マイクロソフトのAII開発原則
11/29付日本経済新聞 朝刊に「米マイクロソフトCEOに聞く」という記事があった。
◆人間中心のAIめざす 「代替」より「能力拡張」◆
という見出しで、特に注目したのは、AI開発原則の表であった。
とりわけ、「人間に求められるもの」については、意義深いと思った。
人間にしかできない能力にさらに磨きをかけることでしか、AI時代を生きられない。
そのヒントが書いてある。
【人間に求められるもの】
〇共感力
他者に共感する力をAIが身につけるのは極めて難しい。
だからこそ、AIと人間が共生する社会において価値を持つ。
〇教育
AIの普及には必要な知識とスキルを兼ね備えた人材の育成が欠かせない。
〇創造力
AIは人間の創造力をより豊かにし、拡張するが、創造力そのものは人間だれもが望む能力であり、それはこれからも変わらない。
〇結果に対する責任
様々な分野ではAIの判断を受け入れることはあっても、その結果に対する最終的な責任は人間が負う。
なお、インタビュー記事の一部は以下の通り。
知らないことが多すぎて、自分の考察など入れられない。
引用ばかりですが、日経新聞さんには、どうかご理解いただきたい。
①AIはパソコンや携帯電話、インターネットに匹敵する『ネクスト・ビッグ・シング』だ。
すべての人々、あらゆる産業を大きく変える力がある。
だが、社内には技術や応用例に関する資料はあっても、AIをどうとらえるべきかといった高い次元で書かれたものがなかった。
②「AIの研究者は人間の『置き換え』を目指すのか、それとも『能力の拡張』を目指すのかを選択しなければならない。
我々は後者にすべてを懸ける。能力を拡張するといっても、あらゆるシステムを動かすのにいちいち人間が関わるという意味ではない。
自律型のシステムは今後ますます増えていく。人間の幸福とは何かを考え、その増進に役立つ『人間中心』の発想を核に設計するという意味だ」
③「ある仕事が機械に置き換わり、コストが削減された場合、そこには余剰が生まれる。
一つの解決策はその余剰に課税し、最低収入保障として再配分する方法がある。
一方で、新たに生まれる仕事や、機械には簡単には置き換えられない仕事もある。
医療の世界でいえば、“医師”の仕事は自動化できたとしても、看護師や介護福祉士などは人が足りない。
AIが普及した社会で一番希少になるのは、他者に共感する力を持つ人間だ」
④「いつの時代も、新技術が登場すると雇用への影響が議論されてきた。
今回は2つの点でこれまでと違う。
一つは対象がホワイトカラーであること。
もう一つは変化が次の世代ではなく、いまの世代が現役の間に起きることだ。
どの国も企業も抽象論ではない雇用対策や職業訓練の議論を今から始める必要がある」
⑤ ――AIのリスクを強調するほど一般人の恐怖心は増幅します。AIはやはり潜在的に危険な技術なのですか。
「そうではない。こういう話を声高にするのは、我々の技術が使われる場所や場面が昔に比べて格段に増えたからだ。
以前は一家に1台あるパソコンぐらいだったが、今は自動車の安全にも自分の健康にも学校を卒業できるかにも我々の技術が関わっている。
ITが主流になり責任も増えたからこそ早め早めに考えておこうということだ」
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