「類推の思考」で解釈を促す
「教育トークライン」10月号(東京教育技術研究所)の石坂陽先生の実践は「情景描写を的確に捉えさせる」。
言葉の裏の意味を見出していく作業だ。
難易度の高い課題のハードルを下げるための手立てが「類推」である。
◆難しいテストで100点を取った。
先生にものすごく褒められた。
→外を見ると、太陽が美しくきらきらと輝いていた。
これが「行動」→「情景描写」。
そして、この情景描写が→「うれしさ」「すがすがしさ」を表している。
「じゃあ、みんなも同じように情景描写の表現にチャレンジしてみましょう」では、あまりに無謀だ。
石坂先生の実践では、ここでもう一歩踏み混んで例示している。
◆努力したのに、テストで50点だった。
→外を見ると・・・・・・
「外を見ると」の後に続く情景描写の文章を書いてごらんなさいと指示を出している。
そして「外を見ると、枯れた木々が力なく揺れていた」といった文を出させて、「悲しさ」「残念な思い」といった心情を把握させる。
私は、これは類推型の思考指導だと思っている。
【AーB】と同じ関係が【C-※】にも成り立つとき、※にはどんな文が当てはまるか考えさせる。
この場合、A・B・Cを提示して※のみを考えさせているから、無理なく類推できる。
ただし、正確に言うと、石坂先生の実践は、「行動」-「情景描写」-「心情」の【A-B-C】を例示して【D-※ー※】の2か所の※を考えさせている。
裏の意味は、テキストにはない言葉を用いなければならないので、例示を含め、やさしく取り組んでちょうどいいくらいだと思う。
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