この夏のニュース レーザー核融合
オリンピックとポケモンGO以外のこの夏のニュース。
7月27日の経済欄に掲載された「レーザー核融合」。
大半は分かっていないのだが、なんだかすごい技術が進んでいるという印象をもった。
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《経済》 レーザー核融合 新技術 実用化へ前進
光産業創成大学院大(浜松市西区)や浜松ホトニクス、トヨタ自動車などの研究チームは二十六日、核融合で使う燃料を効率よく加熱するレーザー照射法を開発したと発表した。燃料の左右にレーザーを当てて加熱し、核融合を起こしてエネルギーを発生させる方法で、研究チームは二〇二〇年をめどに産業分野などへの応用を目指している。
レーザー核融合は、強力なレーザーを使って核融合を起こす技術。重水素やトリチウムを凍らせた燃料にレーザーを当てると、原子核同士が融合して別の原子や中性子ができ、その際にエネルギーが生じる。エネルギーを活用した発電などを目指し、各国で研究が行われている。
通常は燃料に一方向からレーザーを当てて加熱するが、研究チームは二方向から照射する方法を採用。直径五百マイクロメートル(マイクロ=百万分の一)の球状の模擬燃料の左右から、強弱の異なるレーザーを三段階に分けて当てて加熱し、核融合反応を起こすことに成功した。
この方法では、小型のレーザー装置で核融合を起こせるメリットもある。光産業創成大学院大の森芳孝准教授は「今後はレーザーの大出力化に取り組み、レーザー核融合の実用化を目指したい」と話す。核融合の際に出る中性子を活用して車載電池の内部を検査するなど、産業や医療分野での応用を想定している。
研究チームは光産業創成大学院大や浜ホト、トヨタ自動車のほか、名古屋大未来社会創造機構、米国ネバダ大など計八機関の十九人でつくる。今回の成果は米国物理学会誌「フィジカル・レビュー・レターズ」の電子版に二十八日付で掲載し、十月に国際原子力機関(IAEA)が京都で開く会議でも発表する。
(西山輝一)
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20160727/CK2016072702000105.html
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浜松ホトニクスのHP 2016/07/26
学校法人 光産業創成大学院大学・ 浜松ホトニクス株式会社
光産業創成大学院大学(浜松市西区、学長 加藤義章)、トヨタ自動車株式会社(本社 豊田市、代表取締役社長 豊田章男)、浜松ホトニクス株式会社(本社 浜松市中区、代表取締役社長 晝馬明)らは、核融合燃料に対向して設置したレーザーから強度を変えて3段階で対向2ビーム(計6ビーム)照射することで、効率の良い核融合燃料の新たな加熱機構を発見しました。
これは、大型のレーザー核融合施設と比較してレーザー本数が少なくコンパクトな装置でも核融合燃料を圧縮でき、十分に加熱、発光可能なことを示したものであり、将来のレーザー核融合実用化に向けて前進しました。
本研究成果は、7月28日(木)付け米国物理学会誌「Physical Review Letters(フィジカル・レビュー・レターズ)」の電子版に掲載される予定です。また、10月17日(月)から6日間、国際原子力機関(IAEA)が京都で主催する「第26回 IAEA核融合エネルギー会議」で本研究成果を発表する予定です。
なお、本研究チームは、光産業創成大学院大学、トヨタ自動車株式会社 先端材料技術部、浜松ホトニクス株式会社 中央研究所、株式会社豊田中央研究所、名古屋大学未来社会創造機構、公益財団法人 レーザー技術総合研究所、米国ネバダ大学リノ校、国立研究開発法人 産業技術総合研究所の8研究機関19名の研究者で構成されています。
http://www.hamamatsu.com/jp/ja/news/development/20160726000000.html
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「核分裂」でなく「核融合」。
「開発」でなく「発見」。
核融合の子供向けサイトを確認しても、分かった気になるだけで、正確なところは理解できない。
http://www.nifs.ac.jp/ene/qa/qa_02.html
核分裂反応を利用した原子力エネルギー原発の代替として、水素を原料にする核融合エネルギーも話題になったが、核融合は核融合で管理が難しく安全性が問われていると読んだことがある。
とはいえ、このニュースが目に止まったのは、「浜松ホトニクス」が含まれていたからだ。
「ノーベル賞”御用達!光の技術を極める超絶企業」と呼ばれる企業。
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20131212.html
「天野さんがノーベル賞を受賞した原点」ということで、かつてダイアリーにも書いたことがある。
◆ノーベル物理学賞受賞者の天野浩さんは浜松市出身。
天野さんは子どもの頃から、浜松出身の「高柳健太郎氏」のことを教えられてきたそうだ。
高柳健太郎と言えば、世界初のブラウン管式テレビの開発者である。
その高柳の教え子には浜松ホトニクスの創業者・堀内平八郎、松下電器製作所の久野古夫などがいる。
浜松ホトニクスと言えば、2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんがニュートリノを観測した「カミオカンデ」の会社でもある。
・・・日本最先端にについて、しっかりアンテナを張っていたい
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