今すぐやる! ~何のために「学ぶ」のか~
if-thenプラン(条件型計画)について、「マシュマロ・テスト」や「モチベーション3.0」などに記載がある。
あらかじめ○○になったら△△をすると決めておくことで、行動を自動化しようとするものだ。
◆実生活でも「イフ・ゼン」実行プランの助けを借りることで、大人も子どももこれまで、想像していた以上にうまく自分の行動をコントロールできた。こうしたプランを十分練習しておけば、そのプランと結びついている刺激によって自制反応が自動的に起こるようになる
(「もし冷蔵庫に近づいたら、そのときにはドアを開けない」
「もし酒場が見えたら、そのときには通りの反対側を渡る」
「もし午前七時に目覚ましが鳴ったら、そのときのはジムに行く」。)
リハーサルをすればするほど、実行プランが自動的に実行できるようになり、コントロールするのに前ほど苦労しなくても済む。
(「マシュマロ・テスト」P284)
◆ゴルヴィツアーはこのような計画を作ることを「実行意図の形成」という専門用語で表現しています。わかりやすく考えれば、これは「もし~であれば、~をする」という、「if-then」式の計画だと言えます。これを「条件型計画」と呼びます。
(中略)
「if」の条件が生じると、次に取るべき行動が、はっきりと自覚することなく、自動的に生じるのです。つまり、脳は次に何をすべきかわかっています。計画によってすでに何をするかは明確だからです。
(「やってのける」P187・190)
しかし、茂木健一郎氏がイフ・ゼン計画を否定する文章に出会った。
◆「何時になったら勉強しよう」「このドラマが終わったら勉強しよう」などと言い訳をしている人がいる。ハッキリいって、それは甘い。
勉強しようと思ったら一秒後にもうトップスピードで集中する。この「瞬間勉強法」が大切。
(「何のために『学ぶ』のか」ちくまプリマ―新書 P114)
つまり、今すぐできるのに「ドラマが終わったらやると決めてあったのだから、その時間まで待とう」などと自分をごまかすために「if-then」を使う場合があるということだ。
なるほど、今すぐ起きればいいのに「目覚ましが鳴るまで待とう」などと思うことがある。
「if―then」よりは「今すぐやる」の方が、強い!
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