パソコンでノートを取るとバカになる
やや古い文献になるが、見出しの内容について、パソコンで打ち込みます。
コピーしたままで紛れていたものですが、再活用するにはデジタル化が一番です。
「PREDIDENT」2016.2.29 P68-69 田野俊一 より抜粋 ◆部分が引用文。
◆事実関係では差はないものの、概念理解では、パソコンでメモを取ったグループより、手書きでメモをとったグループのほうが、点数が高くなりました。
とあり、その原因について
◆メモの中身を分析すると、パソコンのグループは講演の内容をすべて記録億するかのように、逐語的にメモをとる傾向が見られました。一方、手書きのグループはすべての言葉を書き取るのが難しいからか、発言を要約しながらメモをとっていました
とある。
要約するのに思考した分だけ、概念理解が促されされ、エピソード記憶が働いたのかというのは私の解釈。
実際には
◆パソコンを使うと手書きよりもメモをとれるが、そのせいで頭の中で行う情報処理が浅くなり、学習効果が低下する恐れがある
と記されている。
パソコンの方がメモを取りながら別のことを考えたりして集中していないこともあるのかなというのが、私の解釈。
人間の認知モードは二種類あると言う。
、
①「体験的認知」・・何か起きたら後先考えずに反応する動物の一般的な行動原理
②「内省的認知」・・「将来いい学校へ入るため勉強する」のように、想定したゴールに向けて行動するロジカルな知覚
◆知的活動の初期段階においては、情報を収集し、整理してまとめ、自分の考えを足していく作業が大事で「内省的モード」が適しています。だからメモをとるときは内省的モードになるのが好ましいのですが、高い集中力が必要で負荷が大きいため決して簡単ではありません。
そして操作そのものに快感がある楽しいパソコンや、バーチャルリアリテイのような豊かな刺激を与えられると、人間は「体験的モード」にはまりこんでしまう。そのためパソコンでノートをとると、理解を深めないまま、言葉を入力する作業に没頭してしまうと考えられます。
・・・ある学校で、4年生の調べ学習の発表をパソコンで入力すると聞いて驚いたことがある。
ローマ字入力を習熟させるという意味はわかるが、調べ学習のレポートなどは、アナログでやった方が時間的に無駄がないと私は思う。
「内省的モード」という観点でも、アナログ発表の意義はあるのだということだ。
今こうしてデジタル入力をしているが、最近になって手書きのメモも多く取るようになった。
とりあえず思いついたことをメモ書き・なぐり書きをしておくことは、最初からていねいにレイアウトしてワープロ作成するよりも、ブレーンストーミングとしては望ましい。
ブレーンストーミングしたい時に、丁寧なノート(ワープロ打ち)を意識するのは「二兎を追うもの一兎も得ず」になってしまう。目的を見失ってはいけないのだ。
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