「地頭のよさ」
『週刊現代』の10月13・20日号の次の特集はよかった。
◆GAFAではもう当たり前 「地頭格差」の時代◆
グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾンで「GAFA」であることは知っていた。
「地頭」の話題も知っていたが、この特集4ページを読んで自分の知識の薄っぺらさが恥ずかしくなった。
(1)IT評論家尾原和啓氏の言葉
「これからのIT、デジタルの世界は何が起こるかまったく分からない分野です。解答がある問題を早く解く能力よりも、課題を設定する能力、そしてその課題を解決する仮説を設定する能力が求められます。(中略)答えが分かっている単純作業はAIが担っていき、スキル価値はゼロになっていく。」
「どうしても、日本では記憶型の学問が重視される傾向が強い。しかし、地頭の良さとは、今までにない問題の解き方をどれだけ日常のなかでぐるぐると考え続けられるかで決まってくる。ただ勉強ができるだけではダメなのです。」
「グーグルが一番大事にしている能力は何かというと、自分が解決可能な最大インパクトをもたらす課題を自ら設定し、それを解決するまでやり抜く能力なんです。そして、グーグルには課題を自ら見つけて解くことが面白くて仕方ない人たちが集まっています。」
・・・自分なりに追記すると、これまでは欧米の開発したものを真似し、精錬させることで日本製品は評価された。これからが既にあるモノの応用・転用でなく、全く新しいアイデアの創出が求められている。それが、いわゆる「ZERO TO ONE」の発想である。
(2)ビジネスコンサルタント細谷功氏が示す「地頭の良さ」
・問題そのものを考える
・定義が不明確な問題を解く
・指標そのものを考える
・少ない情報から物事を創造する
・抽象的な課題を扱う
・ルールを作り直す
「プロトタイプを早く作り、何度も失敗を繰り返しながら創造していく。この試行錯誤型の働き方がこれからの時代は重要になってきます。GAFAは、そのような枠に囚われない考え方で成長してきました。」
・・・「地頭の良さ」は「AIが不得意とする分野」を念頭に置いている。
(3)アマゾンジャパンの立ち上げメンバーだった林部健二氏が指摘する「地頭力の3つの要素」「アマゾンの人材発掘」
「初めての業務でも自分なりの仮説を立てて実行できる柔軟性、次に色々な分野の人を巻き込むコミュニケーション能力、それに加えて、アマゾンでよく言われるのは、リーダーシップです。」
「一番良いのは、二軍のトッププレイヤーを採用することです。東大でビリよりも、それより偏差値が下の大学のトップの方が良い。やはりトップということは地頭力を兼ね備えていることになる。
・・・出身大学ではなく、その集団で突出したトップ・枠に収まらない人物が優先されると言う。ジョブズもザッカ―バーグも大学中退だ。
(4)ソフトバンクの三木雄信氏
「アップルからまったく新しいコンセプトの『iPhone』が発売されて、国内メーカーは壊滅状態になりました。その当時、日本の大手企業では地頭が良い社員は、大きな組織のなかでは浮いてしまい、周囲との摩擦を生んでしまうこともあった。
しかし、これからはそのような人たちが日本企業を変えていき、会社を大きくしていくのは間違いない。さらに言えば、そのような人材はベンチャー企業のほうが才能を発揮できる。結果的にそうした企業は成長していくことで、日本の社会全体が変わっていくことも考えられます」
・・・学歴や年齢では決まらない時代に子どもたちは突入していく。
安定した職業と言われる公立教員にそのチャレンジャーの気概を教えられるだろうか?
せめて時代の動向には敏感でいたい。
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