人工知能に負けない脳
YKKのファスナーが「カラス対策用ゴミ収集ネット」を作っていると言う。
カラスがゴミを食い散らかさないように、ファスナーを使ったネットを開発したわけだが、まあ、これは想定内。
ただ、「ソフトタンク」には驚いた。
◆トラックでミルクなどを運ぶとき、液体がこぼれないようにする「タンク」
と言うだけでは、ファスナーの意味を感じないが、
◆ミルクを届け終わった後、空になった大きなタンクが、小さく小さくなったら、他のものを積んで帰れてベンリだと思いませんか?
「ソフトタンク」はやわらかい素材でできているから、中が空になれば小さくたためるのです。
また、トラックの荷台を空にしたまま何度も行き来しなくてよいので、ガソリンの消費も少なく、排気ガスも減って、環境にもやさしいのです。
YKKの水を通さないファスナーなら、中の液体がこぼれる心配はありませんし、ファスナーを大きく開いて、タンクの内側を掃除することもでき、とても清潔です
https://www.ykk.co.jp/japanese/ykk/here/0506_softtank.htm...
という記述を読むと、普通のミルクタンクがいかにも無駄で不便だと感じてしまう。
「自分の長所を生かすこと」と、「世の中の不便さに着目すること」が一体になった時、創造が起こる。
茂木健一郎氏の『人工知能に負けない脳 ~人間らしく働き続ける5つのスキル』(日本実業出版社)の中に、
◆世の中の不便さを我慢しない
◆不便さを解消するのがイノベーション
といったフレーズが出てくる。
YKKが、ファスナーという自分の強みを生かして「ソフトタンク」を開発したことは、まさに、このイノベーションの典型だと思う。
こういう開発話を知ると、人間の知恵ってすごいなと思う。
Comments