やる気をうばう秘訣
昨晩読んだ「行動経済学」の本は、示唆に富んでいた(全部読んでません)。
「不合理だからすべてがうまくいく」ダン・アリエリー (早川書房)
◆何かをするのが好きな人たちを集めて、意味のある仕事条件に置けば、仕事をすることの喜びに駆り立てられて、自ら進んで労力を費やすだろう。ところが、仕事に同じだけの情熱や意欲をもっていても、意味のない仕事条件に置かれると、仕事から得られるはずの本源的な喜びが、いとも簡単に失われることがあるのだ。
(中略)仕事の喜びをやる気に変えられるかどうかは、自分の仕事にどれだけ意味を見いだせるかに、大きくかかっているようだ。(P101~102)。
・・・高額の報酬よりも、仕事の達成感・社会への貢献度・他者からの承認度が大事だと「行動経済学」は説いている。
「激励の原則」がいかに大事かがよく分かる。
すると、次第に、子どもの学習意欲と重ねて読めてきた(P105)。
◆この実験からわかったことがある。仕事から意味を奪うのは、驚くほど簡単なことなのだ。あなたが管理職で、なんとしても部下のやる気をなくしたいのなら、部下が見ているその目の前で、かれらの労作を粉砕すればいい。もうちょっとさりげなくやるなら、部下を無視したり、がんばっている様子に気付かないふりをするだけでいい。逆に、同僚や部下のやる気を高めたいなら、かれらに気を配り、がんばりや骨折りの成果に関心を払うことだ。
・・・多くのクラスで音読カードやドリルの宿題が課されている。
担任は朝から積み上げられた連絡帳や宿題点検に忙殺される。
本当は1人1人のノートを丁寧にみてあげるとよいのだが、チェックカードや宿題ノートは「めくら印」になり、がんばりが適切に評価されないケースが多い。
まちがえた漢字が書かれているのに適当に花マルをつけて返すようでは、保護者も落胆してしまう。
授業で書かせた原稿用紙の作文や、ミニテストを返却せずに貯め込んでいる教師がいるのも事実なのだ。
子どもの労作を粉砕し、がんばっている姿を適切に励ましてあげられなければ、子どもは担任から離れていく。
子どもの努力を見てあげていないから、学習の意欲が失われ、学級への魅力(存在意義)が失われていく。
今日、ネットでたまたま目にしたマザーテレサの言葉。
これも、モチベーションの意義を強く示している。
◆この世で最大の不幸は、 戦争や貧困などでは ありません。
人から見放され、「自分は誰からも必要とされていない」と感じる事なのです。
◆わたしたちの最大の敵は無関心です。
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