クリテイカルシンキングの必要性
少し古いが、2017年2月の「小4教育技術」にあった出口汪氏の特集記事のコピーが見つかった。
2020年に向けた基本的なスタンスがよく分かる。
小学館編集部の言葉
◆2020年度から実施される次期学習指導要領と、現行のセンター試験に替わって「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)を導入する大学入試制度の改革。それぞれが「思考力 判断力 表現力」を重視し、今後は「記述式の問題」「複数の正解があり得る問題」などへの対処に、より論理的な読解力と表現力、さらに欧米型のクリテイカルな思考が必要がとされています。
・・・子どもや保護者にとっては、新学習指導要領より、大学入試改革の方が重要かもしれないし、むしろ、大学入試の傾向から逆算して、小中高での取り組み課題が明らかになってくるのではないかと思う。
出口汪氏の言葉
◆文部科学省が従来からモデルにしている欧米の考え方「 クリテイカルシンキング」とは、ある問題について、主観を交えずに客観的に様々な角度から分析して、複数の可能性から相対的に適切なものを選ぶ能力のことで、次期学習指導要領ではこの要素がさらに強まるとされています。文部科学省はとくに、答えのない問題への対処や、複数の正解があり得る問題で最適解を導き出す能力などを重視するということですね。
つまり、教科書に答えがあって、先生が教えてくれることを何ら疑うことなく頭に入れて答えればいいという、これまでのやり方とは真逆な教育になるということです。
自分自身で考えていく過程で、ひょっとしたら答えが見つからないかもしれない、あるいは複数の答えが現れるかもしれないという学習が導入されるわけですが、こういうことは、現実社会で生きているとあたり前に遭遇する問題ですよね。世の中で起きている事柄、われわれが直面している問題には絶対的な正解は存在しないわけですから、極めて現実的な学習であると言えます。
・・・答えのない問題、複数の正解がある問題への対処か。たった1つの正解を暗記する教育とはまさに真逆である。
極めて大切な指摘なのに、すぐに記憶から遠のいてしまう。何度も何度も擦り込んで自分のものにしていきたい。
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