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February 25, 2017

「セレトニン5」=「幸運を引き寄せる法則」

1)中野信子氏「日本人は、脳科学的に英語が下手」

 「英語学習とセレトニンと自己肯定感」について、1か月ほど前に書いた。

中野信子氏のインタビュー記事(日経グローバルゲート)、とても参考になった。

◆もし外国人の方が日本人より語学の学習能力が上回るとしたら、それは「失敗を恐れない」ということではないでしょうか。
4人の外国人を取材されて、「失敗しても恥ずかしいと思わない」、という共通点が見えたことは、その大きな裏付けにもなりますよね。日本人は、失敗に対する恐怖心や不安感が大きい民族なので、「間違った英語を話しては恥ずかしい」と思い、なかなか話さず、語学が上達しない。これはある意味、「脳科学的に仕方ないこと」といえます。

◆脳内には「セロトニン」という神経伝達物質があって、これが十分にあると、安心感を覚え、やる気も出ます。このセロトニンの量を調節しているのが、セロトニントランスポーターというたんぱく質。神経線維の末端から出たセロトニンを再び細胞内に取り込む役割を担っています。この数が多いと、セロトニンをたくさん使い回せるので、気持ちが安定し、安心感が持てます。逆に少ないと不安傾向が高まります。日本人は、このセロトニントランスポーターの数が少ない人の割合が世界で一番多い。つまり世界一、不安になりやすい民族なんです。

◆語学習得はトライ&エラーなので、失敗を恐れる人には、正直いって不利な科目かもしれないですね。できるだけ、失敗しても心の痛みを感じにくい環境を工夫して作り、積極的に話せる機会を持つことが最善の方法だと思います。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/111700052/112500005/?rt=nocnt
・・・この記載を読んだとき、まずは「緊張・不安」心配」を受け入れようと考えた。
 日本人は、みんな「緊張・不安・心配」が強いのだと思えば、自分だけ卑屈になることもないからだ。


(2)「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」(ケリー・マクゴニガル 大和書房)

 「不安。緊張・心配」は決して悪いことばかりではない。
 適度な緊張がないとパフォーマンスは上がらない。「心拍数が上がる」と脳や体内に血液が大量に送りこまれるので、プラスの効果もある。
 「緊張・不安・緊張」として括っていたものを、マクゴニガル氏の著書では「ストレス」で括っていた。
 
◆ストレスを避けるのではなく、受け入れてうまく付き合っていくことで レジリエンスが身につく。 「思い込み」を変えることで「身体の反応」を変え、「選択」までも変えてしまう一生役立つ実践的ガイドブック

・・・マクゴニガル氏もストレスを「力に変える」ものとしてプラスに考えていた。
 それは「マインドセット=心の持ちよう」とも呼ばれ、「リフレーミング」「ポジテイブシンキング」とも重なる発想であった。

 日本人は昔も今も不安や緊張を持ちやすく失敗を恐れやすい.
 だからこそ、このプラスの発想転換が必要である。


(3)『「しなやか脳」でストレスを消す技術」(篠原菊紀 幻冬舎)


 ここにも、不安遺伝子に関する記載があった。

◆そもそもわたしたち日本人の多くは、不安を感じやすい遺伝子を持っています。社会的な脅威に対して過剰な反応をしてしまったり、ついついネガティブにものごyとをとらえがちだったり。
 心の安定に強くかかわる脳内物質にセレトニンがあります。こセレトニンに関係する遺伝子に「5-HTTLPRのSタイプ」があり、これがその「不安遺伝子」です。セレトニンを再利用するための穴を作るのに5-HTTLPRがかかわるのですが、このSタイプを持つと穴の数が少なくなり、セレトニンが再利用されにくくなり不足しやすくなります。すると心の安定が得られにくく、先々を心配しがちになるというのです。
 このSタイプ、遺伝子は対なので、ふたつ持つ人、ひとつ持つ人、ひとつも持たない人がいるわけですが、デルブリュックらによればアメリカ白人でふたつ持つひとは40.4%、アメリカ黒人では24.5%。しかし、日本人では73.3%がふたつ持っています。ひとつ以上ならなんと98%。そんなわけで、日本人の大多数はそもそも不安をン抱えやすい可能性が高い。ネガティブにものごとをとらえやすいのです。(P15)

(4)『脳からストレスをスッキリ消す事典」(有田秀穂著 PHP) 

 ここでは、ストレスを解消する「セレトニン」の重要性が強調されていた。

◆セレトニントレーニングで、ストレスはコントロールできる。
◆セレトニン生活で毎日が変わる!
 ・些細なことに動揺しなくなる。
 ・頭が冴えて仕事・勉強がぐんぐんはかどる。
 ・物に頼らなくても心が落ち着き、浪費が減る。など

 また、「ストレスを活かしてメリットを得られる人」の具体例も示してある。

・集中力が高まり、仕事や勉強の効率が上がる。スポーツでは、最高のパフォーマンスができる。
・やる気が引き出され、志望校合格やプレゼンテーション成功など、目標達成の原動力になる。
・営業成績のアップなどで期待以上の快感を得ると、さらなる意欲につながる。
・外からの刺激が新たな興味を引き起こし、生きる楽しみにつながる。など

 ストレスの効用、セレトニンの働きの重要さを、子どもにも分かりやすく教えていきたい。それが自信回復やチャレンジ精神の高揚につながるからだ。

(5)「運のいい人、悪い人―運を鍛える四つの法則」(リチャードワイズマン 角川文庫)

 TOSSでは、「セロトニン5」と呼ばれる子どもを安心させる5つの手立て(対応術)が提唱されてきた。

①見つめる
②ほほ笑む
③話しかける 
④ほめる 
⑤触れる

 教師の心得として示された「セレトニン5」だが、別の見方もできる。
 ワイズマンの主張を読むと、「運のいい人」=「セレトニン分泌を促す対応ができる人」と言えそうだからだ。

◆運のいい人の身ぶりや表情は周囲の人を自分のほうに引き寄せるから、それだけたくさんの人と出会うことになり、偶然の出会いの確率も高くなる。
◆運のいい人は、笑った回数やアイコンタクトの回数が多く、他者を受け入れる開いた身振りが顕著だった。
◆運がいい人たちは、好奇心が旺盛で、外向的で人づきあいがよく、人とのネットワークを広げることに積極的である。

 どれも「セレトニン5」と重なるではないか。
 
 自分のセロトニン分泌を促せる人は、自信に満ち、積極的に行動できる。些細なことに動揺しない。だからチャンスが巡ってくる。
 他者のセレトニン分泌を促せる人は、安心感を抱かせ、相手を引き寄せ、信頼もされやすい。だからチャンスが巡ってくる。

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February 19, 2017

運を引き寄せる生き方を目指す

 「運のいい人、悪い人―運を鍛える四つの法則」リチャード・ワイズマンは面白かった。
 特に、自称「運のいい人」と自称「運の悪い人」との比較実験が印象的だった。

 自称「運のいい人」は、あらかじめ店先に落としておいたお金に気づき、喫茶店に入れば、隣に座った実業家と話が弾む。そして「今日は2つもいいことがあった」と振り返る。
 自称「運の悪い人」は、落としてあったお金に気づかないし、喫茶店に入っても誰にも話しかけない。そして「今日は何もいいことがなかった」と振り返る。

 運がいい人たちは、好奇心が旺盛で、外向的で人づきあいがよく、人とのネットワークを広げることに積極的であると言う。
 また「運の悪い人たち」と比べて笑う回数やアイコンタクトの回数が多かったともあるが、そのような特性があるからこそ、話しかけた相手との会話が弾むのだ。

 リラックスしていれば予想外のチャンスに気付きやすい。
 外向性があれば多くの人に自分から話しかけて周囲を引き寄せ、知り合った人と長く付き合える。
 開放性があれば新しい経験を次々に受け入れることができる。

 この本を読んだだけで「できることからやってみようかな」という気になる分かりやすい1冊だ。

 この書物からの学びをまとめたサイトも参考になった。
http://plusact.me/blog/post-1578/
 
 もしも、イベントやパーティーなどに出席した時は、まずあなたが楽しく話せる人を見つけましょう。
 自分が相手に関心を持つ事によって、その人が私に魅力を感じることでしょう。
 外に出て誰かと会うという事だけで、素晴らしい出来事や人と巡り会う確率が高くなります。
 もしもあなたが家の中にいて、誰にも会うこともなければ、決してあなたに幸運がやってくることはないでしょう。

・・・自分から話しかけて、相手も応じるから、会話のキャッチボ―ルが成立する。自分からボールを投げずに、相手からのボールを待つようでは何も始まらない。「~くれない」と周囲に不満を言うだけの人には幸運は巡ってこないのだ。

 「チャンスは待つものでなく、つかむもの」
 
というマインドセット(心のありよう)が人生を変えるのだということがよく分かる。

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働き方改革は「時短感覚」から

 2月17日(金)の中日新聞に「クルマ革命」の特集記事が掲載された。
 中でも後半の「自動運転の衝撃 開発スピード段違い」と題した箇所は圧巻だった。

◆これまでの自動車業界は技術をこつこつ積み重ね、改良を加えていく「擦り合わせ型」。トヨタは水素と酸素から起こす電気で走り、水しか排出しない画期的な燃料電池車「ミライ」の開発に二十二年かけた。だがIT業界は、例えば一年半の間に同じコストで情報処理能力が二倍に進化する世界。自動運転の開発でも運転支援のレベルから段階的に進もうとする自動車メーカーに対し、IT勢は一足飛びに完全な自動運転を目指すイメージだ。

 AI開発を進めるトヨタの坂井克弘(43)も、スピード感の違いに戸惑った一人だ。昨年六月から自動車産業発祥の地・米ミシガン州の「トヨタ・リサーチ・インスティテュート」でIT転職組と机を並べる。会議時間はトヨタ時代の三分の一。会議資料もパソコン上で仲間と意見交換しながら作る。「とにかく時間を効率的に使う。フットワークも軽い」

 完全な自動運転による究極の「ぶつからないクルマ」が実現すれば、車体の強度や安全装置をはじめ自動車メーカーが培ってきた技術の蓄積は、不要になりかねない。グーグルが実用化のめどとする二〇二〇年まで三年を切った。日産のゴーンは今後十年の自動車産業を、こう予測する。「過去半世紀で起きた以上に変化する」
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2017021702000095.html

・・・スピード感の違いは、自分たちも十分感じている。
20年前は、サークル通信などによって情報交換がされた。印刷から郵送までは、時には1週間を要したが、現在は瞬時に発信できる。。
教材研究も、書籍中心からネット中心になって、資料収集の時間、資料作成の時間は格段に早くなった。

現在は、瞬時に情報伝達できる。そのスピードの違いは圧倒的で、そのような「時代感覚」=「時短感覚」をしっかり自覚し、活用していける子どもを育てていかないと世界とは競合できない。

 16日のラジオ番組「ボイス」で上念司氏が、「仕事の遅い人が残業手当をもらい、仕事の早い人が手当てをもらえないおかしい。これからは仕事の速い人に対価が支払われるべきだ」と主張していて、なるほどと思った。
 そして、その根本の原因は、学校教育にあると言われた。

 「なぜ学校の掃除時間は決められているのか。与えられた仕事を終えたら終わればいいではないか。早く終わったらできる仕事を見つけなさいというやり方では、効率的に仕事を終えようという意識を育てられない」

というような意見で、これもなるほどと思った。
 時間感覚の改善は、社会の在り方・仕事の在り方を変えていく。
 子供に「時短感覚」を教えることは教師の務めである。
 子供の「時短感覚」を鍛えることは、国家戦略の最先端を担う仕事でもある。その責任は重い。

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February 04, 2017

「不意打ち」の魅力

November 11, 2016 「偶有性」の概念 の続き。

 過日、林修さんは、辞書は引くものでなく、いろいろ眺めるもの、一語一語調べる電子辞書ではそれができない、とテレビで話していた(文責は私)。
 書店で本を買う楽しさも、ついでにいろんな本を見ることにある。ネットで指名買いすると、余分な情報が入ってこないデメリットがあったが、最近のアマゾンが関連書籍が出るから、書店でたまたま見かける書籍の情報量よりもすごいかも。
 レンタルビデオのサービスがあっても、テレビでは映画を放映する。借りてまで見たくないけど、放映されるなら見るか、といった心境だが、何となく見ていて意外に面白くて得したと思うこともある。

 昨日2月3日(金)の中日新聞夕刊に、「『不意打ち』の魅力」という小見出しの文章があった。

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ネットが普及し、それぞれが好きな曲をダウンロードして聴ける時代だが、恩蔵氏は「純粋な音楽の楽しみ方としては、それでいいのかもしれないけど、ラジオだと不意打ち的に素晴らしい曲が流れることがあるでしょ。『こんないい曲があったのか」「昔、彼女に振られたときに聴いたな』と、予想外の感動に出合える」と話す。
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 いわゆる「偶有性」。
 人には安定を好む気持ちとハプニングやサプライズを好む気持ちがある。
 刺激のない毎日は安定するが、退屈になる。
 予想外の出来事は不安を生じさせるが、その不安がまた日々の楽しさになる。

 「不意打ち」の魅力に出会うためには、マンネリの生活から一歩踏み出さないといけない。いつもと違う店に行ってみる。知らないことをやってみる・・・。
 踏み出す勇気・自分を変える勇気なんて大袈裟なことではない。
 ちょっとした行動の変化、ちょっとした心のありよう次第なのである。

 さて、職員室でのちょっとした雑談・

 「脳は『安定』も好きだけど、『不安定』も好きなんだって。だから、いつも同じことやっていると「安定」はするけど、飽きてきて、ハプニングやサプライズが欲しくなるんだそうです。いつも同じことばかりしていると、老化が早まりますよ。 人生にはドキドキやワクワクが大事なんですよ。」

「そうか、私は『安定』志向なんだ~」

「自分の心地よいゾーンを『コンフォートゾーン』っていうんだけど、別名は『ぬるま湯」です。快適なゾーンは、「楽」なんですよ。 でも楽ばかりしていると、人間ダメになりますよ」

「そうか、もっと刺激を与えないといけないな~」
「何でも楽をしちゃあダメだね~」

 子供たちにも、このようにストンと納得させたいな~。

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