「ワーク」と「ライフ」と「ライフワーク」
日本人は勤勉であるとよく言われるが、長時間労働なので、単位時間当たりの仕事量では日本人は他国に劣るとも言われる。
また、退職まで1つの会社に勤めることが美徳とされてきたから「安定した企業」への志向も強い(強かった)。
長く勤めることが愛社精神であり、ドライに転職を繰り返す海外よりも愛社精神が強いものだと思ってきた。
ところが、その発想と真逆の意見があった。
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日本人はアメリカ人よりも愛社精神、会社に対する忠誠心が強いとよく言われますが、愛社精神に対する考え方が異なります。アメリカでは、社員は自分が会社にどんな貢献ができるか、どういう付加価値を提供できるかが重要で、会社側はその社員を最大限に活用するために最高の環境を与えます英語には「プロフェッショナリズム」という言葉があります。日本語だと「プロ精神」と訳されることがありますが、具体的には「一人前に働く人がプライドを持って、自分がその専門に対して、最善の仕事をする」という意味を含みます。アメリカでは重視される考え方で、その精神があるからこそ、今置かれた環境で全力を尽くすのです。だから働く場所は問題ではなく、自宅勤務でもきちんと働くのです。
(中略)
プロフェッショナリズムを身につけるために、社員が得意なことや今後歩みたいキャリア形成を自分でしっかり考え、もっと積極的に自分の夢を見つけて追求できる機会を企業が提供していくことが求められます。
そして、社員も将来に起こりうるキャリア変更のため、または現在の企業で自分の進路を設定するために、こんな自問をするといいでしょう。
「自分は何をすることが好きか?」
「自分は何に情熱を持てるか?」
「自分は仕事の何に意味と目的を見出すか?」
「自分は何が得意か?」
これらに自答して、それを自分の向かうキャリアに対する展望と共に考察し、積極的に自分の長所を他人と共有していくことが必要です。
「会社に尽くすアメリカ人、会社に居座る日本人」PRESIDENT 2015年8月17日号
http://president.jp/articles/-/16918?page=5
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上記の4つの問いは、先のダイアリーで紹介した落合陽一氏の問いとよく似ている。
その落合氏は、「ワーク」と「ライフ」を切り離せないとも述べていた。
その流れの中で、「ワーク」と「ライフ」を割り切るのが西洋の職業観と書いたが、よくよく考えたら「ライフワーク」という言葉があったではないか。
そして、通常、ライフワークは 「天職」「一生をかけた仕事」と訳される。
したがって、24時間働いていたいと落合氏が主張しているのは「ライフワーク」であったのだとも解釈できる
「ライフワーク」を検索していたら、「3つのワーク」が出てきた。
これは、分かりやすい概念規定である。
(1)お金のため、ごはんを食べるために働く [ライスワーク]
(2)その仕事が好きで働いてる [ライクワーク]
(3)自分の使命だと思って働いてる [ライフワーク]
https://matome.naver.jp/odai/2139626309369150501
http://menzine.jp/job/raisuwaku5575/
ライスワークなら、定時退社して自分の余暇を充実させればよい。
ライクワークやライフワークは、時間を気にせずに没頭していたいのだ。熱中してやり続けている人を無理矢理、退社時間で追い出すのは合理的ではない。
おそらくクリエイティブな仕事は「9時から5時まで」といった時間で区切ることができない。だから、場所も時間も制約しない成果主義のシステムが成り立つのだ。
◆ライクワークはモチベーションが切れると続かないのが特徴ですが、ライフワークはモチベーションを必要としません。そのかわり「やりたい」という気持ちが常にフツフツと情熱として続くため、周りからやるなといわれても気づいたらやってしまうほど、元々生まれ持った才能のようなものです。
ライフワークとは、名前のとおり「命の仕事」と考えることができ、人それぞれ違ったライフワークを身につけているため、自分オリジナルな形で周りの人に分かち合うことが出来れば、自分も他人も幸せな気持ちでいることが出来ます。
・・・ライフワークはモチベーションを必要としないと言うが、「やりたい」という気持ちがフツフツ生じる情熱こそが「モチベーション」ではないか。
ライフとワークは切り離せないと主張する落合陽一氏は、コンピュータにないもの、コンピュータより人間に優れたものが「モチベーション」であり、これからは「モチベーション格差の時代」が来ると言う。
http://wpb.shueisha.co.jp/2017/05/25/85183/2/
「ライフワーク」に必要なのは、「好き・得意・使命感・有用感=モチベーション」である。
こう考えると、エドワード・デシの内発的動機付けの源と、合致する。
①自律性の欲求(自己決定したい)
②有能さの欲求(できるようになりたい)
③関係性の欲求(人間関係を築きたい)
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