結果ではなく努力を褒めるのがスタンフォード流
「結果ではなく努力を褒めるのがスタンフォード流」というネットの記事(無料で閲覧できる)
http://mainichi.jp/premier/business/articles/20160314/biz/00m/010/001000c
キャロル・ドゥエック教授の講義内容が紹介されており、「『やればできる』の研究」の復習になった。
ちなみにドウエック教授の「やればできるの研究」については、かつて書いたことがある。
http://take-t.cocolog-nifty.com/kasugai/2016/07/s-88fe.html
今回のネット記事は非常にコンパクトにまとめられているので、そのまま引用するだけで済んでしまうが、さらにまとめてみる。
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「硬直マインドセット」をもっていると、「自分は勉強してもムダだ」と自ら限界を決めてしまいがちで、学習意欲が著しく低いまま。
一方「しなやかマインドセット」が高まると、「今はまだできないだけで自分も能力を伸ばすことができる」と捉え、勉強に取り組む勇気や活力がわき、実際に成績が向上する。
◆「まだ」というのが魔法の言葉です。
知らず知らずのうちに、子供は「いつかはちゃんとできるのだ」と自分を信じる力がつきます。
この自分を信じる力こそ、しなやかマインドセットであり、挑戦し続ける気持ちなのです。
◆しなやかマインドセットの割合が高い人は、目の前の課題や挑戦的なことに対して前向きに、積極的に取り組みます。
その結果、失敗しても、「『今』の私は失敗したけれど、もう一度トライすれば成功できるかもしれない」と気持ちを切り替えて、その経験を肯定的に捉え、次の課題に挑むようになるのです。こうした心持ちになり、それを維持していくには、周囲の人たちや保護者との接し方、特に「言葉がけ」が大きく影響します。
◆褒める際は大げさにせず、結果ではなくプロセスを評価していました。
さらに、その子の持つ能力や才能ではなく、努力したことについて褒めるのが大切です。
◆(悪い言葉かけ)・・子供を大げさには褒めてはいけない
例えば、テストで100点満点を取った子供を「○○ちゃんはすごいね!」と大げさに褒めれば喜ぶかもしれません。
ただ、こうした大げさな褒め方をされると、自分はすごいのだ、できて当然という心持ちになり、さらに自分はすごくなくてはいけない、という考えに縛られます。
すると、自分がすごいという思いを維持するために、難度の上がったテストを受ける際、100点満点が取れないとわかった時点で、取り組むのを放棄したり、諦めたり、言い訳を探し始めたりするのです。子供なりに自尊心が傷つくのを避けるための行為だそうです。
また、自分の「すごさ」を認識するために、他者との比較に頼りがちになります。自分のテストの点数に向き合うのではなく、自分より点数の低い子を探し回ることも少なくありません。
◆(よい言葉かけ)・・次の目標につながる言葉をかける
テストで100点満点を取ったのであれば、「がんばったね」などと声をかけがちですが、子供の受け取り方はさまざまです。
もし、あまり勉強せずに100点をとれた場合、子供は無意識に「これくらいが、がんばることなのだ」と考え、それ以上の努力をしなくなる可能性があります。
つまり、子供がどの程度勉強したかという努力を褒めるのです。
このような場合、「このテストでは物足りなかったかな? もっと難しいことに挑戦しよう」などと、次の目標を提示すると良いでしょう。
もちろん、これ以上できないほど勉強して100点を取った場合は、最大限の褒め言葉をかけてあげましょう。
どの程度勉強したのかがわからなければ、「勉強でどんな工夫をしたの?」などと聞き、子供の話す工夫について、「その方法がよかったのね」といったように、努力や工夫することを後押しする言葉をかけます。
満点が終着点なのではなく、学びの通過点であることを伝えるのが大切です。
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子どもの努力を褒めるということは、その結果が「努力に値するかどうかを把握する」ことであり、点数で測るより、はるかに難しいことだ。
当たり前だが、努力を褒める・努力していなければ褒めないためには、日頃の子どもの様子をしっかり看取っている必要がある。
あるいは、「どんな工夫をしたの?」というような対話をする必要がある。
100点取ったから褒めるのは簡単だが、それ故、シロウトの行為にすぎないのだ。教師のやることではないと自制するとともに、日々「次の目法につながる言葉かけ」を模索し、体得していかねばならない。
◆疑問や問題を抱えた子供に対して、先生は、「友達に聞く」「前に自分がどうやったかを思い出す」「周囲に目を向ける」の三つのことを繰り返し促すそうです。こうして子供たちは、自分とその周囲の友達や物事から答えや解決策を見つけるようになるのです。
http://mainichi.jp/premier/business/articles/20160229/biz/00m/010/008000c
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