」、さらに「個人と組織が一体になり、双方の成長に貢献し合う関係」を指す

とあり、P194には

◆アメリカでは、従業員の50%以上が仕事にエンゲージしておらず、約20%が意識的にエンゲージしていないとわかった。
(中略)労働人口のほんの2、3%しか仕事に自発的な関心を示さない国もあるという。

という叙述もある。
 「エンゲージメント」=積極的な関与・自発的な関心・仕事への真剣な取り組み・貢献、などの意味合いだと分かる。

 次のサイトでは、社員の「組織への貢献意欲」としてとらえている。

http://www.adecco.co.jp/vistas/adeccos_eye/32/

◆タワーズワトソンのデータ・サーベイ部門ディレクター岡田恵子氏は、こう分析する。
「当社ではモチベーションに近いものとして『エンゲージメント(組織への貢献意欲)』という概念を提唱し、調査していますが、日本人のエンゲージメントのスコアは長年、G8の中で最下位です。もっとも日本人の場合、こういった調査の回答として『どちらともいえない』を選択する傾向が多分に見られるので、実際に極端にエンゲージメントが低い人が多いわけではありません。ただ、低成長の長期化、企業の業績不振、それによる社員の報酬の減少、管理職ポストの削減など、さまざまなマイナスの要因が絡んだ結果、『組織のためにがんばることが自分のやりがいだ』と、言いきれなくなっている現状があります」

・・・日本人の会社への貢献意欲がG8で最下位という調査結果は意外だった。会社への忠誠を尽くす国民性というイメージがあったから、これは真逆だ。「会社への貢献」は、もはや死語か。

 また、次のサイトでは、

◆会社の社員への期待(仕事のミッション)をリンクさせて、社員のやる気を内側から向上させる手法を『バリュー・エンゲージメント』と呼びます。

として、社員のやる気向上(内発的な動機付け)について、詳しく述べている。

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◆学校の勉強になると、あまり物覚えがよくなかったり、創造性を発揮しない子が、ビデオゲームになると、そこで登場するキャラクターの名前を全部記憶し、ゲームの裏技を見つけるのに創造性をいかんなく発揮する子がいます。
 学校のことになるとおとなしく沈んだような顔をしているのに、ビデオゲームのことになると目を輝かせてやる気満々、インスパイアされた状態になっている。
同じ子供がやる気を持ったり持たなかったりするのは何故でしょうか?
 やる気の境界線は、どこにあるのでしょうか?
 おそらくその答えは、おわかりかと思います。
 そうです。やる気は、自分が好きなこと、大切に思っていること、重要なことに対して起るものなのです。
 そして、好き、大切、重要なこととは「価値観」なのです。
 私たちは、自分の価値観に合致していることに対しては、やる気が自然と起り、誰に指図されることもなく積極的に取り組みます。 しかし、価値をおいていないことについては、自分で行動を起こすことは滅多にありません。誰かに指図されたり、行動しなければならない、行動する必要がある場合のみ嫌々ながら行動します。
 このように私たちのやる気は、個人それぞれが持つ価値観が大きく影響します。
 社員の仕事のやる気が低いのは、仕事と自分の価値観のつながりが見えない。仕事と自分の価値観の間に関連性を見出せていない状態と言い換えてもいいでしょう。
 もし、その社員が今の仕事が、自分の価値観を満たしてくれることがわかれば、その社員にとって仕事の意味は大きく変わるはずです。そして、仕事のやる気はずっと高まることでしょう。(中略)
このように、これまでネガティブに捉えていた業務と自分の価値観との間に明確なリンクが認識できたとしたら、その中間管理職のやる気は、グッと上がります。
 重要なのは、これが報酬や昇進といったアメ(外からのモチベーション)ではなく、自分にとっての仕事の意義に気づいたこと(インスピレーション)によってやる気が上がることです。

http://www.yaruken.com/method/
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 外からのモチベーションではなく、内からのモチベーションが大事というのは、『モチベーション3・0』のメインの主張である。
 このサイトが言う「価値観」は、ダニエル・ピンクが言うところの「目的」に相当する

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