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July 26, 2016

「『やればできる!』の研究」キャロル・S.ドウェック

Mindset


「『やればできる!』の研究」キャロル・S.ドウェック

・・手元の本とは違ってWEBの本には帯が付いていた(たぶん旧版)。
そのコピーが目を引いた。

「学ぶことが大好きで、何にでも挑戦し、失敗してもめげない子供に育てるには?」
http://books.rakuten.co.jp/rb/5888127/
 このコピーは、すごい。

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 キャロル・ドゥエック博士といえば、1980年代ー90年代「固定的知能観:硬直マインドセット」「拡張的知能観:しなやかマインドセット」の研究で、動機論の世界で一世風靡した著名な研究者です。
http://www.nakahara-lab.net/blog/2016/02/post_2559.html
http://www.nakahara-lab.net/2008/12/post_1396.html

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「自分の能力は固定的で、もう変わらないという考え方」
=固定的知能観
=硬直マインドセット=fixed-mindset

をもっている人は、
・努力を無駄とみなし、
・自分が他人からどう評価されるかを気にして、
・失敗を恐れ、
・新しいことを学ぶことから逃げてしまう

 一方、
 「自分の能力は拡張的・可変的で、常に変わりうるという考え方」
=「拡張的知能観」
=しなやかマインドセット=growth-mindset

をもっている人は、
・人間の能力は努力次第で伸ばすことができると感じ、
・たとえ難しい課題であっても、学ぶことに挑戦し、
・自身の成長のためなら失敗を恐れない

 ちなみに向山洋一氏の指導方針=知能観は、まさに「拡張的知能観」であることがよく分かる。
 向山氏は、とにかく「やればできる」を具現化してきたのだ。

◆こうして努力することの大切さと、その目やすを子どもに話した。授業で自信を持つようになった子は、さらに努力を続け、驚くほど成長していった。
◆可能性を信じる頑固さにおいて それを具現化する執念において 自分は他のいかなる人より劣りはしないと信じる。
◆ぼくは子どもの能力を次のように考えている。
「知能偏差値と努力係数を足したものが、その子のその瞬間および近い将来の力である。」
◆どの人間にも可能性があることを事実の中で示したことがあった。努力した人々の話をしたこともあった。励ます方法も、多くの手立てを考えた。
◆「できない子」ができるようになるという「事実」の提示を見せた。

◆「伸びる子の条件」は、”備わったもの”ではなく”育てるもの”
◆やみくもに努力しても成果が上がらない時、こどもはすぐあきらめがちです。「どうせ、自分はだめなんだ」と思いがちです。
 自信を失った子どもを励まし、前進させていくには、子どもに見通しをもたせてやることが必要になります。

・・・「やればできる」の対極に「できるのにやらない子」がいる。
 「できるのにやらない子」に対して、向山氏の言葉は手厳しい。

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 「何とかなる子」は、持続的に努力することができる子です。
「何とかならない子」は、努力を持続する意思が、極端に弱い子です。例えば、前もって予告した10問の漢字テストをするとします。「何とかなる子」は、このような場合、いつも満点か、それに近い点をとります。あらかじめ練習さえすればできるということはコツコツとやります。
 しかし、「何とかならない子」は、予告してあっても悪い点を取る場合が多いのです。教師や親の注意、励ましなどがあると、時には集中して練習した結果、満点を取ることもありますが、長くは続きません。しばらくすると、元に戻ってしまいます。「やればできる」のだが「続けることができない」わけです。(中略)
 「知能検査」はたいして意味がないと考える人の中に(私もそうであるが)「やればできるのだから、そのうち何とかなる」と、一般的な励ましを与えてすませている人を多く見かけます。私は「記憶力や理解力」は劣っていてもよいが、「持続力」を育てていくことは大切なことであると思っています。
 「知能検査がよい」ということはたいした才能ではないですが、それとは別の「やることをやれる」「続けてやれる」ということは必要な才能であると考えています。そして、この才能は先天的なものではなく、生活の中で獲得されるものであり、それを獲得させる過程こそ、教育(学校・家庭)の大切な内容であると思っています。
 「向山式『勉強のコツ」がよくわかる本」PHP 1999年 P40/41)
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 「努力」「コツコツやる力」「やることをやる力」「続ける力」は、ご承知の通り、非認知能力だ。
 この非認知能力の重要性についても、向山氏はとっくに述べている。

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 さて、人間の能力とか実力には、「テストによって測ることのできるもの」と「できないもの」があります。
 どちらが大切かというと、実は両方たいせつなのです。
 しかし、どちらか一つだけということになると、私は「テストによって測ることのできないもの」を選びます。
 それは、テストが悪くても、「テストによって測ることのできない力」を持った子なら、それをいつかは克服することが可能だからです。
 事実、小学生のときはテストの点が悪くても、あとになって伸びていった子は大勢います。
(中略)
 では、「テストによって測ることのできない力」とは何なのか。
 それこそが体験なのです。
 体験することによって、身についていく能力です。
 たとえば、目的を達成するまで工夫する力です。さまざまな人間関係の中で、我慢しなければならないこともあるという体験です。あるいは、自分でやろうとしたことが達成できたときの喜びであり、思うようにならなかったときの悔しさです。
 このような力は、テストによっては身につきません。一つ一つの体験の中で、身につけていくものなのです。
 「どんな子だって勉強できる子になれる!」2000年PHP P32~34)
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 ドウエックの本も分かりやすいが、向山氏の著作もすごい。
 脳科学や認知科学の本も読んでいると、向山先生の指摘(経験的な考察)と重なることが多い。


 「向山氏の著作に戻って学び直す」

ことが、今夏の自分の課題である。

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