偶然は学習ではない!
東京書籍の「教室の窓」4月号にプログラミング学習の記事があった。
プログラミング的思考は「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」とされている。
榎本竜二氏は、この定義を受けて次のように言う。
◆行き当たばったりの数値を調整して面白い動きを偶然見つけたりするような授業は、プログラミング学習ではない。問題を解決する必要があるのだから、目標通りの正しい動作をしなければならない。また、同質の問題が発生したときにも、手順が再現できるものでなければならない。
◆そのため「このように作れば、こう動くので、この問題は解決する」という予測を立ててから、プログラミングの作業を行わせなければならない。与えられた課題を小さな問題に分割していく過程や、予測どおりの動きになるように修正を行う過程で、論理的思考が活躍する。プログラミング教育というのは、このような問題解決の過程を思考しながら繰り返すことで、コンピュータの考え方や動作の原理を学んでいくことなのだ。
なるほど!
最後に「コンピュータの考え方や動作の原理を学んでいく」とあるが、これは、「人間の問題解決の思考過程の原理」そのものなのだと思う。
行き当たりばったりの試行錯誤ではなく、ある程度の仮説や予測に基づいて試行錯誤させるべきだという意味では、プログラミングを実行させる前段階が大事だということになる。
「偶然は学習ではない」「プログラミング教育には予測が必要」の言葉は重い。
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