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August 01, 2018

「採用基準」 ~この国はリーダーを育てられるのか?

Kiso_3
 経済産業省が提唱している「社会人基礎力」というのを初めて知った。なるほど、3つの能力と12の要素は、やや欲張りだが大切なポイントだと思う。

◆「社会人基礎力」とは、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されており、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、経済産業省が2006年から提唱しています。
企業や若者を取り巻く環境変化により、「基礎学力」「専門知識」に加え、それらをうまく活用していくための「社会人基礎力」を意識的に育成していくことが今まで以上に重要となってきています。

【前に踏み出す力(アクション)】

①主体性:物事に進んで取り組む力
②働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
③実行力:目的を設定し確実に行動する力

【考え抜く力(シンキング)】

①課題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力
②計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
③創造力:新しい価値を生み出す力

【チームで働く力】

①発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力
②傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
③柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
④情況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
⑤規律性:社会のルールや人との約束を守る力
⑤ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力

http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.html
http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/h19reference.htm

 しかし、『採用基準』(ダイヤモンド社)では、この中に「リーダーシップ」の項目がないことを厳しく批判し、日本の将来を憂えている。
 欧米では「リーダーシップ」「クリエイテイビテイ」「イニシャテイブ(自発性)」「ジャッジメント(判断力)」などが重視される。

◆日本に足りないのはリーダーやリーダーシップであると同時に、「リーダーシップに関する、重要性や必要性の認識」です。(P172)
◆国が育てるべきと提唱している人材像の概念の中に、リーダーシップという言葉がまったく出てこないというのは、今や世界の中で極めて”ユニーク”だと言えるでしょう。(P173)

 それは「マネージャー(管理職)」の仕事ではないか?
 それは「コーデイネーター(調整役)」の仕事ではないか?
 それは「プレーヤー」の仕事ではないか?
 それは「雑用係・世話係」の仕事ではないか?

といった問いに”NO”と言えないようでは、リーダーの仕事があいまいになる。

◆「リーダーの仕事は、周りの人を楽しくさせることではなく、なんとしても成果を出すことなのだ」
◆「一人でも助からないならいっそ全員で死のう」ではなく「犠牲者は出るかもしれないが、一人でも多くを助けよう』と考えるのがリーダー

という言葉は重い(P110)。リーダーは時に孤独だ。

 続いて、リーダーがなすべき4つのタスク

(1)目標を掲げる・・チームが目指す成果目標(ゴール)の定義
(2)先頭を走る・・リスクや責任を引き受ける覚悟
(3)決める・・・・検討でも分析でもなく判断し決定する
(4)伝える・・・・説明責任

◆逆に言えば、決断をしない人はリーダーではありません。伝える努力をしない人も、先頭を走る覚悟のない人も、成果目標を掲げて見せてくれない人もリーダーとは言えないということです。調査する、勉強する、考えるなどの行為は、どれほどの時間と熱意をかけてそれらに取り組んでも、それでリーダーの役割を果たしているとは言えません。「後ろから部下を見守っている」のもリーダーではありません。目標を掲げ、先頭に立って進み、行く道の要所要所で決断を下し、常にメンバーに語り続ける、これがリーダーに求められている4つのスタンスなのです。P133

 リーダーの責任は重い。
 これまで自分の考えてきた「リーダー」が、いかに調整役に近かったかを反省した。

 「ラストマン」という言葉がある、最終判断をし、最終的な責任を負うのが「ラストマン」としての、トップリーダーの役目である。
https://toyokeizai.net/articles/-/72456


 『リーダーを目指す人の心得』(飛鳥新社)による「コリン・パウエルのルール(自戒13ヵ条)」

1 なにごとも思うほどには悪くない。翌朝には状況が改善しているはずだ。
2 まず怒れ。その上で怒りを乗り越えろ。
3 自分の人格と意見を混同してはいけない。さもないと、意見が却下されたとき自分も地に落ちてしまう。
4 やればできる。
5 選択には細心の注意を払え。思わぬ結果になることもあるので注意すべし。
6 優れた決断を問題で曇らせてはならない。
7 他人の道を選ぶことはできない。他人に自分の道を選ばせてもいけない。
8 小さなことをチェックすべし。
9 功績は分けあう。
10 冷静であれ。親切であれ。
11 ビジョンを持て。一歩先を要求しろ。
12 恐怖にかられるな。悲観論に耳を傾けるな。
13 楽観的でありつづければ力が倍増する。

 リーダーが、「カリスマ」ぐらいならいいけど、「ワンマン」になったら困るから、あえて社会人基礎力にリストされていないのだとしたら、極めて嘆かわしいことだ。
 あいかわらず日本は

「出る杭は打たれる」
「護送船団型」
「調整型の人材が重宝される」

ということになる。それがグローバルスタンダードではないのだということを、しっかり肝に銘じたい。
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