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April 09, 2017

平成29年4月16日(日)TOSS教え方セミナー春日井会場を開催します!

 「教師力」の2つの要素について、向山氏は次のように述べています。

◆「教師の力」とは何か? 二つある。
 一つは、授業を知的に楽しくできる力である。子どもたちがみんな熱中して、「先生、今日の勉強面白かったよ」という授業を毎時間やれば、荒れることはない。(中略)
 もう一つは、子どもを統率する力量である。子どものガキ大将になり、みんなをまとめて動かしていける力である。どちらも必要だ。
              
◆「子どもの気持をよく聞いて」「子どもを大切にして」「子どもを叱らないで」「子供の意見をとりあげて」
どれも、これも美しい言葉だ。正しい方針だ。
しかし、「教師がやるべきこと」をしっかりふまえないで、このように行動する教室は1カ月で騒然となる。
 
  TOSSMEDIA 教え方のプロ「向山洋一」選集
  最初の3日で学級を組織する①②より
 
・・・授業のリズムとテンポ・こまやかな教師の対応は本を読んだだけでは分かりませんし、ほかの先生の授業を参観する機会もなかなかありません。
 教え方セミナーでは、主に若手の先生を対象に、子どもに分かりやすい授業のコツや学級経営の基礎基本を模擬授業の形でお伝えしています。
 若手の先生、若手を指導する立場のベテランの先生、教育実習を控えた学生の皆さん、ぜひご参加ください。
 また、中学校から小学校に異動した先生にも、もってこいだと思います。

 45分の授業を組み立てるのは大変です。しかも、せっかく授業の準備をしても1時間の授業を終えたら、また次の授業の準備が待ってます。
 授業のパーツを知っておくと、毎回の授業に使えます。
 パーツを使いこなすと授業も安定します。
 5分程度で切り替えると、子どもの授業への集中も続きます。
 また、5分程度で語れるエピソードを持っていると、朝の会や帰りの会、授業中のちょっとした時間、道徳授業の説話などに活かせます。

1 日 時 平成29年4月16日(日曜)
  午前10時00分~12時30分(午前9時30分受付)    
2 会 場 :高蔵寺ふれあいセンター(JR高蔵寺駅より徒歩5分・駐車場有り)
3 資料代 :1000円(学生500円)
4 主 催 :TOSS春日井                       
5 後 援 :春日井市教育委員会                     

6 予定講座
(1)フラッシュカード
 教科書がなくても大丈夫。自分に自信が持てない子も、先生の言う通り・みんなの言う通りに真似をして声を出すだけで学習効果が表れます。
 みんなでカードに集中して声をそろえることで、学級の連帯感も生まれます。フラッシュカードを持っていない方・素早くカードをめくれない方のために、PC上のフラッシュカードも紹介します。

(2)音読のバリエーション

 音読にもさまざまな方法があり、ただ子どもに読ませる・音読カードの宿題を出すだけでは、子どもに読みの力がつきません。
 読みに自信のない子を救う基本は、教師が模範を示す「範読・追い読み」の徹底です。また「指名なし音読」に慣れると、指名なし発表・指名なし討論へとつながっていきます。

(3)暗唱
 楽しく読ませたら、暗唱まで取り組ませると、「やればできる」という達成感を与えることができます。できるかできないかテストする緊張感も、授業を楽しむ大切な要素です。

(4)ミニ討論(アクテイブラーニング)
 じっくり読ませ、暗唱できるほどに内容理解を深めておけば、言葉を根拠にした意見が言えるようになります。話し合い活動(ミニ討論)が盛り上がれば、自分の意見を言うことの楽しさ・人の意見との違いを比べる楽しさを味わえます。

(5)漢字練習
 教師の言うことをよく聞く時期だからこそ、少々面倒な漢字習得のルーテイーンも守られやすいのです。先生の言う通りにやってみたら漢字が覚えやすいという体験を積めば、漢字習得のシステムが身についてきます。

(6)五色百人一首
 五色百人一首を知らない人にとって百人一首は、100枚をばらして大勢で取り合う「チラシ」と呼ばれるゲームです。五色百人一首は、10枚ずつを並べて向かい合った2人が対戦する「源平型」です。5分もあれば勝敗が決まるので、どんなすき間時間にも実施可能です。

(7)百玉そろばん
 教科書がなくても大丈夫。自分に自信が持てない子も、先生の言う通り・みんなの言う通りに真似をして声を出すだけで数概念を定着させる効果が表れます。みんなでそろばんの音に集中してテンポよく声をそろえることで、学級の連帯感も生まれます。
 百玉そろばんフラッシュカードを持っていない方・素早くカードをめくれない方のために、PC上のフラッシュカードも紹介します。

(8)算数ノート指導
 どの子にも身につけさせたい「ていねいさ」。これも、教師の言うことをよく聞く時期だからこそ、少々面倒なノート作成のルールも守られやすいです。先生の言う通りにノートを書いたら見やすくて見直しやすくてミスが少なくなったという体験を積めば、算数の授業がますます好きになるはずです。分かりやすい授業とノート指導は一体です。

(9)解の多い算数の問題
 「算数は正解が1つだから好き」という子もいますが、算数は解が1つだとは限りません。また答えは1つでも解き方は複数と言う場合もあります。答えを1つに絞る「収束型」の授業と同じように、多様な答え・多様な解き方を促す「拡散型」の授業を取り入れると、授業への熱中度が違ってきます。

(10)5分で語るミニ道徳
 教師の長話は、成果が上がらないことがあります。5分程度で語る人物エピソードや最先端の話は子どもの印象に残ります。
 道徳の最後の説話、朝の帰りや帰りの会の先生の話、すきま時間のおしゃべりなど、5分の語りのストックがあると、子どもは先生の「お話しタイム」が大好きになります。

(11)QA
 Qが出なければ、よく話題になるQを事前に用意して解説します。
※TOSSランドとは? おすすめのコンテンツは?
※効率的に仕事を進める秘訣は?
※係活動・当番活動の仕組み方は?
※子供をほめる秘訣は?
※赤鉛筆指導とは?
※「時間に追われて教材研究が不十分・疲労困憊」では、いい授業はできません。てきぱきと仕事を片付ける仕事術・整理術・時間管理術をお伝えできればと思っています。
  

 なお、セミナーの申し込み先と当日日程の詳細(最新情報)は、SENSEIPORTALからもご覧いただけますので、ぜひご活用ください。

https://senseiportal.com/events/40819?mid=weeklyfri&mlid=3277100

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台形の求め方は、既習の知識を総動員する。


 今となっては古い話題だが、現行学習指導要領の改訂にあたっては、台形の求積の公式を教えないことが話題になった。

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/cs/1321018.htm

〈新学習指導要領をめぐる誤解〉
Q5 新学習指導要領では、台形の面積を求める学習はしなくなるというのは本当でしょうか。

A 新しい学習指導要領においては、全員が共通に学習する内容としては、台形の面積の公式は示していません。
 これは、「正方形、長方形、三角形、平行四辺形の面積の求め方」を身に付ければ、それ以外の台形のような形の面積も、これらの面積の求め方を活用して自分で工夫して求めることができるからです。
 新しい学習指導要領は、まさにこうした自ら考える力を身に付けさせようとするものであり、単に公式を暗記するのはやめようということなのです。
 公式を単にあてはめて計算するだけの学習はなくなりますが、三角形の面積などを組み合わせて自分で工夫して台形の面積の求め方を考えてみようとする学習は行われます。

・・・ただし、今の啓林館の5年の教科書には、公式も明示してあるし、面積も求め方も親切に例示してあって、自分たちで考えさせようと言う意欲を削いでいる。文科省の意図に反したような教科書になっている。

 ところで、上記の文科省の言葉(台形は既習の知識を使って考えさせようというスタンス)は、向山氏の言葉と直結している。

===================
 子ども達は、自分で考え出した満足感と、そして、自分でもできるという自信と、原理まで踏み込んだ理解とを得るのである。公式をまる暗記だけさせる授業はプロの授業ではない。それは、時間もかかり、満足感も充実感もなく、〈優等生〉や〈知っている者〉だけに思い上がりを残してしまうのである。
 『斉藤喜博を追って』P37
===================

 かつて、自分の力で台形を求めさせる授業は、「訓令」型の典型であるとまとめたことがある。

 今の若い先生方は、「号令」型 「命令」型 「訓令」型と言っても分からないかもしれないな・・。

◆「~しなさい」だけの授業が「号令型」。
・・・「ごみを拾いなさい。」

◆趣意を説明し、行動させる授業が「命令」型。
・・・「教室をきれいにします。ごみを拾いなさい。」

◆趣意を説明し、やり方を任せる授業が「訓令」型。
・・・「教室をきれいにしよう。自分でやりたいことをやってごらん。」

 多様な解法を考えさせる授業は、
拡散的思考を促すからすごいともいえるし、
解法を自由に思考させる「訓令」型だからすごいともいえる。

 だから、台形の求め方を五通り以上で~という向山実践にすごく感激し、台形の求め方以外でも、算数以外でも、たくさんの答えを列挙させるような授業、たくさんの方法を考えさせる授業にあこがれてきた。

 若い先生には、ちょっと高望みでハードルが高いかもしれない。
 でも、1つの正解を求め、教え込むだけの授業では、子どもが退屈する。
 「授業が面白い」と実感するには、多様な答え・多様な解法を列挙させる授業は外せない。
 多様な発想を求める授業は、優等生以外が活躍する逆転現象にもつながっていく。思いあがった優等性を謙虚にさせるためにも大切なのである。

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April 02, 2017

「褒める」のバリエーション

 ほめることの効用は分かるとしても、ワンパターンのほめ言葉では子どもには響かない。
「はやい」「すごい」「よし」「えらいなあ」「さすが」などがすぐに浮かび、サ行で並べてみたりしてみたが、圧倒的に足りない。

「さ」・・さすがだなあ。
「し」・・知らなかったなあ。
「す」・・すごい・すばらしい。
「せ」・・先生みたいだ。
「そ」・・そうなんだ。そういうことか。

 いつ・どこで・だれを・どんな観点でというように分類化して、自分の褒め言葉をリストアップしてみたいと思っていた。
 
 学校に送られた「英語情報 2017冬号(日本英語検定協会)」に「CLASSROOM ENGLISH!!!」の連載があり、大木優喜子氏がほめ言葉を紹介している。
 ただの列挙でなく、5項目に分けてあった。
 Englishとしても大事だが、日本語でもこれくらいのバリエーションでほめていきたいと思った。
 いつも「すごい」「上手」「がんばったね」だけでは、おそまつであることがよく分かる。

(1) Good(良い)の他にも使える一言褒め言葉(Goodの類義語集)

Very good! とても良い!
Teriffic! 大変良い。
Fantasuteic! 素晴らしい!
Well done よくできました!
Great! とても良い。
Wonderful 素晴らしい!
Excellent! 優秀!
Close 惜しい!
Awesome! とても良い
Superme! 素晴らしい!
Perfect! 完璧!
Wow! わあすごい

・・・一言で、12のバリエーションだが、訳だけみると同じものがあって7種類になってしまう。そこには微妙な差異があるのだろう。

①よし ②すごい ③うまい ④さすが ④すばらしい ⑤完璧 ⑥上手 ⑦驚いた ⑧感激した ⑨素敵 ⑩最高 ⑪合格 ⑫惜しい ⑬あと少し で13種類か。 

(2) Good job(よくできました)の他にも使える表現

Much better!      前より大変良くなりました。
keep up the good work! その調子でがんばってください
Thats great idea!    とても良いアイデアですね。
I know you can do it!  あなたならできます
Great teamwork!    とてもよいチームワークです
Thats an interesiting ponit 面白い点ですね
Good try!       よい試みです。
Great effort!     大変良い努力です。
Thats a good guess!  良い推測です。

・・・ノートへののコメントは、(1)の一言パターンではさみしいのでこれくらい書きたいところ。

①努力を褒める ②結果を褒める ③成長を褒める ④試みを褒める ⑤発想を褒める ⑥協力を褒める

などが観点になるか。

(3)生徒の具体的な態度、能力を褒める表現
※生徒一人一人を褒める時には、具体的に何が良かったのかを示す。

You make lots of effort to speak English in class!
あなたは授業で英語を話す努力をしています。

Your writing skills have improved so much! 
あなたのライテイング能力はとても進歩しました。

Im impressed by your speaking skills! 
私はあなたのスピーキング能力に感心しました。

(4)その他の生徒一人一人を褒める表現
You work very hard! 
あなたはとても一生懸命勉強しています。

You worked very hard in class today! 
あなたは今日の授業でとても一生懸命勉強しました。

I love having you in my class! 
あなたが私のクラスの生徒でうれしいです。

・・・(3)はピンポイントの褒め方、(4)は総括した形の褒め方と言えるだろうか。
通知票の所見みたいなレベルになってきた。ありきたりの褒め言葉ではなく、その場でのその子に対するオリジナルな言葉かけをしていきたい。
「あなたは努力や成長をしています」という客観パターンと「私はあなたの努力や成長に感心しています」の主観表現のパターンがあることが分かる。

(5)クラス全体を褒める時の表現
※クラス全体を褒めることによって、生徒との間にチームワーク・統一性が生まれます。

Thank you for sharing your ideas! 
 みんなのアイデアを話してくれてありがとう。
(注 「おたがい意見を出し合ってありがとう」という意味かな?)

Everyone worked very hard today! 
今日はみんなとてもよくがんばりました。

・・・授業のまとめや帰りの会の最後のお話でみんなに伝えたいメッセージという感じ。
 熱い語りバージョンもあるだろうが、毎日のことだから、さらりと褒めるのが基本形ではないだろうか。

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