創造力の重要性はいつから話題になっているか?
論理力も大切だが、論理を超えた発想力も大切である。
(1)耳の聞こえない人のために音が鳴ると同時に光って合図する電話を作ったが、役に立たなかった。なぜか?
(2)100円玉1個、50円玉2個、10玉3個で、何通りの金額の支払いができるか?
(3)私は3000万円の家を2割引きで買った。その後、知り合いに買い値の2割高でゆずった。私はいくら得したか、あるいはいくら損したか?
・・・(1)は、「電話が光ってもに気づかないことがある」だと考えた。
正解は、いくら電話に出ても、相手の話が聞こえないから。これが「そもそも耳が聞こえないなら、電話が利用できない」という事実を忘れてしまうと正解にたどりつけない。
このパターンなら着信をバイブで知らせても役に立たない。
・・・(2)は、総額230円だから、おつりをもらうことを考えたら1円から230円までの支払いが可能というのが正解。
100円+50円+10円2枚というような組み合わせで考えたらアウト。
・・・(3)は、2400万で買って、その2割高で譲ったのだから2割分の480万の得。
最初の3000万円という数値を無視できないとアウト。
これらは多湖輝氏の「頭の体操(5)」の問題からの引用(改作)。
「頭の体操」には、明らかに論理的に解くものもあるが、時々ひっかけのようなものが含まれている。
ひっかけを含んだ幅広い思考力・発想力・問題解決力・常識を疑う能力は、最近のクイズ番組でも求められている。暗記力の勝負だけでは視聴者も満足しないからだろう。
たとえば、「東大ナゾトレ」のシリーズが書店に並んでおり、キャッチコピーは以下の通り。
◆「頭がやわらかければ小学生でも正解できるが、頭が固ければ大人でも苦戦してしまう問題が満載。試されるのは、あなたの知識ではなくひらめき力です!」
・・・「ひらめきが大事で、クイズやパズルが大流行」というのは今に始まったことではない。
1966年に発刊された多湖輝の「頭の体操」は20集までシリーズ化され、第1集だけでも250万部を超えたと言う。
1999年に復刻された第1集(光文社)のまえがきには次のようにある。
◆当時と比べると時代はすっかり変化し、隔世の感がある。しかし、政治、経済等どの分野をとってみても、今の日本には型破りの発想をするエネルギーが感じられない。
いやむしろ今の人のほうが「常識」や固定観念に縛られているようにさえ思える。既成の枠にとらわれていたのでは新しい変化に対応できないことはいつの時代でも同じである。
・・・1999年はAIに代替えされる心配など全くなかった時代だが、やはり、既成の枠にとらわては新しい変化に対応できないことが問題視されていた。
しかし、20年前の多湖氏の指摘は今なお同じだし、ますますニーズが高まっている。
「発想力」「独創力」「ひらめき」「柔軟な思考」「やわらか頭脳」など言い方は様々だが、いずれにしても、今話題の「AIに代替えされないために人間に求められる能力」と同じ意味である。
「既成概念にとらわれない柔軟な発想を」という提言は、実はもっともっとルーツは古いのかもしれない。
思いもよらぬ発想力・アイデア・独創力はどうやって指導していけばよいのだろうか。
暗記力だけを評価していないか。
論理的思考だけを評価していないか。
そんな点も留意しながら、深堀りしてみようと思っている。
1960年代に話題になったという「水平思考」にまでさかのぼる必要がある。
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