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October 27, 2018

古くて新しい「ブレーンストーミング」

 1つの結論に絞らない話し合い活動を考えた時、「ブレーンストーミング」が浮かんだ。
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ブレーンストーミングという会議の仕方は、問題解決のためにあたらしい発想、アイデイアを作りだすために考えられたものである。
この方式の会議では守るべき四つの注意がある。
第一は同席する他人の意見を批判をしないことである。「そんなアイデイアはだめだ」とかいって否定しないことである。
第二は、自由奔放に意見を述べよということである。つまり、こんなことをいえばばかげた話だと笑われはしないか、とかいうことを気にせず、おおいに自由奔放に思いついたことをいえ、ということである。別のいいかたをすれば、自分に対して批判をするな、自己規制をするなということである。
第三は量である。すなわち、できるだけ多量のアイデイアを出せということである。したがって、いろんな角度からのアイデイアをできるだけたくさん出せということでもある。
そして第四は結合である。これは他人の意見をうけて、さらにそれを発展させるということである。他人の意見から触発されて、他人と自分の意見を結合してゆくことである。

 「発想法」創造性開発のために 改版 川喜多二郎著 
 中公新書 P60/61 改行の一部に手を加えた。
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・・・1967年初版の名著である。
従来の「話し合い」には、ブレーンストーミングの4つの観点はない。
でも、向山実践の「かける」の授業や「分かったこと・気がついたこと・思ったこと」の授業には、このような大量の気づきを列挙して分類整理する方法がとられる。


 話し合いは結論を出すために収束の方向に向かうものだが、ブレストは拡散の方向に向かう。
Aという意見に触発されてBが出たり、思わぬ方向からCが出たり、無理やりDを出したりする自由度の高さがブレストの魅力である。
 結論に導く収束的な話し合いも無論大事だが、多様な解を促すブレスト的な話し合いも注目していい。
むしろ、「正解のない時代」と言われるこれからブレストが重要なのではないかと思う。そして、そのモデルとして向山実践が挙げられる。

 このブレーンストーミングについて、川喜田氏は注文をつける。
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しかしこの方法は、計画という点では大事なものが抜けていると思う。ブレーンストーミングで吐き出したいろんなアイデイアのみならず、この方法の「精神に沿って」吐き出された情報は、単に枚挙するだけでなく、組み立てられなければならない。何らかの構造あるものに組み立てなければいけない。
その組み立てにあたって、いはば統合を見いだしてゆくのに使うのが、のちに述べるKJ法である。これは構造づくりである。それはまたのちにのべる「構造計画」にも通じる。
P62/63
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・・・この「構造計画」が難しい。
 同書では別の個所で「空間的配置」という言葉で説明している。P86
 また、関連付けのための方法として、次の2つの方法を示している。P88

◆単位と単位の間を棒線でつなぐ
 ①相互関係 ←→
 ②対立   >-<
 ③原因・結果の関係 →

◆リング(輪どり)で包み込む
 リングで囲むと、関係があり同類であることがわかる。

・・・「線でつなぐ」「丸で囲む」。
 どこかで聞いたキーワードだ。
 椿原正和氏が提唱している国語B問題対策のポイントだ。
 国語B問題対策が大量の情報を構造化するために「線でつなぐ」「丸で囲む」という作業を課しているということだ。

 ちなみに、「発想法」のあとがきの参考文献には次のようにある。
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オズボーン(上野一郎訳 1958)『独創力を伸ばせ』ダイヤモンド社
ブレーンストーミング技法の原点である。問題解決のためのアイデイアを討論のなかからうちだし、以後チェック・リストでふるいをかけるゆきかたである。
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 オズボーンの9つのチェックリストもまた有名だ。

1.他に使い道は?
・改善・改良して新しい使いみちは
・そのままで新しい使いみちは

2.応用できないか?
・他にこれに似たものはないか
・過去に似たものは無いか
・何か真似できないか

3.修正したら
・新しいひねりは
・意味、色、動き、音、匂い、様式、型などを変えられないか

4.拡大したら
・より大きく
・何か加えられないか
・強く、高く、長く、厚く、頻度は、付加価値は

5.縮小したら
・より小さく
・何か減らせないか
・弱く、低く、短く、薄く、省略は、分割は

6.代用したら
・他の素材は
・他のアプローチは
・他の構成要素は

7.アレンジし直したら
・要素を取り替えたら
・他のパターンは
・原因と結果を入れ替えたら

8.逆にしたら
・後ろ向きにしたら
・上下をひっくり返したら
・主客転倒したら

9.組み合わせたら
・ブレンド、品揃え
・目的を組み合わせたら
・アイデアを組み合わせたら

https://jairo.co.jp/keyword/588

・・・「ブレーンストーミング」も「オズボーンのチェックリスト」も、めちゃくちゃ古いが、今なお新しい。

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