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September 17, 2017

「好きなことをやれ」と言われて困惑する場合

 「これからの世界をつくる仲間たちへ」落合陽一著(小学館は、たくさん付箋を貼った。

 「好きなことをやれ・やりたいことをやれ」と言われても困惑する学生がいるので、次の5つの問いを勧めていると言う(P108~110)

(1)それによって誰が幸せになるのか。
(2)なぜ、いま、その問題なのか。なぜ先人はそれができなかったのか。
(3)過去の何を受け継いでそのアイデアに到達したのか。
(4)どこに行けばそれができるのか。
(5)実現のためのスキルはほかの人が到達しにくいものか。

 この5つにまともに答えられれば、そのテーマには価値があると言う。
有用性を言語化できることは他人にも共有可能な価値になる可能性があるのだとも言う。

 ただし、誰でも簡単に到達できるスキルしか必要としないのであれば、簡単にまねをされ追いつかれてしまうともある。高いスキルが必要なのだ。

 P117~118には、別の視点からのアドバイスがある。

 大人から「好きなことを見つけろ」「やいたいことを探せ」と言われると、「僕は何が好きなんだろう」と自分の内面に目を向ける人が多いでしょう。そこからいわゆる「自分探しの旅」みたいなものが始まるわけですが、これは袋小路に行き当ってしまうことが少なくありません。
 しかし「自分が解決したいと思う小さな問題を探せ」と言われたら、どうでしょう。意識は外の世界に向かうはずです。そうやって探したときに、なぜが自分には気になって仕方がない問題があれば、それが「好きなこと」「やりたいこと」ではないでしょうか。

◆解決したい問題を発見し、「5つの問い」に答える形でそこに文脈をつけることができれば、その時点で問題の70%ぐらいは解けていると思っていいでしょう。

◆したがって、問題を探すときには、コンピュータがあることによって何が解決できるかを考えてみるのもひとつの方法。

◆これからの時代、コミュニケーションで大事なのは、語学的な正しさではなく「ロジックの正しさ」です。(中略)まずはその内容を自分の母語できちんとロジカルに話せることが大事です。

◆ロジカルな言語化能力は思考を深めていく上で欠かせませんが、それによって対人コミュニケーション能力が高まることも見逃せません(P151)

 具体例は本書を読んで納得してほしい。
 
 それにしても、ここに引用した箇所を見ると「好きなことをやる」ことがベストではないことが分かる。
 なぜなら、いくら自分の好きなことをやり通しても、そこに「ニーズ」がなければ、仕事としては成り立たないからだ。上記の5つの問いに答えられないようなアイデアでは、すでに誰かがやっているか、誰がやっても(今のところ)不可能か、誰も相手にしてくれないということになってしまう。

 「好きなことをやれ・好きなことだけやれ」というメッセージの危険さが、よく分かる。

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