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March 05, 2017

中学生に必要な、GRIT

 過日、春日井市の国語研究会に参加して、久しぶりに中学校の国語の先生と話をし、担任当時の苦労を思い出した。
 「分からん」と突っ伏してしまう生徒、まじめに取り組んでいるのに成果が上がらない生徒、いずれも「見通しのある努力」の仕方を自分が明確に伝えられなかったから生じた結果だ。

 中学校では、よくも悪くも、「受験に必要か」が大きな基準になっている部分がある。
 文法をどこまで教えるか、漢字をどこまで教えるかなど、常に「受験に影響するか」を意識して、授業内容に強弱をつけている。

 愛知県の公立高校受検で出題される文法問題や漢字の書き取りは、1・2問。その1・2問が大きいと言えば大きいのだが、勉強時間との費用対効果を考えたら「捨てる」という生徒がいるのも現実だ。
 そもそも国語の受験勉強自体が、費用対効果を考えて「捨てる」という生徒がいる。
 勉強しなくたってある程度の点数は取れるし、他教科の難しい文章を大量に素速く読むことが、国語の訓練につながると考えることもできる。
 暗記科目や習熟科目に時間を費やした方が成果を上げやすい。

 しかし、だからと言って、国語の授業を軽んじる生徒を容認するわけではない。
 受験の制約があろうとなかろうと、魅力ある授業をきちんと成立させ、生徒を引き付ける努力が教師には必要で、できるなら「授業を受けるだけでも十分に受験の力をつけてやる」と言い切れる授業を展開したいと無謀ながら考えてきた。また、それが無理でも、そのような気概だけは持っていたいと考えてきた。

 さて、言語系という意味では、英語も古典も現代国語も同じで

◆どのくらい分からない単語があったらあきらめるか。

という「ねばり強さ・やりぬく力」が問われている。

 分からない単語が多いからあきらめるのか、分からない単語の意味を類推して粘り強くチャレンジするのか。
 むろん、分からない単語が減るように努力する姿勢も大事だが、分からない単語が多くても果敢にチャレンジする姿勢も大事である。

 それは、おそらくどの教科でも、どんな生活場面でも同じだろう。
 だからこそ、GRITに代表される非認知能力の育成が重要なのだ。
 「わからん・できん」とすぐに投げ出しがちな中学生に身につけさせたい重要な要素がGRITなのだとつくづく思った。

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