職場づくりの発想を、学級づりに活かす
『最高の仕事ができる幸せな職場』ロン・フリードマン著(日経BP)は、たくさん付箋を貼った。
社会心理学者のムザファー・シェリフが主張する「職場での友人関係を維持する手法」に言及する箇所がある。P147~150
友人関係を促すのは、「楽しみ」を共有することではなく、「ともに闘う」ことだと言う。
たとえば、キャンプ場の給水を止めて2つの少年グループが協力しなければならない状況を設定すると、この問題を協力して解決した後は、2つのグループの不和が収まったのだと言う。
協力しなければ達成できない困難な課題を出すことが、チームを束ねるカギなるというのは、まさに「雨降って地固まる」の手法だ。
◆上位の目標は、不和を解消する助けとなるし、不和を防ぐにも使える。
共通の目的のために努力していると感じれば、友人関係が生まれる条件が緩和される。
これが、本書の第5章「他人の集まりをコミュニティに変える」の一節だ。
一緒に働くには、「ただの知り合い」よりも、「友人」の方がいい。
「知り合いグループ」は、1人で取り組むのを好み、必要なときだけ話す。
「友だちグループ」は、意思疎通を図り、積極的に励まし合い、アイデアを批判的に評価し、話がずれたときはそれを伝えた(つまり、問題がある時はお互いに忌憚なく注意し合えるということ)。
職場に「親友」がいる従業員は、より集中力が高く、より熱心で、より会社に忠実であることが研究によってわかっている。
・・・無論、これは職員チームにも言えることだが、学級組織も同じである。
学級がいつまでも他人同士の集まりでは機能しない。
1学期半ばのこの時期に学級の動きに差が出るのは、子供たちの関係を「他人」から「知り合い」、「友だち」へと移行させるための支援を担任が実行しているかで差が生じてくるからである。
団結を促すための策は、たとえば、イベントであり、学級の問題解決である。
みんなで一致団結して事を成し遂げる機会を意図的に作り出して行くことが学級づくりのポイントなのだ。
本書では、「職場内コミュニテイが形成される種を蒔く(P152)」という言葉が出てくる。
コミュニテイを形成するための種まきを学級担任は行っているか、そこを自問自答してほしいな。
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