「=(イコール)」でつなげられる表現はどこか
出口氏の「日本語トレーニング」の中に、文相互の関係を示した部分がある。
出口氏の分類はわずか3つ。
①イコールの関係 命題 = 具体例・引用
②対立の関係 命題 ←→ 対立命題
③因果関係 命題 → 次の命題
「出口式 論理力ノート」の第2章「『論理的な読み方』を身につけよう」では「イコールの関係」について、さらに次の4つを示している。
①具体例・・・主張の証拠
②体験・・・・・主張の強化
③引用・・・・・主張の裏付け
④比喩・・・・・言葉にならない思い
とりわけ、国語の授業する時(教材分析する時)、注意してきたのは、
「=(イコール)」でつなげられる表現はどこか
であった。
「イコール」はざっくり3通りであると考えた。
(1)ある言葉を短くまとめている場合
(2)ある言葉を詳しく説明している場合
(3)言い換え・よく似た表現で繰り返している場合
言葉の定義・解説・同義語反復などが、イコールでつながれる。
言い換え・要約でいうと「~という現代の課題(「AというB」)のような言い回しもよく見られる。
今回のセンター入試国語のテクニックというのは、小中学校の通常の国語の授業に応用の利かない部分も多い。
そんな中で、「ドラゴン桜」13巻で示された芥山先生の選択肢の6つの分類は「なるほど」と思った。
1:正解
2:反対
3:すりかえ(本文中の言葉を使っているが論旨が違う)
4:言い過ぎ(本文の内容の誇張)
5:不足
6:勝手なことを言う(世間的には正しいが、本文にない)
こうやって書くと正解はすぐに見つかりそうだが、実際はなかなかできない。
何度か入試問題にチャレンジしているが、ことごとく選択肢ではずしてしまう。
ラスト2つまでは絞れるが、そこからが難しい。
「言い過ぎ」は、簡単そうに思えるが、「論理の飛躍」や「断定のしすぎ」を見抜くのは決して簡単ではない。「常に・すべて・絶対・だけ・必ず」という言葉があるからすぐに見分けられると芥山先生は言うのだが、そのようなワードの出てこない場合の方が多い。
「不足」も簡単そうだが、内容的に間違っていないわけだから「不足だ」と断言するのは結構難しい。
「すりかえ」「勝手なこと」も、思わず納得してしまいそうな「いい内容」が書かれているので、まんまと納得してしまうことが多い。
さて、この6分類に「=(イコール)」の3つの分類を加えてみると、選択肢が8通りできる
1:正答(具体的な言い換え)
2:正答(抽象的な言い換え)
3:正答(比喩的な言い換え)
4:誤答(反対)
5:誤答(すりかえ:本文中の言葉を使っているが論旨が違う)
6:誤答(言い過ぎ:本文の内容の誇張)
7:誤答(不足)
8:誤答(勝手なことを言う・世間的には正しいが、本文にない内容)
正答の「具体・抽象・比喩」をうまく読み解かないと、「言い過ぎ」や「すりかえ」のような誤答と混同してしまう。
具体的な試験問題を提示していないので分かりにくいですね。ごめんなさい。
センター入試は、「イコール」で読み解く問題が多かった。入試の問題文をそのまま引用するとかなり難解なので、どう説明したら悩んでいるが、早急に分かりやすく示してみたい。
「論理」カテゴリの記事
- 「情報」の一丁目一番地?(2024.08.05)
- 「作戦マリコ」で、国語の発表スキルを鍛える(2024.07.08)
- 対比表現、対句表現の体得(2024.06.05)
- 穴埋めプリントのデメリット(2024.05.06)
- 「事実」ですか、「意見」ですか?(2024.05.06)
Comments